職場では中堅かそれ以上の立場になり、家では子どもが難しい時期に入り、自分の親のことも見え始める。40代は、支える相手が同時に増える時期です。
当協会の受講前アンケート146件のうち、40代は56名(38.4%)。6つの年代区分で最も多い層です。この56名の回答には、他の年代とは違う3つの特徴がありました。
- 動機の1位「現在の仕事に活かせる」64.3%と2位「身近に精神疾患のある人がいる」62.5%がほぼ並んでいる
- 「子育てに活かせる」48.2%は、146名全体の33.6%を14.6ポイント上回る
- 他団体のメンタル・心理資格を申し込んだ経験が26.8%。回答者20名以上の年代(30代・40代・50代)のなかで最も高い
仕事も、身近な人も、子どもも。どれか1つを理由にできない世代が、見比べたうえで学びに来ているということです。この記事では、56名のデータと受講後の記述から、40代の学びの形を整理します。
>メンタルヘルスの資格はどんな人が取る?受講者146人の年代・職種・動機データ
仕事のため?家族のため?どちらも受講動機の正解です

| 受講した動機(複数回答) | 40代56人 | 割合 | 146人全体 |
|---|---|---|---|
| 現在の仕事に活かせると思ったから | 36 | 64.3% | 58.2% |
| 身近に精神疾患または症状がある方がいる(過去にいた)から | 35 | 62.5% | 58.9% |
| 子育てに活かせると思ったから | 27 | 48.2% | 33.6% |
| 自身に精神疾患または症状がある(過去にあった)から | 17 | 30.4% | 30.8% |
| 就転職時に活かしたいと思ったから | 13 | 23.2% | 26.0% |
| 独立、起業時に活かしたいと思ったから | 7 | 12.5% | 8.9% |
| なんとなく興味があるから | 6 | 10.7% | 16.4% |
| 資格取得が趣味だから | 3 | 5.4% | 6.8% |
1位と2位の差が1名しかありません。仕事のためでもあり、身近な人のためでもある。どちらか一方に寄っていないのが、40代の特徴です。
そこに「子育てに活かせる」48.2%が加わります。146名全体の33.6%を14.6ポイント上回る水準で、8つの動機のなかで全体との差が最も大きい項目でした。40代の約半数が、子育てを理由に挙げています。
平均選択個数は2.57個で、146名全体の2.40個を上回りました。動機を1つだけ選んだ方は10名(17.9%)で、全体の23.3%を下回っています。理由を1つに絞れる人が少ないということです。
逆に低かったのが「なんとなく興味があるから」10.7%で、全体の16.4%を下回りました。目的がはっきりしている世代だと言えます。時間も費用も限られているぶん、なんとなくでは申し込まないということかもしれません。
年代を並べると、この重なり方が40代に固有のものだと分かります。20〜30代では「自身に精神疾患または症状がある」の比重が大きく(20代58.3%・30代50.0%に対し、40代は30.4%)、50代以降は「子育てに活かせる」が下がっていきます(50代29.3%・60代0名)。「現在の仕事」「身近に精神疾患のある人がいる」「子育て」の3つが同時に高く出るのは、40代だけです。裏を返せば、この世代は3方向から同時に必要とされているということでもあります。
そう考えると、「なんとなく」が少ないことにも説明がつきます。目の前に具体的な相手がいて、その相手のことで困っているから調べ始めている。興味から入る余裕のある時期ではない、と読むこともできます。
発達障害の子どもを抱え、日々悩む事が多い中、少しでも知識を増やし、子どものメンタルヘルスを安定させたいと思い受講させて頂きました。内容が知らない事ばかりで覚えるのに大変苦労しましたが、役に立つ内容ばかりだったので、受講して本当に良かったです。職場の保育園でも学んだことを生かしていきたいと考えております。
40代の方の回答です。総合評価は「満足」でした。1つの記述のなかに、子育てと仕事が両方入っています。動機で「子育て」48.2%と「現在の仕事」64.3%が同時に高く出るのは、こういう方が多いからです。家で必要になった知識が、そのまま職場でも使える。あるいはその逆。40代の学びは、この重なりの上で成り立っています。
