【特徴まとめ】発達障害・自閉症・ADHDのセルフチェックリスト

当協会では、児童発達支援士や発達障害コミュニケーションサポーターの資格を認定するにあたり、さまざまな情報を見ていく中で、子供の発達障害に関するセルフチェック項目を明確に作成いたしました。我が子が発達障害かもしれないと思った際には、いきなり病院に行くのではなく、まずはセルフチェックをしてみましょう。一時的な症状で判断するのではなく一定の期間継続しているのか、自宅以外でも同じような症状が出ているのかなどポイントがあります。この記事では発達障害(自閉症・ADHD・学習障害含む)のセルフチェックが出来るリストをご用意いたしました。是非参考になさってください。

セルフチェック時の基本姿勢

ここで紹介するセルフチェックは2種類あります。

  1. 世界的基準であるDSM-5の基準
  2. 簡易的に行える基準

このように2つに分けたのは、読者の皆様によって深刻度や発達障害に関する基礎知識が異なるためです。ひとつめで紹介するDSM-5は世界的基準であるため、病院で診断される基準と基本的には同一であることからより正確なセルフチェックができると言えます。しかしその分、表現が難しかったり、理解するのに苦しむ場合があります。

そのような方のためにふたつめの簡易的に行える基準も紹介します。こちらは当協会が資格認定をするうえで様々な情報を調べたうえで、基準となりうると判断した項目をピックアップしたものです。こちらはどなたが見ても判断がつきやすいので、一つの目安になるでしょう。しかしまだ専門知識がない状態で「自閉スペクトラム症だ」「ADHDだ」と断定するのは望ましくないと考えているため、簡易的なセルフチェックでは、発達障害という大きな括りでのセルフチェックに留めています。その点はご理解ください。

DSM-5によるセルフチェック

世界的な基準のひとつであるDSMをご紹介します。こちらは基本的に医療の現場で実際に用いられる基準となっておりますが、その分表現が難しかったり、判断が難しい部分もあります。そのため、明確にわかる範囲で確認をしてあいまいな部分は判断しないようにした方が良いでしょう。繰り返しになりますが、発達障害は症状を併発している事が多くあるため安易な判断は出来ません。参考程度にとどめて頂くことをお勧めします。

DSM-5とは何か?

DSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)とはアメリカ精神医学会が発行している、精神障害の判断基準・診断分類のことです。1952年に第一版を発行し、その後改訂を重ねて2013年に第五版を発行しました。それが「DSM-5」であり、現在(2021年6月時点)の最新版として使われています。以下紹介する診断チェックリストはすべて「DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル(原著:American Psychiatric Association)」より引用しています。

診断基準にはもうひとつICD-10というものもあります。ICD-10も世界的に認知されている診断基準ですが、こちらはWHO(世界保健機関)が作成しています。DSM-5の診断基準とも基本的には似通っているのですが、一部表現や言い回しが違うために混乱してしまう場合もあるでしょう。こちらはDSM-5と違い、精神疾患だけではなく疾患全般を網羅しているものとなります。国内の病院ではDMS-5もしくはICD-10が活用されていますが、統一はされていないため病院や医師によって異なると理解しておきましょう。

自閉スペクトラム症のチェックリスト

  • 複数の状況で社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的欠陥があること
  • 行動、興味、または活動の限定された反復的な様式が2つ以上あること(情動的、反復的な身体の運動や会話、強いこだわり、極めて限定され執着する興味、感覚過敏または鈍感など)
  • 発達早期から1,2の症状が存在していること
  • 発達に応じた対人関係や学業的・職業的な機能が障害されていること
  • これらの障害が、知的能力障害(知的障害)や全般性発達遅延ではうまく説明されないこと

それぞれの症状の程度は様々であり、併存症も様々みられることから、小児神経科や児童精神科による医学的評価(診断)が非常に重要となります。セルフチェックをして安易に診断を下すことはしないように気を付けてください。

ADHDのチェックリスト

DSM-5のADHD診断基準は、9つの不注意症候および9つの多動性・衝動性症候を含みます。この基準による診断には、少なくとも1グループにおける6つ以上の症候が以下の条件を満たす必要があるとされています。

