教育業(保育・習い事教室)が主婦にお勧めの転職先である理由

「家庭の主婦」という言葉が死語になるくらい、女性が仕事を持つことは当たり前になりました。子育て中の主婦も例外ではありません。そこで、子育て中の主婦へのお勧めの「転職」はと言えば、なんと言っても教育業(保育園・幼稚園・学習塾・各種習い事教室)ではないでしょうか。これまで3万人以上の子どもたちの教育に携わり現在は(一社)人間力認定協会 代表理事の私井上が、今回は「教育業(保育・習い事教室)が主婦にお勧めの転職先である理由」というテーマでお話いたします。

子育て中の主婦の就職・転職の現状とは

実は筆者も専業主婦ならぬ、専業主夫の経験が3年ほどあります。いろいろな理由があってそうなったのですが、それは、とても貴重な時間であったと同時に、とても大変なものでした。365日24時間勤務。生後1か月ほどでその生活は始まったのですが、まともに睡眠時間をとることさえもできません。その当時は「俺はコンビニか?」と言いたくなりました。

主婦の仕事は24時間年中無休(無給)

しかし、コンビニエンスストアなら目を離したすきに起こるのは「万引き」ぐらい(立派な犯罪です)ですが、子育てでは一瞬たりとも目を離すことができません。それは場合によっては取り返しのつかない事故につながる可能性があるからです。夜中に、ほんの少しの物音で起きてしまうのはこの時の経験のせいなのでしょう。それくらい子育ては大変なので、世の中の子育て中のお母さん、主婦(主夫)の皆様には本当に頭が下がります。

子育て中の主婦が就職・転職する時の問題点とは

そのような大変忙しい子育て中の主婦に対しても世間は「専業」を許してくれなくなりました。現実問題として家計のことを考えれば、パートタイマーとしてアルバイトをしたり、正社員として就職・転職する必要に迫られているのです。しかし、いざ、就職・転職するとなると、そこには独身時代には想像もしなかった壁(問題)が立ちはだかっているのです。主婦に立ちはだかる3つの壁(問題)とは何でしょう。その3つとは以下の通りです。

  • 勤務時間帯の壁
  • 勤務時間数の壁
  • 急用の壁

主婦が就職・転職する際に起きる「勤務時間帯の壁」

独身時代や子どもがいない時は、会社から「働ける時間帯は?」と聞かれても「何時でも大丈夫です!」と簡単に答えていたのが子育て中の主婦にはそうはいきません。手帳を見て、子ども達のスケジュールの合間を探しながら「そうですね、月・水は午前中で、火・木は14時以降で17時まで。土曜と日曜は子どもが1日いるので無理です」そういうと面接担当者は「わかりました。では合否の連絡は一週間以内に致します」って!この時点で採用する気ないですよね!(笑)と思ってしまいます。

主婦が就職・転職する際に起きる「勤務時間数の壁」

主婦が働く場合、ご主人の扶養内で働く必要が出てきます。扶養控除の枠内で働かないと、本来払わなくていいはずの税金を払わなくてはいけなくなったり、入らなければいけない保険に入る必要が出てきて、家計を助けるつもりが、かえって出費が増えてしまったという事態になりかねません。押さえておくべき扶養控除とは、「税法上の問題」と「社会保険上の問題」という二つの側面があります。

  • 税法上……住民税や所得税など配偶者控除や配偶者特別控除に関すること(103万円、150万円)
  • 社会保険上……厚生年金や健康保険などに関すること(106万円、130万円)

主婦が就職・転職するためには、このようなことを考慮しなくてはいけなくなるのです。その仕事で得たいと思う希望額が月額8万円で、年収を103万円以内に抑えようとすると(時給は1000円とする)「1,030,000(円)÷12(ヶ月)÷1,000(円)=85.8(時間)」となります。希望額は80,000円以上なので、月間の労働希望時間は「80時間以上85.8時間未満」となります。

面接の時に「月にどれくらい入れますか」と聞かれたら「はい、月に80時間以上85.8時間未満でお願いします」と言わなくてはいけないのです。こう言うと、面接の担当者も心の中で「シフト調整難しそうだな」「採用はやめておこう」ということになってしまう可能性が大きいのです。

主婦が就職・転職する際に起きる「急用の壁」

そして、面接の最後に、子どもを育てる主婦がどうしても言わなくてはいけないひと言が待っています。これが就職・転職における最大の壁(問題)なのかもしれません。その言葉とは
「あと、子どもが小さいので急に熱が出たり、吐いたりして、幼稚園から迎えに来てくださいと言われることがありますので、その際は早引きさせていただけますか? あと、夏休みと冬休みは基本的に出勤できません。あとは、来月は小学校の特別日課で、子ども達は1週間早帰りですので、この週も午後は出勤できません」


この後、面接室に広がる「沈黙」は、誰の責任でもありません!

主婦にお勧めの「働き方」と必要な「スキル・資格」とは

まずは大きく二つの視点で考えてみましょう。一つ目は「働き方を変える」ことであり、二つ目は「業種を絞る」ということです。「働き方を変える」という点では、やはり今流行りのテレワークが良いでしょう。自宅に居ながらにして仕事ができ、時間帯、仕事量についても、最初の契約の段階でかなり自由が利きます。以前に比べ、求人の数はどんどん増えていますのでお勧めです。以下に、テレワークに必要なスキルと資格をまとめてみました。

  • パソコン基礎スキル(ワード・エクセル)
  • WEbクリエイターなど、Webサイトを構築、運営するスキル
  • 動画や静止画の加工、編集スキル
  • SNSのビジネス活用スキル
  • マイクロソフト社が主催するMOS資格
  • 国家資格である、ITパスポート など

子育て中の主婦にお勧めの「職種」と必要な「スキル・資格」とは

子育て中の主婦にお勧めの職種はズバリ教育業(保育・習い事教室)です。幼稚園、保育園、民間学童、学習塾、各種教室が良いでしょう。その理由は3つあります。

  • ①教育業は子どもを対象としている会社なので子どものいる主婦に理解がある
  • ②仕事で学ぶことが大きく、自分の育児・子育てにも大変有利
  • ③働いている教室にそのまま子どもを通わせることが出来る(社員割引あり)

そしてそれら教育業に就職する際に有効なスキル・資格といえば、児童発達支援士、発達障害コミュニケーションサポーター、保育士、児童心理士などがお勧めです。これら教育業は子ども達とその父兄を納得させるだけの情報やノウハウを持っているので、働いているうちに、子どもの教育の達人になること請け合いです。つまり、「収入を増やす」という目的と「子育てスキル」を上げるという、二つの目的を達成する、まさに「一石二鳥の選択」なのです。

結論:教育業(保育・習い事教室)が主婦にお勧めの転職先である理由

主婦の就職の壁をぶち抜くために、テレワークと言う選択をするか、我が子と同じ年代の子が通うような教育業(保育・習い事教室)に就職するかのいずれかがお勧めです。そのために、子育て・育児関連の本を読み、今問題となっている発達障がい児の支援の勉強(児童発達支援士・発達障害コミュニケーションサポーター)をすることで、自分の子育て、育児のスキルを同時にアップすることが出来るでしょう。

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