第25回 児童発達支援士 意見交換会の実施報告

2024年03月19日

2-活動報告

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2024年3月16日に開催された意見交換会の実施報告をさせて頂きます。今回もとても有意義な時間となりました。皆様ありがとうございました。ここで紹介している内容が皆様のお役に立てば幸いです。

意見交換会議事録

ここからは今回の意見交換会の質疑応答時に、実際にお話のあった内容をご紹介していきます。お客様の言葉をほぼそのままの表現で紹介させていただきます。(個人情報保護のため一部表現を変えている箇所がございます)

質問:●●様にお聞きしたいのですが、海外で先生をされてたということで、ご経験の中で日本で教員をされている時の疑問が海外で教員をしていた時にクリアになった、とお話があったと思うのですが、その点について詳しくお聞きしたいです。

回答者様:小学校で6年、幼稚園・保育園とインターナショナルスクール、日本人学校で計10年ほど勤めていました。クリアになった部分は、日本は違いを排除するということです。人と違うことがあると排除しようとします。例えばランドセルの色が赤と黒が標準になっており、赤じゃない物を選ぼうとすると止めて赤にさせようとするのが日本。海外では人と違うのが当たり前、障害があろうがなかろうが関係なく当たり前です。例えば、こういう場面で困りごとがあるからこうしてみようという発想がたくさんあります。先生たちも新しいことをどんどん取り入れます。

日本だと狭い枠の中、教育システムの中で決められた事を学んだ方が教員となり、そのやり方にそぐわない人がいるとパニックになる、だからこの子は絶対に何かがある、大変だとなり親御さんに言う、いじめが起きてから分かる、検査しろ、でも私は専門外だというお手上げの状態が日本にはあります。

なので私は新しく先生になる人や、すでに先生の方に講習をしていて、世界では違うんだよと伝えています。発達障害という言葉で片付けられてる人たちがたくさんいるという事へ目を向けて、周りが変わっていかないといけないということが日本に帰って来てから明らかに分かりました。そこでこの資格に出会い、今何かできないかなと思っているところです。

質問:●●様のお子さんのエピソードをお聞かせいただいてもよろしいでしょうか?

回答者様:私は小学2年生と6年生の子がいます。2年生の子がADHDと自閉スペクトラム症があります。衝動的な行動やこだわりが強く、匂いや肌に触れる感覚にすごく敏感です。

入学した当時は、教室にいられない、上靴や靴下を履かない、裸足で外に飛び出す、機嫌が悪くなると学校から1人で家に帰ってきてしまう。教室の高いところに登ってしまったり、給食や音楽室の匂いが駄目で教室に入れないなど様々な症状があり、毎日職場に電話がくるような状態でした。

6年生の兄は学習障害と自閉スペクトラム症があります。その頃は学習障害だとわからなかったのですが、兄も入学した時は夏休みの宿題でやりたくないと言って家の中で暴れまわっていて、何時間も子どもと向き合って怒鳴りながらずっと宿題と向き合わせてやらせてしまっていました。皆やっているからやらなければいけないと伝えてしまって、ずっとそれを言い聞かせて追い詰めてしまって、暴れることしかしなくなってしまいました。

何か他の子と違うのかなと思い、学校や福祉に相談するようになり、まったく違う病気の心配をして検査をしてもらってのですが、そちらは違っていました。

6年生の子はトイレも小さい頃から立ってできずに漏らすことが多くて、4年生か5年生あたりまで着替えと尿パッドを持っていく毎日でした。

県の医大で診察をお願いしたのが、お兄ちゃんは5年生、下の子は1年生のタイミングで診てもらったらお兄ちゃんと弟の発達障害が発覚しました。お兄ちゃんのほうがまさかそうだとは思わなかったので、5年生まで後回しにしちゃったことをすごく後悔しており、分かってあげられなかったことが申し訳ないという気持ちが強くあります。