私は子供が知的障害中度で、自閉スペクトラム症と合併で診断があり、療育手帳も取得し現在は支援学校の高等部に在学中です。
思春期と重なり、特性によるものなのか、成長期の特性なのか、どう対応するのが本人に良い結果をもたらすのか悩みながら接していましたが、こちらの協会の資格を受講し、知識を深めて行く中で、本人の性格と特性での対応を変えたり、工夫したりして接し方に自信が持てました。
自信を持って接することが出来るので、私自身の気持ちも軽くなり、笑顔でのんびりと子供の行動を受け止めることが出来ました。(後略)
40代の方の回答です。教材の「量」と「質」への評価はいずれも「普通」でした。こちらは仕事ではなく家庭の側の記述ですが、注目したいのは「私自身の気持ちも軽くなり」という一文です。学んだ結果として先に変わったのが、子どもではなく自分の状態のほうだと書かれています。動機の2位に「身近に精神疾患のある人がいる」が並ぶ、その内側にある実感です。
見比べてから決めている世代
もうひとつの特徴が、資格の選び方です。
| 年代 | 人数 | 他団体資格の申込経験あり | 当協会資格の申込経験あり |
|---|---|---|---|
| 20〜29歳 | 12 | 1名 | 3名 |
| 30〜39歳 | 28 | 7名(25.0%) | 13名(46.4%) |
| 40〜49歳 | 56 | 15名(26.8%) | 39名(69.6%) |
| 50〜59歳 | 41 | 6名(14.6%) | 27名(65.9%) |
| 10〜19歳/60〜69歳 | 2/7 | 0名/0名 | 0名/6名 |
他団体のメンタル・心理資格を申し込んだ経験がある方は40代で15名(26.8%)。回答者が20名以上いる3つの年代(30代・40代・50代)のなかで最も高い水準です。50代(14.6%)の1.8倍にあたります。
同時に、当協会の他の資格を受けた経験がある方も39名(69.6%)で、この3年代のなかで最多でした。すでに複数の資格を経験していて、そのうえで次を選んでいる。だからこそ比較の目が働きます。
申込の決め手も、それを裏づけます。「内容が魅力的だと感じたから」26名(46.4%)が1位で、146名全体の38.4%を上回りました。次いで「児童発達支援士と同じ認定団体だったから」22名(39.3%)。団体への信頼と中身の評価が、両方そろって決め手になっています。
検討している40代の方への意味は、はっきりしています。同世代は、1つ目の候補で即決していません。時間が限られている世代ほど「早く決めたい」と思いがちですが、データが示しているのは逆でした。2〜3個並べて、目次と受講条件を見比べてから決めている方が多数派です。
>メンタルヘルスの資格の選び方|受講者146人が実際に決め手にしたこと
職場でも家でも支える側にいる|56人の職種と学び方
職種は医療・福祉業26名(46.4%)が最も多く、教育業・学習支援業11名、その他9名、サービス業7名、専業主婦(主夫)6名、製造・建築業4名、卸売・小売業1名と続きます。約半数が医療・福祉業で、146名全体の36.3%を上回りました。性別は女性47名・男性6名・その他1名・回答は控えたい2名です。
申込のきっかけは「協会からの案内」28名(50.0%)、「ネット検索」19名(33.9%)。146名全体(44.5%/39.0%)と比べると、案内からの流入がやや多い構成でした。当協会の他の資格を受けた経験がある方が69.6%いることを考えれば、自然な形です。
職種の偏りにも意味があります。医療・福祉業が約半数を占めるということは、この56名の多くは職場でも支援する側にいるということです。動機で「身近に精神疾患のある人がいる」62.5%が高く出ているのと合わせると、職場でも家庭でも支える側にいる方が、この世代には多いことになります。切り替える場所がない状態が続きやすい構造です。
学び方について、受講後の記述から3件を紹介します。
テキストの内容が、単なる知識や解説ではなく、偏った見方にならないように考え方を丁寧に伝えてくださっていたように感じました。人に優しく人に配慮した内容で、安心して勉強を進められました。受講してほんとに良かったです!
