第33回 児童発達支援士 意見交換会の実施報告

2025年07月12日

3-意見交換会

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2025年7月12日に開催されたオンライン意見交換会では、子育て中の保護者の皆様と、教育・療育現場で活躍する専門家の方々が一堂に会し、活発な質疑応答が行われました。本記事では、その中から特に注目度の高かったテーマをピックアップし、当日のリアルなやり取りを議事録としてお届けします。

Q.小学校から中学校へ。スムーズな移行のために必要なサポートとは?

【質問者:Cさん】
中学校の先生でいらっしゃるIさんにお伺いします。先ほど「もう少し早くからサポートがあれば」というお話がありましたが、具体的に小学校の段階でどのようなサポートがあれば、中学校との接続がよりスムーズになるとお考えですか?

【回答者:Iさん(中学校教員)】
様々なパターンがありますが、例えば、子どもが良くない行動をしてしまった時に、それに代わる「代わりの行動」を具体的に教えてあげることが重要です。また、他者の気持ちを理解するソーシャルスキルも大切です。「あなたはそう受け取るかもしれないけれど、他の人はこう受け取るよ」といった、受け取り方の違いを学ぶ機会が少ないまま中学校に入ってきてしまう子が増えていると感じます。

「こういう場合は、こうする」といった折り合いの付け方を学ぶ経験が少ないまま進学してくる子が多い印象です。私が今勤めているのは1クラス12人という小規模校なので、お互いの個性が分かり、自然と助け合える環境があります。しかし、これが高校などで大人数の環境に変わった時、どうなるだろうと心配になる行動が見られることもあります。そうした社会性を、早い段階から教えていただけると有り難いなと感じます。

Q.学校でのトラブル。叱責に対する適切な対応と保護者への連絡

【質問者:Aさん】
実は先週、息子が学校で問題行動があったとして先生から叱責され、その場で気を失ってしまうという出来事がありました。学校側は状況を認識していたようですが、保護者である私への連絡はありませんでした。もしIさんのご経験の中で、このようなケースがあった場合、学校としてどのような対応をされるべきか教えていただけますでしょうか。

【回答者:Iさん(中学校教員)】
叱責で倒れるほどの状況だったのであれば、学校からきちんと連絡がいくべき事案だと思います。本来であれば、学校は記録を取り、「どういう経緯で、何が起きたのか」を保護者の方にきちんと伝えるべきです。

どの言葉が刺激になってしまったのかは分かりませんが、子どもが困ったり怖がったりするような叱り方は良くありません。最終的に「何が悪かったのか」を本人がきちんと確認できるようなやり取りが必要です。

例えば私の息子の保育園では、先生が「今日こういう理由で、こういう叱り方をしました。それに対してこういう反応がありました」と連絡帳や面談で丁寧に伝えてくれます。「先生に叩かれた」と子どもが言っても、「叩いたのではなく、こちらを向かせようと体に触れました」というように、意図を説明してくださいます。こうした丁寧なコミュニケーションが、学校と家庭の双方に必要だと感じます。

Q.【高額課金】子どものゲーム・ネット問題、どう向き合う?

【質問者:Mさん(事務局)】
保護者のMさんにお伺いします。アンケートで「お子さんのゲーム課金」について書かれていました。これから中学生になるお子さんを持つ保護者の方も多く参加されていますので、どのような経緯で、どう対処されたのか、お話できる範囲で教えてください。

【回答者:Mさん(保護者)】
中学2年生の頃、息子がニンテンドースイッチの「フォートナイト」で課金したのが発端です。正直なところ、親である私自身にネットやゲームに関する知識が低く、簡単に課金できることを知りませんでした。クレジットカードを登録できてしまうため、息子はカード番号を覚えて使い、月末の請求で発覚しました。その額は100万円近かったと思います。

「我慢ができないのはなぜか?」と考え、一度精神科に受診したのが、発達障害の検査を受けるきっかけになりました。結果的にグレーゾーンという診断でしたが、この件を機に、消費者センターにも相談しました。未成年者の契約であることなども含め、3ヶ月~半年ほどかけてやり取りし、最終的には返金という形で解決できました。周囲でもゲーム課金の相談は非常に多いので、親子でしっかり向き合う必要があると痛感しています。

【意見:Yさん(放課後等デイサービス勤務)】
子どもたちがYouTubeを見て、そこから不適切な言葉や暴力的な単語を意味も分からず使ってしまうケースがあります。保護者の方はその事実を知らないことも多く、私たち支援者から共有して初めて気づくこともあります。見えないところで子どもが何に触れているのか、把握するのは本当に難しい問題です。

【意見:Wさん】
YouTubeの件ですが、「ペアレンタルコントロール」という機能があります。これを使えば、年齢に合わない不適切なコンテンツに制限をかけることができます。こうした機能を活用するのも一つの手だと思います。

【意見:Sさん】
携帯を契約する際、18歳未満は親が管理できる設定(ペアレンタルコントロール)を義務付けられています。ただGoogle(Android)の場合は13歳までしか管理できず、14歳になると自動的に子どもの管理下に移行してしまいます。この場合、キャリアの支店で手続きをすれば18歳まで延長できるので、ぜひ活用してほしいです。
何より大切なのは、親子でしっかり話し合うこと。一方的に制限すると反発を招くので、お互いが納得できるルールを一緒に作ることが重要です。

Q.学童と放課後等デイサービス、どちらを選ぶ?それぞれの特徴と役割

【質問者:Iさん(中学校教員)】
年長の息子が来年小学校に上がるのですが、放課後を「学童」で過ごすか、「放課後等デイサービス(放デイ)」で過ごすか悩んでいます。それぞれのサポート内容や特徴について、現場の方のお話が聞きたいです。

【回答者:Uさん(放課後等デイサービス勤務)】
私たちの施設は定員10名で、発達に特性のあるお子さんをお預かりしています。放デイの魅力の一つは、子ども同士の横のつながりができることです。学校ではうまくいかなくても、ここではお互いの個性を理解し合い、お友達として関わる中で成長していく姿が見られます。

【回答者:Cさん(学童勤務)】
私の勤める学童は1日50人規模と人数が多く、その中でそろばんや英語などのレッスンが受けられるというメリットがあります。ただ、きめ細やかな療育という点では、やはり少人数制のデイサービスの方が手厚いかもしれません。

【Iさんからの感想】
ありがとうございます。息子も療育施設では少人数なので優等生ですが、30人以上いる保育園では順番などが守れず、折り合いがつけられないことがあります。環境や規模によって子どもの様子は大きく変わるので、とても参考になりました。


【まとめ】第33回 児童発達支援士 意見交換会の実施報告

今回もご参加いただいた皆様ありがとうございました。

今回お話にあがった内容をもとにこれからも様々なサービスを展開していきたいと思います。

ご参加いただきました皆様ありがとうございました。

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