第35回 児童発達支援士 意見交換会の実施報告

2025年11月10日

3-意見交換会

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2025年11月8日に開催されたオンライン意見交換会では、子育て中の保護者の皆様と、教育・療育現場で活躍する専門家の方々が一堂に会し、活発な質疑応答が行われました。本記事では、その中から特に注目度の高かったテーマをピックアップし、当日のやり取りを簡単に要約した形でお届けします。

テーマ「子育てや支援で大切にしていること」

事務局望月:私が意識していることは、どんな時でも子供の感情を無視しないようにしようと心がけてます。 例えば、自分の機嫌が悪い時とか体調が悪い時とか色々あると思うんですが、そういう時に子供から何か提案されたりとか言われた時に、『今それどころじゃないよ』って思ってしまって、『うるさいな』ってなってしまうこともあると思うんですけど、子供も本当に一人の人間だという捉え方を私はするので、その行動を起こすには何かこう理由があるよねっていうことを常に考えるようにしてます。まずは頭ごなしに絶対に言わずに、子供の感情を気にして、そこを汲み取ってあげるっていうことを日々意識しております。


K様:上の子はすごく難しい言葉をたくさん話すことができるんですけど、下の子はほとんど話さないというか、話しても宇宙語が多くて。やっぱり他の子と比べてしまうことが今まで凄い多かったんですけど、比較は良くないんだっていうのがよく分かったので。今はできるだけ比較をしないように、この子はこの子なんだっていうのを受け止めて過ごすようにしてます。あと、声のボリュームの調節ができないので、こういうの(声の大きさの視覚支援カード)を使って、『ちょっと今ゾウさんの声だったから、リスさんの声にしてね』とか、ちょっとこう声の大きさを調節する練習をしたりとかしています。


M様:私のテーマでもあり課題でもあるんですけれども、『劣等感を抱かせない』ように、指導する立場なので、そういう子供たちには、それを一番に念頭に置いてやっています。やっぱり劣等感を一回抱いてしまうと、『やらない』とか『できない』とかって言ってしまうので。『ちょっとやってみようかな』って思えるような声がけだとか仕掛けだったりとかをするようにいつも考えているところです。以前、練習曲を『どんな曲か弾いてみるね』って言って、むやみに素敵に弾いてしまうと、『難しそう、できない』ってそれだけで感じてしまうみたいで。それからは、『これは練習曲だから、次の曲を弾けるようになるための準備運動と一緒だよ。ストレッチに上手いも下手もないじゃん』みたいに話したら、『そっか』みたいな感じで取り組んでくれるようになりました。


N様:もう、何か問題が起きた時に、脳の問題だと思って諦める。 例えば上の子の時なんか、すぐ靴が脱ぎたくなるとかあったんですけど、そういうのも『靴揃えなさい!』と、カッとなってたんですけど、今は『あ、これは圧迫の感覚が嫌なんだな、感覚の過敏がそうさせてるんだな』って、なんで靴が脱ぎたくなるのかっていうその根底を理解するようにしたんです。脳がそうさせるんだから、しちゃうんですよ、やっぱり。 『するな』って言っても。だけど、『靴脱いでもいいけど揃えてね』とかってプラスで言葉を添えてあげる。そういう声がけはちょっと意識しています。


W様:発達障害あるなしに関わらず、大切にしてるものは多分共通なんですね。挨拶が自分からしようとか、笑顔でいようとか、ありがとうが言えるとか、その基本的な人間として一番人とコミュニケーションをするので、シンプルに大事なものって、この言葉だと思っていて。親が楽しそうに挨拶をしていれば、自然と子供も挨拶ってするのは楽しいなとか。あと、子供の嫌いなものとか好きなものがあったら、やっぱり理由があるから嫌いって言ってるんですよね。それをちゃんと聞いてあげて、で、どんどん落とし込んでいって、一緒に考えるっていう、そういう時間を家庭の中で取れたらいいのかなって思ってます。

質疑応答

質問者事務局望月:事前のエピソードで『靴を揃える習慣がついてきました』とありましたが、どのくらいの期間を要したか、どういう言葉がけをしたか、うまくいった点・難しかった点を教えてください。

回答者K様:この勉強を始めてすぐぐらいから、まず声かけから始めました。『靴を揃えよう』っていうところから。そしたら結構すんなりやってくれるようになって。でもやっぱり気が抜くと靴がグシャってなってるので、その都度呼んで、『この靴どうなってるかな?』って言ってたら、だんだん揃えられるようになってきました。本人は『やらなきゃいけない』っていう意識は持ててるかなっていうのが今のところです。


質問者W様:ピアノは右手も左手も足も目も使って、脳に良いトレーニングになると思うんですが、実際にそういう効果を感じたことはありますか?

回答者M様:本当にその通りですね。ピアノを弾くってものすごくいろんなことを一気にしなきゃいけないので。現代の子供たちってすごく前頭葉を使えてないって言われていて、指先を使うということが、その前頭葉の発達に繋がるので、ピアノを習わせて指先を使わせたいっていう親御さんはとても多いです。実際に、最初は全く座れない子とかもたくさんいるんですけど、1ヶ月2ヶ月じゃなくて、やっぱり半年1年見ていただかないと。1年経てばみんな座れるようになりますし、それがピアノに興味を持って指を動かしたことが、座れるようになったりとか集中できるようになったりとかっていうのに繋がっていくのかなというふうに思います。

【まとめ】第35回 児童発達支援士 意見交換会の実施報告

今回もご参加いただいた皆様ありがとうございました。

今回お話にあがった内容をもとにこれからも様々なサービスを展開していきたいと思います。

ご参加いただきました皆様ありがとうございました。

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