選択肢を増やす!片付けができない時の対応方法【インスタグラムライブ配信】

2026年02月25日

2-活動報告

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2026年2月13日にインスタグラムにて、発達障害のお子様を持つ保護者・支援者のためのライブ配信を行いました。テーマは「選択肢を増やす!片付けができない時の対応方法」です。その際の要約記事となります。是非ご覧ください。

1. はじめに:理解は支援の第一歩

本内容は、延べ5万人以上の受講生を抱える当協会が、実際の現場や保護者の声(有効回答数66名)をもとにまとめた「生きた知識」です。「理解は支援の第一歩」を合言葉に、お子様の特性に寄り添った対応を目指します。

2. 片付けができない時の対応

①一緒にやる・モデルを見せる

この対応方法は、「子どもの成功体験を積み重ねる」という観点から非常に有効です。

物事を習慣化させようとするとき、「嫌なこと」や「不快なこと」は定着しにくいといわれています。これは脳の働きとも関係しており、人は不快な体験を本能的に避けようとするため、継続が難しくなるのです。

一方で、「好きなこと」や「楽しいこと」「心地よいこと」は、繰り返すほど定着しやすくなります。ポジティブな感情と結びついた行動は、脳内で“またやりたい行動”として記憶されやすいからです。

そのため、片付けを「やらされるもの」にするのではなく、「一緒に楽しく取り組む時間」に変えていくことが大切です。 「楽しかった」「できた」という実感が積み重なることで、行動は徐々に習慣へと近づいていきます。

②環境を整える・片付けやすくする

「片付けができないのは、もしかすると環境の問題かもしれない」
この視点を持つことは、とても大切です。

私たちはつい、「片付けができないのは子どもの性格や努力不足が原因だ」と考えてしまいがちです。しかし、見方を変えると、行動の背景には“環境要因”が大きく影響していることが少なくありません。

「できるようにさせる」のではなく、「できる環境を整える」という視点。
物の量を減らす、収納場所を分かりやすくする、視覚的な手がかりを増やすなど、環境を工夫することで、子どもの“苦手”は大きく軽減されます。

③見通しを伝える・タイミングを調整する

「切り替えが苦手」という特性を持つ子どもは少なくありません。
遊びから片付けへ、楽しい活動から次の行動へ――この“移行”の部分でつまずくケースは非常に多く見られます。

そのような場合に有効なのが、「見通しを立てる支援」です。

たとえば、絵カードを用いて1日の流れを“見える化”する方法があります。
ここで大切なのは、「遊ぶ」のイラストの次に、必ず「片付け」のイラストもあらかじめ提示しておくことです。

つまり、「遊んだら終わり」ではなく、「遊ぶ→片付けまでがセット」であることを、事前に視覚的に示しておくのです。

見通しが立つことで、子どもは心の準備ができ、活動の切り替えがスムーズになる可能性があります。

④遊び・ゲーム化して動機づける

1つ目でご紹介した「一緒に片付ける」という方法に、ぜひ取り入れていただきたいのが“ゲーム化”の視点です。

私自身も、現場でよく活用している手法のひとつです。

正直なところ、「やりなさい」と強制しても、うまくいくことはほとんどありません。むしろ、対立構造が生まれやすくなります。そこで発想を変え、「片付けをさせる」のではなく、「一緒にゲームをする」という形に切り替えます。

ここで最も大切なのは、「今から楽しいことをやるよ」という雰囲気づくりです。

その裏に「片付けをさせたい」という意図が透けて見えてしまうと、子どもは敏感に察知します。
だからこそ、表情・言葉の選び方・声のトーンまで意識することが重要です。

⑤気持ちへの共感・受容

忙しさや時間的な余裕のなさは、支援する側の心の余裕も奪ってしまいます。
その結果、私たちは無意識のうちに「子どもの感情」よりも「やらせるべきこと」に意識が向いてしまいがちです。

しかし、余裕のない状態で要望だけを伝えても、うまくいかないことが多いものです。

なぜなら、そのとき子どもの頭の中も、自分の気持ちでいっぱいになっている可能性が高いからです。
「まだ遊びたい」「今はやりたくない」「うまくできる自信がない」――そうした感情で埋め尽くされている状態では、大人の言葉が入る“隙間”がありません。

だからこそ、まずは大人側が一度立ち止まり、冷静になることが大切です。

そして、「まだ遊びたかったよね」「今やめるのは嫌だよね」と、子どもの気持ちを言語化し、受け止めてあげます。すると、不思議なことに、子どもの心の中に少し“余白”が生まれます。その余白ができて初めて、大人の言葉が届きやすくなるのです。

5. まとめ

片付け支援で大切なのは、できない理由を子ども個人の問題にせず、特性や感情、環境の影響を丁寧に見つめることです。成功体験を積み重ね、見通しを示し、ゲーム性を取り入れ、まず気持ちを受け止める――そうした関わりの工夫が行動の変化につながります。

理解は支援の第一歩。理解があるからこそ、適切な工夫が生まれ、子どもの自信と成長が育まれていくのです。

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