2人のことをずっと分からないまま過ごしていたので、私自身も疲れてしまって子どもたちを睨みつけたり、怒ることしかできなくなってしまっていました。そうすると子どもたちの顔つきが悪くなったり、お友達に同じようにやってしまったり、駄目という事しかやらなくなって、それを怒る、もっと酷い事をするという繰り返しになってしまいました。

そんな時に福祉の方からペアレント・トレーニングを受けてみないかとお誘いをいただき、迷いながらも夫婦で受けることにしました。半信半疑だったのですが、今更子どもを誉めることなんて出来ない、甘やすだけだって思っていたのですが、トレーニングをした後の対応を見てみると子どもたちがみるみる変わっていって、あんなにイライラしていて可愛いと思えなかったのに、半年ほど経つ頃には本当に子どもたちが可愛くて、なんでこんなに分からなかったのだろうと後悔して、トレーニングを受けて本当によかったと思いました。

日々の忙しさやイライラのせいにしてちゃんと見ていなかったんだな、子どもたちと向き合うことって大事なんだなと思いました。

そして今ままでの分子どもたちと向き合わなければいけないと思い去年20年以上勤めた大好きな仕事をやめてました。1年ほど経ちますが、子どもたちの様子はすごく変わり、私自身も余裕ができて一緒に過ごすことも楽しく、子どもたちにお帰りと言ったり、笑い合うことが増えました。仕事も大事ですが、向き合ってよかったと思います。

もちろん、上手くいかないこともありますが、この1年が大事だったなと痛感しています。今更ですが、お兄ちゃんへの対応や何であんなことを言っちゃったんだろうなという後悔があり、泣きたくなることもたくさんありますが、これからのことを考えてもっと子どもたちと向き合いたいなと思い、周りで悩んでいる人と分かり合いたい、子どもたちも行きやすい環境を広がっていったらいいなと思い受講しました。

質問:支援者側として発達障害の子にイラッとしてしまい怒っちゃうことがあると思うのですが、支援者側のイライラの解消する方法は皆さんどうしているのでしょうか?発散方法などがあれば教えていただきたいです。

回答者様:色んな脳科学者の方が言っている6秒間のアンガーマネジメントというものがあるので、それを使っています。困りごとがあったり、大変になってしまうと人間は感情が先に勝つのでまずは6秒待ちます。詳しく話すと長くなってしまうので、まずはこれだけやってみてください。

質問:障害を持っているお子さんはスイッチが入ると暴れたりすることがあると思うのですが、そういう時皆さんはどのように対応しているのか教えていただきたいです。

回答者様:私のクラスにも先生がついていないけど爆発しちゃう方がいます。私のやり方ですが、指先に別の感情を入れると良いと聞き、手を洗って冷やしたり、保冷剤を握って冷やしたりしています。手を洗いにいける状態なら、手を洗いながら楽しい話をしたら笑って感情が落ち着くことがあったのでそうしています。

質問:今の保育園は集団で皆でやろうということが多く、それは良いこともあり難しいこともあると思うのですが、特に発達障害のお子さんもできる限り皆で一緒にいようとしているのがどうなのかなと思っています。どこまで一緒にやれるのか、一緒にやらなければいけない理由など難しいのですが、考え方を聞かせていただけたらなと思います。

回答者様:皆で一緒にやらなくていいと思います。それができないから苦しいのであり、苦しさは味わう必要が無いものだと思っています。ただ、日本ではその子に担当の方が付いていないと違う行動ができないという状態があり、その子を見守る人が必要な状態です。

結果、無理矢理にでも集団に入れないといけない状態になって苦しい状況が続いていると思っています。

さっき別の方がおっしゃっていた、外国みたいに皆違うことが当たり前なんだよということが取り入れられればいいなと思うのですが、日本の文化や海外との違いで難しいと思っています。

【まとめ】第25回 児童発達支援士 意見交換会の実施報告

今回も貴重なご意見を沢山ありがとうございました。とても有意義な時間となりました。

共に支援の輪を拡げていきましょう!

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