40代の方の回答です。総合評価は「満足」でした。「安心して勉強を進められました」という言い方に、この世代の事情が出ています。身近に当事者がいる状態で学ぶと、教材の書き方そのものが負担になることがあります。40代の62.5%が「身近に精神疾患のある人がいる」を選んでいることを考えると、この観点は無視できません。
キーワードにはふりがなをふってほしい。
間違えてネーミングを覚え間違いたくないため。
ばくろはんのうぼうがい
例:曝露反応妨害
40代の方の回答です。用語の読み方についての要望で、正しい指摘です。当協会のテキストには、専門用語にふりがなを振っていない箇所があります。仕事と家庭を抱えたまま独学で読み進める世代にとって、読めない語が並ぶことは、それだけで手が止まる理由になります。覚え違えたくない、という書き方にも、この知識を実際に使う前提が表れています。
毎回新たな発見(学び)があり、楽しみながら勉強に取り組むことができました。
40代の方の回答です。総合評価は「満足」でした。この記述には、負担も苦労も出てきません。ここまで見てきたように、この世代は理由を一つに絞れず、時間も限られています。それでも「楽しみながら」と書ける方がいる——56名のなかには、こういう受け取り方もあります。
40代の学びの整理

| 56人のデータが示していること | 検討している方への意味 |
|---|---|
| 「仕事」64.3%と「身近な人」62.5%の差は1名 | どちらか一方を理由にしなくてよい。両方が普通 |
| 「子育て」48.2%は全体33.6%を14.6ポイント上回り、8動機で最大の差 | 約半数が子育ても理由に挙げている。仕事と家庭で同じ知識を使える |
| 平均選択個数2.57個。1つだけは10名(17.9%・全体23.3%) | 理由を1つに絞れないのが、この世代では多数派 |
| 他団体資格の申込経験26.8%(30代25.0%・50代14.6%) | 同世代は1つ目の候補で即決していない。2〜3個並べてから決めてよい |
| 受講後の記述は「私自身の気持ちも軽くなり」という形の変化 | すでに現場で動いている世代。新しく始めるより、いまの関わりに説明がつく |
メンタルヘルス支援士について
ここまで、40代の受講者56名のデータについてご紹介してきました。
こうした理解を深めることと合わせて、ご家族や職場の同僚、支援の現場で働く方々の間でも、メンタルヘルスへの理解を深めるための学びが広がっています。
当協会が認定する「メンタルヘルス支援士」は、精神疾患の基礎知識、大人の発達障害、認知行動療法、傾聴を中心としたカウンセリングの基本姿勢などを、体系的に学べる民間資格です。2026年には「日本の資格・検定AWARDS 2026」の総合アクセス数部門で第2位に選ばれました。
資格の有無が支援の基準になるものではありませんが、身近な人と日々関わる方が、専門的な知識を身につける選択肢の一つとして知っていただけたらと思います。
Q&A|40代からの学び直し
Q1:40代から資格を取るのは遅くないですか?
当協会の受講者では、40代が56名(38.4%)で6つの年代区分のうち最多です。次いで50代41名(28.1%)、30代28名(19.2%)。この分野では40代以上が全体の7割を占めています。年齢を理由に浮くことは、まずありません。
Q2:仕事のためか、家族のためか、どちらで選べばよいですか?
分けなくて構いません。40代では「現在の仕事に活かせる」64.3%と「身近に精神疾患のある人がいる」62.5%の差が1名しかなく、さらに「子育てに活かせる」48.2%が続きます。1つに絞れないのが、この世代では標準です。平均選択個数2.57個も、それを示しています。
Q3:時間がありません。早く決めたほうがよいですか?
データは逆を示しています。40代で他団体の資格を申し込んだ経験がある方は26.8%で、回答者20名以上の3つの年代(30代25.0%・50代14.6%)のなかで最も高い水準です。決め手も「内容が魅力的だと感じたから」46.4%が1位。同世代ほど見比べてから決めています。2〜3個の公式サイトで目次と受講条件を確認するだけなら、30分もかかりません。
Q4:学んだことは、どう使われていますか?
