第22回 児童発達支援士 意見交換会の実施報告
3-意見交換会
9月6日に開催された意見交換会の実施報告をさせて頂きます。意見交換会では発達障害や子育てに関する情報共有をしています。今回もとても有意義な時間となりました。皆様ありがとうございました。ここで紹介している内容が皆様のお役に立てば幸いです。
意見交換会議事録(発達障害の情報共有)
ここからは今回の意見交換会の質疑応答時に、実際にお話のあった内容をご紹介していきます。お客様の言葉をほぼそのままの表現で紹介させていただきます。(個人情報保護のため一部表現を変えている箇所がございます)
質問:感情のコントロールが難しいのですが、何か工夫などをされている方はいらっしゃいますか?
回答者様:私は2人の息子がいるのですが、長男が小さい頃から多動ですごく悩まされていて、赤ちゃんの頃は夜泣きなどがとても多かったです。子どもが2人とも男の子で喧嘩もすごく多く、イライラすることが多々ありました。自分の中で効果があり簡単にできることとして、深呼吸を意識しています。今でもカッとなって子どもに言ってしまうことがあるのですが、自分の中でイライラしてきたと思ったら、深呼吸を2,3回でもいいので行うことで落ち着いてから注意することができています。
回答者様:子どもに発達障害がみられた時に、自分自身にも違和感があり診断を受けたら、発達障害の診断をされました。このままではいけない、この状況から抜け出したいと思い、自分の感情を理解するために心理学を学んだりしました。子どもが感情のコントロールが難しい時などには、自分は1歩下がって俯瞰して見るようにしました。そうすることで子どもの感情を理解し、お互いにクールダウンが必要な時には一旦離れて時間をおいて、子どもが落ち着いてきたタイミングで話をするようにしています。
質問:スキマ時間でどのような接し方をすれば子どもとの信頼関係を築けるのでしょうか。
回答者様:子どもがやりたいことをダメと言わずに、子どもの想像力に任せて一緒になって楽しんでいます。外で遊ぶ時は泥だらけになっても一緒に遊んだりすることで、子どもが楽しめるようにしています。
回答者様:私は自宅にいることが多く、子どもと接する時間が多いのですが、主人は仕事があったり子どもの寝る時間が早いことなどから、顔を合わせて接することができるのが朝になります。私達は主人が仕事へ行く前に、皆で手をつないで行ってきます、と挨拶をしています。今日も笑顔で頑張りましょうなどと声をかけて主人が出勤するのを毎日行っていました。子どもが小学生になってからは学校へ行く時間が早くなり、すれ違うことが多くなったため、子どもからの希望でお父さんと一緒に朝家を出たいと言い、少し早めの出勤となりましたが主人が出来るだけ朝一緒に行くようにしてくれています。この時間で、コミュニケーションやスキンシップが取れる時間となっています。また、子どもはパン作りなどものづくりが好きなので、一緒にパンを作って主人に売ったりしてコミュニケーションを取ったり、お金の勉強をしたり、見通しをたてる練習をすることで自宅でも療育を行いつつ皆が楽しめるような時間を作るようにしています。
質問:現在、小学生2年生の双子と1年生の子どもがいます。ずっと保育士として働いていて就学に合わせて退職して、今は全力で子どものサポートをしています。今、専業主婦2年目でずっと家に子どもにいるだけだと、辛いことやしんどいと感じることも多いので社会復帰をしたいと思ったのですが、条件が合う所も中々無い中で困りごともあります。それは自分の仕事などと子どもへの関わり方のバランスなどに難しさを感じています。皆さんはどうされているのかお聞きしたいです。
回答者様:私も資格を取得しまして、変わったこととしては自分が知らなかった知識を知ることで子どもたちへの接し方が少し変わったり、こういう時はこんな対応でいいのかな?と自分で色々考えるきっかけが増えました。ですが、実践となると子どもにあれもしてあげたい、これもしてあげたいと欲が出てきてしまい、なかなか上手くいかないことも多いのですが、知らなかった頃よりは発達障害に対する理解が出来たと感じています。Yさんの仕事をしていきたいというお話を聞いて、自分も同じ気持ちだったので自分の経験を活かして、発達障害の療育関連の仕事に就きたくて探しています。一歩ずつ前進していけたらと思っています。
【まとめ】第22回 児童発達支援士 意見交換会の実施報告
今回も様々な意見交換が出来ました。保護者の皆様は、日常の忙しい中でも子どものため、ご家族のために懸命に考え行動されています。そのような中でなかなか子どもとの時間が取れない場合焦ってしまうこともあるでしょう。そういった場合には、長い時間を作ることを考えるのではなく、一分でいいので子どもの世界に入る時間を作る意識を持たれると良いでしょう。その一分間で何をするかというと、子どもの話に耳を傾け、子どもの世界観の中に身を置き、すべてを受け入れるということを行います。そうです、児童発達支援士の教材でも紹介している「承認」です。この一分間だけは何があっても自分の感情、世界観を出してはいけません。もちろん説教や否定をしてもいけません。子どもがもしおかしなことを言っていると感じても、そんなことは気にせずに、子どもが今見ている世界をそのまま受け入れるようにしましょう。
なぜこれがそこまで効果的なのか。それは人は誰しも自分の世界観の中でいきてるにもかかわらず、その世界観を誰かに聞いてもらい、理解してもらい、受け入れてもらえる経験はほとんどしていないからです。夫婦や家族であっても、会社の同僚や上司部下であっても、このような接し方をしてくれる人はほとんどいません。だからこそ価値があるのです。短い時間であったとしても、「自分を受け入れてもらえた」「わかってもらえた」と思える経験が増えていけば、信頼関係が構築されていくことは容易に想像できるでしょう。
今後も皆様の役に立てる活動をおこなってまいります!
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