  • しばしば6カ月以上認められる
  • 患児の発達水準から予測されるよりも著しい
  • 少なくとも2つ以上の状況(例,家庭および学校)でみられる
  • 12歳前に(少なくともいくつかの症状が)みられる
  • 家庭,学校,または職場での機能を妨げている

【不注意症状】

  • 細部に注意を払わない,または学業課題やその他の活動を行う際にケアレスミスをする
  • 学校での課題または遊びの最中に注意を維持することが困難である
  • 直接話しかけられても聴いていないように見える
  • 指示に従わず,課題を最後までやり遂げない
  • 課題や活動を順序立てることが困難である
  • 持続的な精神的努力の維持を要する課題に取り組むことを避ける,嫌う,または嫌々行う
  • しばしば学校の課題または活動に必要な物を失くす
  • 容易に注意をそらされる
  • 日常生活でもの忘れが多い

【多動性・衝動性症状】

  • 手足をそわそわと動かしたり,身をよじったりすることが多い
  • 教室内またはその他の場所で席を離れることが多い
  • 不適切な状況で走り回ったり高い所に登ったりすることがよくある
  • 静かに遊ぶことが困難である
  • じっとしていることができず,エンジンで動かされているような行動を示すことが多い
  • 過度のおしゃべりが多い
  • 質問が終わる前に衝動的に答えを口走ることが多い
  • 順番を待てないことが多い
  • 他者の行為を遮ったり,邪魔をしたりすることが多い

不注意優勢型と診断するには、6つ以上の【不注意症候】が必要であり、多動性・衝動性優勢型と診断するには、6つ以上の【多動性・衝動性症候】が必要です。混合型と診断するには、不注意と多動性・衝動性のそれぞれで6つ以上の症候が必要となります。

診断は他の神経発達障害(自閉スペクトラム症)や学習障害、不安、うつ、行動障害において発生するコミュニケーションの問題を示唆している可能性もあるため、安易な診断や過剰な診断は避ける必要があります。

学習障害(LD)のチェックリスト

A.学習や学業的技能の使用に困難があり、その困難を対象とした介入が提供されているにもかかわらず、以下の症状の少なくとも1つが存在し、少なくとも6カ月間持続していることで明らかになる

  • 不的確または速度が遅く、努力を要する読字(例:単語を間違ってまたゆっくりとためらいがちに音読する、しばしば言葉を当てずっぽうに言う、言葉を発音することの困難さをもつ)
  • 読んでいるものの意味を理解することの困難さ(例:文章を正確に読む場合があるが、読んでいるもののつながり、関係、意味するもの、またはより深い意味を理解していないかもしれない)
  • 綴字の困難さ(例:母音や子因を付け加えたり、入れ忘れたり、置き換えたりするかもしれない)
  • 書字表出の困難さ(例:文章の中で複数の文法または句読点の間違いをする、段落のまとめ方が下手、思考の書字表出に明確さがない)
  • 数字の概念、数値、または計算を習得することの困難さ(例:数字、その大小、および関係の理解に乏しい、1桁の足し算を行うのに同級生がやるように数字的事実を思い浮かべるのではなく指を折って数える、算術計算の途中で迷ってしまい方法を変更するかもしれない)
  • 数学的推論の困難さ(例:定量的問題を解くために、数学的概念、数学的事実、または数学的方法を適用することが非常に困難である)

B.欠陥のある学業的技能は、その人の暦年齢に期待されるよりも、著明にかつ定量的に低く、学業または職業遂行能力、または日常生活活動に意味のある障害を引き起こしており、個別施行の標準化された到達尺度および総合的な臨床消化で確認されている。17歳以上の人においては、確認された学習困難の経歴は標準化された評価の代わりにしてよいかもしれない。

C.学習困難は学齢期に始まるが、欠陥のある学業的技能に対する要求が、その人の限られた能力を超えるまでは完全には明らかにはならないかもしれない(例:時間制限のある試験、厳しい締め切り期間内に長く複雑な報告書を読んだり書いたりすること、過度に重い学業的負荷)

