第39回 児童発達支援士 意見交換会の実施報告
3-意見交換会
2026年7月18日に開催されたオンライン意見交換会では、子育て中の保護者の皆様と、教育・療育現場で活躍する専門家の方々が一堂に会し、活発な質疑応答が行われました。本記事では、その中から特に注目度の高かったテーマをピックアップし、当日のやり取りを簡単に要約した形でお届けします。
| 企画名 | 第39回意見交換会|人間力認定協会 |
| 開催日時 | 2026年7月18日 10:30~11:30 |
| 開催場所 | オンライン(ZOOM) |
| 登壇者 | 一般社団法人 人間力認定協会 理事・事務局長 望月宏彰 |
| 司会進行 | 坂本洋子 |
| 参加者数 | 6名 |
1. 学校現場の「今」と地域差:整列はもう古い?
T氏(宮城県・フリースクールボランティア):
「先日、神奈川で教員をされていた方から『今でも学校で整列をさせているんですか?』と驚かれたんです。宮城では当たり前のように整列させているのですが、今の教育現場はどうなっているのでしょうか。Kさん、現場の感覚を教えてください」
K氏(千葉県・育休中の養護教諭):
「私は九州の大分県と、今の千葉県の両方を知っていますが、大分は結構厳しくて、今でもしっかり整列させて移動します。一方で、千葉の自分の子供から話を聞く限りでは、そこまで厳密ではないようです。まさに地域や学校によって、指導のあり方はかなり違うのだなと肌で感じています」
2. 保護者が抱く不安と「気づき」のタイミング
C氏(東京都・塾講師):
「3歳以降になってからお子さんの発達が気になり始める保護者が多いというお話がありましたが、具体的にどのような悩みが多いのでしょうか」
S氏(千葉県・保育園勤務):
「一人目のお子さんの場合、保護者の方は『これが普通』と思われているので、なかなか気づきにくいものです。ただ、集団生活に入る保育園などでは、専門職である保育士が『おや?』と先に気づくことが多いですね。1歳半健診などで様子を見ることもありますが、3歳を過ぎて集団の中での困り事が出てきてから、オブラートに包んで保護者の方にお伝えするようにしています。将来を心配しすぎる方もいれば、『仕方ないよね』と受け止める方もいて、一人ひとりに合わせた丁寧なコミュニケーションが求められます」
3. 「イライラ」している子へのアプローチ
M氏(協会事務局長):
「感情が高ぶってイライラしている子に対して、皆さんはどのような工夫をされていますか?」
N氏(千葉県・小学校勤務):
「小学校低学年の子なら、おんぶや抱っこ、膝の上に乗せてトントンするなど、身体的な接触で安心させることが多いです。中学年・高学年になってくると、まずはその場から離すこと。廊下に出るなど、物理的な距離を置くのが今の私の対処法です」
T氏(宮城県):
「私もまずはまるごと受け止めるようにしています。抱きしめてあげて、少し落ち着いたらゆっくりとお話を聞く。先生方が忙しい時は、別の場所でじっくり関わるようにしています」
C氏(東京都):
「塾という場では、本人が落ち着くまでスタッフが近くで見守りつつ、話ができる状態になるまで待つようにしています。手が出てしまうこともあるので、まずは別室へ誘導します」
K氏(千葉県):
「私は『関わりすぎない』ことを意識しています。『大丈夫?』と声をかけすぎると、逆に居心地が悪くなってしまう子もいるんです。安全を確保した上で、あえて少し離れたところで様子を見る。本人が落ち着いてきたタイミングで、『落ち着いたね』と認めてあげてから対話を始めるようにしています」
4. 学校と放課後等デイサービスの連携
T氏(宮城県):
「放課後等デイサービス(放デイ)に通うための『受給者証』の仕組みや、学校との連携はどうなっているのでしょうか」
N氏(千葉県):
「受給者証は、市役所などで面談を経て発行されるものです。学校と放デイの連携については、放デイのスタッフが学校を訪問する機会もありますが、理想を言えば、日々の送迎時のちょっとしたコミュニケーションをもっと密にしたいですね。『学校ではこうだった』『放デイではこれができた』という情報のやり取りがスムーズになれば、子供にとってより良い支援に繋がるはずです」
5. 学びを通して変わった「子供への眼差し」
M氏(協会事務局長):
「児童発達支援士の学びを通して、子供への接し方に変化はありましたか?」
K氏(千葉県):
「以前は『発達障害』と聞くと身構えてしまう部分もありましたが、今は『それも個性だよね』とフラットに捉えられるようになりました。大人はついつい正解を教えたがりますが、あえて教えずに『どうしたらいいと思う?』と本人に考えさせる。見守ることの大切さを実感しています」
T氏(宮城県):
「私自身に『ゆとり』が生まれました。あ、今はこういう状況なんだな、と客観的に捉えられるようになったことで、子供をありのまま受け止められるようになったと感じています」
6. 現場を支える「小1サポーター」の活動
M氏(協会事務局長):
「Tさんがされている『小1サポーター』とは、どのような活動ですか?」
T氏(宮城県):
「小学校に入学したばかりの子が、ランドセルの片付けや着替えなど、学校生活に慣れるまでのお手伝いをする地域ボランティアです。不登校のお子さんを持つ親御さんから学校への不満を聞くことも多かったのですが、実際に現場に入ってみると、先生方がいかに多忙で、30人以上の子供を一人で見るのがいかに大変かという現実も見えてきました。地域の大人が少しでも学校をサポートすることで、子供たちが安心して過ごせる環境を作りたいと思っています」
事務局長よりメッセージ
今回の交換会でも、多くの「現場の知恵」が共有されました。当協会では、以下の4つを大切に活動しています。
- 支援者を増やす
- 支援の質を高める
- 支援を届ける
- 支援をつなぐ
資格を取って終わりではなく、そこがスタートです。これからも皆さんと共に、発達支援のより良い未来を作っていければ幸いです。
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