新しいことを始めるというより、いまの関わりの受け止め方が変わるという形です。本文で紹介した40代の方は「本人の性格と特性での対応を変えたり、工夫したりして接し方に自信が持てました」と書き、続けて「私自身の気持ちも軽くなり」と記しています。40代は職種の約半数が医療・福祉業で、すでに現場で動いている世代です。新しい業務が増えるのではなく、いまの関わりに説明がつくようになる、という効き方をします。
Q5:身近に当事者がいる状態で学ぶのは、つらくありませんか?
その可能性はあります。40代の62.5%が「身近に精神疾患または症状がある方がいる」を選んでおり、教材の記述が自分の状況と重なる場面が出てきます。受講者の記述にも「人に優しく人に配慮した内容で、安心して勉強を進められました」という声があり、教材の書き方が負担を左右することがうかがえます。読んで苦しくなったときは、そこで止めて構いません。受講期限に余裕のある講座を選んでおくと、体調に合わせて進められます。
医療・福祉の現場で働く方に絞ると、この重なりはさらにはっきりします。
>医療・福祉の現場で働く人がメンタルヘルスを学ぶ理由|受講者53人のデータ
まとめ|1つに絞れないのが、この世代の標準
- 40代は146名中56名(38.4%)で、6つの年代区分のうち最多
- 動機の1位「現在の仕事」64.3%と2位「身近に精神疾患のある人がいる」62.5%の差は1名
- 「子育てに活かせる」48.2%は全体33.6%を14.6ポイント上回り、8動機で最大の差
- 平均選択個数2.57個(全体2.40個)。1つだけは10名(17.9%・全体23.3%)
- 他団体資格の申込経験26.8%は、回答者20名以上の3年代で最多(30代25.0%・50代14.6%)
- 当協会資格の申込経験も39名(69.6%)で3年代のうち最多
- 決め手は「内容が魅力的だと感じたから」26名(46.4%・全体38.4%)が1位
- 職種は医療・福祉業26名(46.4%)が約半数
40代は、支える相手が同時に増える時期です。だから理由が1つに絞れない。そして時間がないはずのこの世代が、最も見比べてから決めていました。急いで1つ目に決めるより、2〜3個並べて目次を見る。同世代がやっているのは、そういう選び方です。
本記事で紹介している一次情報について
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 情報の性質 | 一般社団法人 人間力認定協会「メンタルヘルス支援士 受講前アンケート」および「受講後アンケート」より抜粋 |
| データ取得者 | 一般社団法人 人間力認定協会 |
| 調査期間 | 受講前 2025年2月〜2026年8月/受講後 2025年3月〜2026年8月 |
| 有効回答数 | 受講前146件(うち40〜49歳56件)/受講後248件(自由記述65件・エピソード29件) |
| 設問 | 「年代」「受講した動機(複数回答)」「職種(複数回答)」「申込のきっかけ」「申込の決め手は」「他団体資格の申込経験」「当協会資格の申込経験」「性別」 |
| 分析方法 | 年代で「40〜49歳」と回答した56名について、動機・選択個数・職種・きっかけ・決め手・資格の申込経験を集計し、146名全体および他の年代と比較 |
| 注意点 | 年代の区分は10歳きざみの選択式です。40代前半と後半を分けることはできません |
| 注意点 | 年代別の比較では、10代2名・60代7名は母数が小さいため、割合ではなく実数で扱っています |
| 注意点 | 受講前アンケートと受講後アンケートは別々の調査です。年代と記述を個人単位で結びつけることはできません |
【注意事項】
この記事で紹介している内容は、当協会が収集したアンケート・体験談の一部をもとにまとめています。心の状態や必要な支援は一人ひとり異なり、一律の正解はありません。また、本記事は診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状や不安がある場合は、早めに医師・専門機関・お住まいの地域の相談窓口にご相談ください。