D.学習困難は知的能力障害群、非矯正視力または聴力、他の精神または神経疾患、心理社会的逆境、学業的指導に用いる言語の習熟度不足、または不適切な教育的指導によってはうまく説明されない。 文部科学省の学習障害の定義としては、「学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない」とされています。 以上が、DSM-5で紹介されている「自閉スペクトラム症(自閉症)」「ADHD(注意欠如多動性障害)」「学習障害(LD)」の診断基準となります。少しややこしかったかもしれませんが、参考にはなったのではないでしょうか。次の簡易的なセルフチェックに移る前に、ひとつご理解いただきたいことがありますので、先にそちらを紹介します。

発達障害は7種類ある

ここまで「自閉スペクトラム症(自閉症)」「ADHD(注意欠如多動性障害)」「学習障害(LD)」に関するチェックリストをご紹介してきました。しかし、発達障害は、この3種類だけでなくDSM-5では7つの種類に分類されています。この点をご存じない方も多くいらっしゃるので、どのような種類があるのか確認をしていきます。

  • 自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害
  • 注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害
  • 限局性学習症/限局性学習障害
  • 知的能力障害群
  • コミュニケーション症群/コミュニケーション障害群
  • 運動症群/運動障害群
  • チック症群/チック障害群

以上の7分類があります。発達障害児の多くは、複数の特性を併せ持つことが多いため、自閉症だけではなくADHDの特性も併せ持っているという事例がよくあります。そういった側面もあるため正確なセルフチェックは難しいと言わざるを得ません。未だに研究が進められている分野であることを考えると、医師が違えば診断結果や処方される薬が異なると言ったことはよくありますので、その点も理解しておく必要があるといるでしょう。

関連記事>>コミュ障かも!?子供のコミュニケーション障害診断チェック(DSM-5)

簡易自己診断リスト

次は、簡易的な自己診断リストを紹介します。簡易的と言っても30個用意しておりますので、発達障害という言葉に対してあまり慣れていないような方でも発達障害の傾向というものが理解できるような内容になっています。該当するものが多ければ多いほど、発達障害の特性と重なるものを持っているという事になります。繰り返しになりますが、だからと言って発達障害が確定すると言ったことではありませんので、気を落とさないようにしてくださいね。

  1. 目と目が合わない、嫌がる
  2. 極度の偏食がある
  3. ハグを嫌がる
  4. 音に敏感すぎる(寝ててもすぐ起きるなど)
  5. 作業する順序やルールにこだわる
  6. いつもと違う場所に物を置くと怒る
  7. ひとりで遊ぶことが多い
  8. 気持ちの切り替えが苦手
  9. 集団行動が苦手
  10. 冗談が通じない
  11. 表情を見て感情を読むことが苦手
  12. 人の話をじっと座って聴くことができない
  13. 忘れ物が多い
  14. 約束を忘れることが多い
  15. 物をすぐになくす
  16. 思ったことをすぐ口にする
  17. 活動量が同年代と比べても以上に多い
  18. 寝つきが悪い
  19. 初語が遅い
  20. 表現がストレート
  21. 昔のことを昨日のことのように話す
  22. 嫌がったり不安になることが多い
  23. ルールを守ることが出来ない
  24. すぐ行動するため事故にあいやすい
  25. 忘れ物が多い
  26. じっとしていられない
  27. 友達間のトラブルが多い
  28. 文章を読み間違う
  29. 運動全般が苦手
  30. 手先が不器用

これからどうするか?

ここで紹介したチェックリストで該当するものが多かった場合は、気持ちが落ち込んでしまうでしょう。しかし、子供のことを思い勇気を出したこの一歩は絶対無駄になりません。「○○かもしれない」と思うことで、具体的な対策を打つことができます。当然見て見ぬふりをしたほうが気持ちは楽なのかもしれません。しかしそれでは愛する子供さんのためにはなりません。

子供は定型発達児であろうが発達障害児であろうが身体障害児であろうが、これから先生きていくのです。健康に育っていけば、50、60年は生きていく。その時に困らないようにしてあげるのが親の務めともいえるでしょう。 そのため「これからどうするか?」が大切です。

この記事を書いたのはそのきっかけを作りたかったからです。発達障害児のケアは注意点はあるものの、早い方が施せることも多くなると言えます。 では具体的にどのようなことをこれから考えていくべきか紹介します。

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まずは知識を蓄える!

