第27回 児童発達支援士 意見交換会の実施報告

2024年07月15日

3-意見交換会

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2024年7月13日に開催された意見交換会の実施報告をさせて頂きます。意見交換会では発達障害や子育てに関する情報共有をしています。今回もとても有意義な時間となりました。皆様ありがとうございました。ここで紹介している内容が皆様のお役に立てば幸いです。

意見交換会議事録(発達障害の情報共有)

ここからは今回の意見交換会の質疑応答時に、実際にお話のあった内容をご紹介していきます。お客様の言葉をほぼそのままの表現で紹介させていただきます。(個人情報保護のため一部表現を変えている箇所がございます)

質問:私は放課後等デイサービスで働いています。小学校高学年くらいから中学生くらいまでの子どもたちを、運動と就労学習といって社会に向けたプログラムを提供して支援をしています。外国人のお子さんが多く、もちろん英語は話せるのですが日本語が少し喋れない子が多く、その中で難しいなと思っていることが、助詞のうさぎ「が」餅をつく、うさぎ「の」餅をつくなどに対して主語が分からなくなってしまうことがあり、こういった所に対しての支援方法をお聞きしたいです。 イラストを使って支援をしたりしているのですが、それを半年続けても中々理解が得られない状態が続いているので、分かりやすく説明する支援が他に何かあったらお聞きしたいです。

回答者様:長女が7歳で、2歳から言語療法に通っていています。言葉が苦手で、お母さん「が」りんごを切る、お父さん「が」ズボンを履くなどがまだできていません。4歳くらいから絵カードを見せてもらって、先生と1対1で絵を横に見せながら言い続けていますが、まだできていないので、本当に時間がかかるものだなと思っています。そのため根気強く続けていくしかないのかと思います。半年からでも効果が出るお子さんはいると思います。ですが、何年かかっても効果が出ない子でも、長い目で見て前より少しずつ良くなったと感じられる部分もきっとあると思うので、その部分を誉めながら続けていくしかないかなと思います。

回答者様:日本語という言語が外国の方からするとすごく難しい言語です。英語、中国語、スペイン語は取得が簡単と言われているのですが、日本語はとても難しいと言われているので、イラストでやっているのも継続しつつ、それを記録に残していくのも良いと思います。記録していくことで、前回はうさぎ「を」、今回はうさぎ「が」だったね。と違いを見せてあげることでイラスト、言葉、文字、発する言語と様々な物でアプローチすることで飲み込みが早くなるかもしれません。

回答者様:知り合いが放課後等デイサービスで働いていて、短期だと中々効果が出ないだけではなく、元に戻ってしまうと良く言っています。時間が経たないと、本当に効果があるのかは分からないので、信じてその子に合っていることを続けていくしかないと思います。3年4年と経っても定着しないお子さんがいらっしゃいますので、記録を取って続けていくのが大事だと思います。

質問:ご姉弟で発達障害ということでしたが、下の子の状態があまり良くない、喧嘩になってしまうなどがありましたが、もしよろしければお話をお聞きしてもよろしいでしょうか?

回答者様:下の子が産まれてから、上の子がかなり攻撃的になりました。5歳違いなのですが、親が見ていないところで抓ったり、叩いたりというのがありました。それが去年あたりから落ち着き始めたのですが、それを学んでしまったのか次は下の子がちょっかいを出すようになりました。

上の子が本を読んでいる時に、これを読んで!と言ったり物をぶつけて自分に注意を向けようとして喧嘩になってそれでお母さんが怒る、喧嘩にならない日はなくてお母さんが疲れ果ててしまうくらいには酷い状況が続いていました。上の子が嘘をついたり、自分が欲しい物を勝手に持って行って隠したりなどがありました。それが落ち着いたら自分の身体を痛めつける行為をするようになりました。

そしてまた、上の子が落ち着いているタイミングで下の子がちょっかいをかけて、また喧嘩、お母さんが怒るが続きました。

姉弟のそういった事例の資料があまりなく、これは発達障害による特性なのか、そういった性格なのかの堺が分からなく、対応の仕方を学ぶために児童発達支援士に申し込みました。学んでいくうちに、該当することがいくつかありました。下の子は現在定期的に地域の療育と病院の療育に通うようになって少しだけ落ち着くようにはなりました。

苦手なことが多く、お姉ちゃんを頼ることが多いのですがお姉ちゃんはやってくれずに怒ってしまうことが多いということもあります。

男の子はやる事がハードになってしまうことが多いらしく、漫画で決闘のシーンを見るとお姉ちゃんに対して盆みたいのを持っていっていきなり叩くといった具合にすぐ感化されるので、そういった物を一切見せないようにしています。

質問:フィリピンの教育現場を見たというお話があったのですが、私も話聞く中で、日本の教育現場と海外の学校は大きく違うと聞きました。もちろん海外といっても色々ありますが、発展途上の国の子どもは学校に通うのが楽しい、活き活きとしているという話を聞くので、Kさんがフィリピンの教育現場を見てどうだったのか、日本の教育現場との違いをお聞きしたいです。

回答者様:フィリピンのバギオという所に3~4ヶ月ほど留学していました。フィリピンの先生を通じて小学校に行かしてもらい、現場を見てきました。 一番違うと思ったのは、支援級といったものがありませんでした。日本は支援級や支援学校があって個人に合わせた個別の支援ができます。そういった物がない状態で全員が同じ活動をしているのが違うと感じました。

質問:今グレーゾーンで療育に長男が行っています。長男と関わるため、気持ちを理解するためにこの講座を受講しました。ただ子どもが3人いてモチベーションが続かないというか、下の子に気がいってしまうと後回しになってしまったり、急いでいる時に気が回らなかったりと、子どもとの関わり方のモチベーションの上げ方など、皆さんはどうしているのかお聞きしたいです。

回答者様:3人いらっしゃると1人でも大変な子育てが更に大変だと思います。イライラしちゃうことがあって当たり前だと思います。私は受講して勉強したことは、怒りを6秒間抑える、自分の中で手首をぐっと掴んで黙って耐えると決まり事を作りました。 子どもたちにも落ち着く場所を提供してあげたりもしました。

質問:息子が二次障害で暴言、暴行が続いたり、酷い時はプロレスの取っ組み合いみたいな感じで暴れているのを押さえることしかできません。私のアンガーマネジメントが出来ていないのもあるのですが、強い癇癪に対して良かった対応などがあったらお聞きしたいです。

回答者様:あまり参考になるかは分からないのですが、私は癇癪を起しそうな前兆を見逃さないようにしています。例えば顔が強張ってきた、目に涙が溜まってきたなどがあったら、クールダウン出来る場所に連れていく。広いスペースに連れていって身体を使って発散できるように促すなどをしています。

回答者様:私が自動思春期科に入院していた頃に病棟の友達に暴れたり暴言が酷い子がいました。そういう時、周りに人がいるとその人に当たってしまうことが多かったので、看護師さんはその子を個室の誰もいない部屋に連れていって、そこで諭したり抑えたりするのではなく一度そっとしておくのをされていました。 しばらく経つと落ち着いていたので、危ない物がない個室に連れていくことで周りに当たることや抑えている方の怪我なども減るのではないでしょうか。

【まとめ】第27回 児童発達支援士 意見交換会の実施報告

今回も貴重なご意見を沢山ありがとうございました。とても有意義な時間となりました。

今後も発達障害に関する情報を共有していきたいと思います。共に支援の輪を拡げていきましょう!

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