第36回 児童発達支援士 意見交換会の実施報告

2026年01月26日

3-意見交換会

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2026年1月24日に開催されたオンライン意見交換会では、子育て中の保護者の皆様と、教育・療育現場で活躍する専門家の方々が一堂に会し、活発な質疑応答が行われました。本記事では、その中から特に注目度の高かったテーマをピックアップし、当日のやり取りを簡単に要約した形でお届けします。

【第2部:質疑応答・意見交換】

事務局(望月):
保育士として働いていらっしゃるHさんに伺いたいのですが、園にはケアが必要なお子さんが一定数いらっしゃるとのことでした。日々対応を模索されていると思いますが、「この関わり方は効果があった」という具体的なケースがあれば教えていただけますか?

Hさん:
はい。私が特に意識しているのは、「焦らないこと」「急かさないこと」です。日課に追われると、どうしても子どもを急かしてしまいがちですが、これまでの経験上「待つこと」が一番有効だと感じています。
例えば、集団行動が苦手な子に対しては、ひたすら同じ空間で待ちます。声をかけつつも、無理に動かそうとせず待っていると、ふとした瞬間に「一緒にやってみようかな」と自発的に立ち上がってくれることがあります。20分の活動のうち、15分待つこともありますが、最後の一瞬でも一緒にできたら、それを最大限に喜び、保護者の方とも「スモールステップ」として共有するように心がけています。

Oさん:
4歳の息子について相談させてください。会話がなかなか成立しないというか、例えば保育園から帰ってきたときに「お着替えしたんだね、どうして?」と聞いても、「この白い服に着替えたの!」といった具合に、質問と答えが若干ずれてしまうことが多いんです。自分の話したいことだけを話してしまう時、支援の現場ではどのように対応されていますか?

Iさん:
特性のあるお子さんは、言葉を頭の中で「絵」にするのが苦手な場合があります。「どうして?」という抽象的な言葉よりも、具体的なヒントを出してあげるといいですよ。
例えば、朝の服の写真をスマホで見せながら、「朝は赤だったけど、今は白だね。転んじゃったのかな?それとも汚れちゃったのかな?」と、選択肢やヒントを与えてあげると、子どもは想像しやすくなります。
ただ、まだ4歳ですので、発達の遅れの有無に関わらず、大人が求めるような「理由」を論理的に説明するのは難しい年齢でもあります。あまり期待しすぎず、こちらからイメージを膨らませる手助けをしてあげてください。

Oさん:
幼稚園で働いているOです。クラスに一人、外遊びから教室に戻る時に必ず「嫌だ!」とパニック(かんしゃく)を起こしてしまう子がいます。落ち着ける場所に移動させてから話をしようとするのですが、手が出てしまうこともあり、対応に苦慮しています。何か良い方法はありますか?

Iさん:
2歳児クラスの3歳のお子さんですね。その年齢だと、次の行動を「予告」されても理解するのが難しいことがあります。
まずは、外遊びの後のスケジュールを視覚的に分かりやすく示して、「次はこれをやるんだ」という見通しを持たせてあげることが一つ。
そして実際にかんしゃくが起きた時は、下手に触れようとすると「火に油」になることがあります。安全を確保した上で、少し離れて見守ってください。子どもは泣きながらも、必ず大人の様子を伺っています。一瞬泣き止んだタイミングを見逃さず、「泣き止んで偉いね」「お顔拭こうか」と、その子が好きな話題で切り替えてあげてください。大人が「ああだこうだ」と言っても、パニック中は耳に入りませんので、一度「見て見ぬふり」をして落ち着くのを待つのも一つの手です。

【保護者と支援者の連携について】

Hさん(保育士):
保護者の方への伝え方についても悩んでいます。園での様子を伝えても「家ではそんなことありません」と仰る方もいて、ギャップを感じることがあります。どのように伝えれば、保護者の方の不安を煽らず、協力体制を作れるでしょうか。

Iさん:
一番大切なのは、いきなり「園で困っています」と言わないことです。大抵の親御さんは「うちでは困っていません」と防衛本能が働いてしまいます。
まずは、どんなに些細なことでもいいので「今日、〇〇ちゃんこんなことができるようになったんですよ!」と良い報告を先に伝えてください。「この先生はうちの子の良いところを見てくれている」という信頼関係(ラポール)ができて初めて、親御さんのほうから「実は家でこんな悩みがあって……」と心を開いてくれるようになります。共感し、一緒に解決策を考えていくスタンスが重要です。

Oさん:
今の話を聞いていて、確かに「集団行動ができなくて困っています」と強く言われると、親としてはショックを受けてしまいます。「こういうことがあったので、こうしてみませんか?」と、具体的な対応策をセットで提案してもらえると、前向きに捉えやすいです。

Kさん:
うちの場合は、「発達障害です」と決めつけられるのではなく、「苦手なことが少しありますね。早めに知っておくことで、先回りしてサポートできることがたくさんありますよ」と柔らかく言っていただいたことで、前向きに調べ始めることができました。

【不登校と二次障害について】

Mさん:
私の娘は中学生で不登校になり、そこから発達障害の傾向があることが分かりました。当時は本当に悩み、自殺未遂を経験したこともあります。親はどうしても他の子と比較してしまいますが、スクールカウンセラーの先生に「みんなと一緒じゃなくていい。それがその子の持ち味だよ」と肯定してもらえたことで救われました。
同じ悩みを持つ親同士の横のつながりも、孤独にならずに済んだ大きな要因です。親がまず色々な方からアドバイスをもらい、余裕を持つことが、結果的に子どもを外へ向かわせるきっかけになりました。

Sさん:
うちは診断が遅く、中学1年生でようやく分かりました。それまでは学校の提出物が出せないことなどを「親のしつけのせい」と言われ続け、自分を責めていました。もっと早く気付いてあげたかったという思いはありますが、今は本人の得意な勉強を活かして大学まで進むことができています。

【まとめ】第36回 児童発達支援士 意見交換会の実施報告

今回もご参加いただいた皆様ありがとうございました。

今回お話にあがった内容をもとにこれからも様々なサービスを展開していきたいと思います。

ご参加いただきました皆様ありがとうございました。

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