私がお勧めするのは、まずは保護者自身が知識を蓄えることです。当協会ではそのために児童発達支援士発達障害コミュニケーションサポーターという資格を認定しています。「なんだ、営業か」と思わないでください。きれいごとに聞こえるかもしれませんが、私ども協会では心の底から「理解は支援の第一歩」だと考えています。理解をすることで世界からいじめや差別が無くなり、結果的に引きこもりや自殺が減っていくものと信じています。

知識の蓄え方はどのような方法でもいいです。インターネットや書籍などで情報を収集するもよしです。ただ最もお勧めするのは、発達障害児を支援するために正しい知識を得られる「資格学習」です。インターネットの情報は断片的なものが多いですが、資格となると学習を通じて体系的に学ぶことが出来ます。当然資格認定に至るまでの間に、何年も実験やインタビュー、研究をしています。そのため「資格は別に・・・」と思っている方であっても、正しい知識を身に付けるという意味で資格はおすすです!

関連記事>>発達障害児を支援するためには資格が必要か?

発達障害児のコミュ力を高める
【公式】発達障害コミュニケーションサポーターを確認

コミュニティに参加する!

次に重要となるのは、身近な存在となるコミュニティに参加することです。Twitterやフェイスブックなどでそのようなコミュニティが設けられていたりします。また当協会の資格受講をすることもコミュニティに参加するという事と同じような意味を持つでしょう。会員様同士の交流があったり、意見交換会が開催されたりしていますので。

コミュニティに参加する際は「グレーゾーン」ということでも参加は出来るところがほとんどなので、お医者さんの診断が下っていない状態で参加してみましょう。するとどういった特性があるのか、病院に行くならどういうとこがいいのか、療育施設はどうなのか、特別支援学級にいかせるべきかなど様々なことを把握できます。経験者の話程貴重なものはありませんので、きっと役に立つでしょう。

病院に受診する!

そのうえで、我が子のことを客観的に見た時に発達障害の疑いが強いと思えば、病院に行きましょう。基本的には小児科にまず行くことをお勧めします。かかりつけ医にみてもらうことで、話が早いですし、皆様としてもハードルが低くなるでしょう。そして必要があればかかりつけ医から紹介状をもらうことになり、本格的なチェックができる病院に行くことになると思います。

療育施設を検討する!

病院には定期的に受診することがあるでしょう。その中で「療育施設」を提案されることもあります。療育施設と言っても様々なものがあり、発達障害全般を対象としたものから、自閉スペクトラム症に特化したところまで様々です。こちらは先ほど紹介したコミュニティで情報収集することをお勧めします。適した療育施設を見つけるという事は想像以上に大変です。もし見つかっても定員になっており入れないという事もありえます。

そのため療育施設利用とともに重要なのは、保護者の正しい知識です。療育施設を選ぶ際にも基礎知識がなければ決断できません。また療育施設に行く時間は週に1,2回程度であって、それ以外は自宅にいるわけです。一番療育を施すことができるのはやはり保護者なのです。そのため療育施設に高いお金を払うことよりも先に行うべきは、自分自身に正しい知識を身に付けさせ、子供への接し方を変えてみる。それによって子供がどう変わるか見て、今度の方針を決める。このようにすることが理想でしょう。子供にとっても保護者以上に安心できる相手はいませんから、保護者による療育が一番お勧めです。

【まとめ】発達障害・自閉症・ADHDのセルフチェックリスト

長くなりましたが以上となります

セルフチェックはあくまでも目安です。しかし私はここでそれ以上に重要なことを皆様に伝えたかったのです。

それは「子供にとって保護者が何よりも大きな存在であり、その保護者から理解されるのか、見放されるのかによって人格形成に大きな影響がある」という事です。

これは非常に重要な事です。人格形成と少し大げさに言いましたが、わかりやすく言うと自己肯定感に多大なる影響を与えます。自己肯定感が高くなるのか、低くなるのか。それは保護者がいかに理解してあげられるか、いかに子供の能力を信じてあげられるか、そこにかかっていると言えるでしょう。皆さんもご存じの通り自己肯定感は教育を語るうえで外すことのできないキーワードです。 是非この記事を参考にお子様への接し方というものを見直してみてください。そのきっかけになれば幸いです。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。

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