メンタルケア心理士の資格を、講座に通わず本だけで取れないだろうか。調べてみると「誰でも受けられる」という説明と「講座の修了が必要」という説明が両方出てきて、結局どちらなのか分からなくなった方も多いと思います。
この記事ではそれらを解決できるよう、メンタルケア心理士を目指すかどうかを決めるための材料を、公式サイトに掲載されている情報をもとに整理します。
たとえば、
- こころ検定®2級とメンタルケア心理士®の関係
- 独学が成り立つ人と、講座の修了が必要になる人の分かれ目
- 受検料・登録料・講座の費用を分けて見る方法
- テストセンターで受ける試験と、自宅で受ける試験の向き不向き
といった内容です。
>心理カウンセラー資格は独学で取れる?知らずに学んで取れなかった落とし穴
心理カウンセラーの資格をお探しの方へ
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人の話を聴くのに話し上手である必要はありません。相手の気持ちを受け止める聴き方を、スマホでマイペースに学べます。試験も自宅で受けられるので、家庭や仕事の合間にも始めやすい資格です。
試験は独学で受けられますが名乗るには登録が要ります
試験そのもの(こころ検定®2級)は誰でも受けられるので、独学で受けて合格することはできます。けれど、合格しただけでは「メンタルケア心理士」を名乗れません。名乗るには資格の登録が必要で、その登録に条件があります。
「誰でも受けられる」という説明と「講座の修了が必要」という説明が食い違って見えるのは、「試験を受ける条件」と「名乗るための条件」が別々に決められているからです。では、自分は登録の条件を満たせるのか。独学で進められる人と進められない人は何で分かれるのか。その分かれ目は、次の節で確かめます。

公式サイトに掲載されている主な内容をまとめると、次のとおりです。
| 項目 | 公式サイトの内容 |
|---|---|
| 名乗るまでの流れ | こころ検定®2級に合格 → 条件を満たしてメンタルケア心理士®として登録 |
| 検定の受検資格 | 2級はどなたでも受検できる |
| 検定の受検料 | 2級 7,700円 |
| 試験の受け方 | CBT方式。全国47都道府県・約200会場のテストセンターで受検/40問・90分 |
| 合格基準 | 正答率70%以上 |
| 学ぶ範囲(2級) | 精神解剖生理学/精神医科学/心理カウンセリング基本技法 |
| 登録料 | 6,100円(2026年2月時点) |
※メンタルケア学術学会の資格案内ページと、こころ検定®の公式サイトで2026年9月16日に確認した内容です。受検料と登録料は、税込か税抜かの表記がページにありませんでした。申し込む前に公式サイトでご確認ください。
ここで大事なのが、公式サイトにある次の注意書きです。こころ検定の1級または2級に合格しても、資格の登録をしていなければ、メンタルケア心理専門士またはメンタルケア心理士とは名乗れないと明記されています。
つまり、この資格には2つの関門があります。1つ目は試験に合格すること、2つ目は登録の条件を満たすことです。1つ目は誰でも独学で挑戦できますが、2つ目は人によって必要なものが変わります。次の章で、その分かれ目を見ていきます。
なお、関わる団体の名前がいくつも出てくるのも、この資格が分かりにくく感じられる理由の一つです。資格を認定しているのはメンタルケア学術学会で、試験のこころ検定®は一般財団法人 日本こころ財団の名前で案内されています。調べるときは、資格の登録のページと、検定の受検のページを分けて見ると混乱しにくくなります。
登録の条件で独学が成り立つ人と成り立たない人に分かれます
メンタルケア心理士®として登録するには、こころ検定®2級の合格に加えて、次のどちらかを満たす必要があります。
- メンタルケア学術学会の指定教育機関で、メンタルケア心理士®の教育課程を修了していること
- 認定心理士または産業カウンセラーの資格を持っているか、4年制大学の心理学部・学科、または心理に近い学部・学科を卒業していること
ここから、独学が成り立つかどうかは次のように分かれます。
2つ目の条件にすでに当てはまる人、たとえば大学で心理学を専攻して卒業した人や、産業カウンセラーの資格を持っている人は、講座を受けずに検定を独学で準備し、合格してから登録することができます。この場合は、独学で名乗るところまで進めます。
どちらの条件にも当てはまらない人は、検定に独学で合格しても、そのままでは登録できません。登録するためには、指定教育機関の教育課程を修了する必要があります。つまり「本だけで合格して名乗る」という進め方は、この場合は成り立ちません。
ここを知らずに独学で合格してから講座を探すと、時間も費用も二度手間になります。最初に自分が2つ目の条件に当てはまるかを確かめ、当てはまらなければ講座と検定をまとめて計画するのが遠回りしない方法です。
一方で、「名乗ること」が目的でない場合は話が変わります。こころ検定®2級に合格したこと自体は、登録をしなくても履歴書に書けます。こころ検定®の公式サイトのよくある質問では、履歴書に書く例の一つとして「文部科学省後援 こころ検定® 〇級合格」が示されています(合格した回によって書き方が異なるため、公式の案内で確認してください)。学んだ証として検定の合格で十分であれば、登録の条件を気にせず独学で挑戦できます。
自分がどちらに当てはまるかを整理するために、次の順番で確かめていくと迷いません。
- 最初に:卒業した学部・学科や持っている資格が、登録の2つ目の条件に当てはまるかを学会の案内ページで確認する
- 当てはまる場合:こころ検定®2級の申し込み期限から逆算して、独学の計画を立てる
- 当てはまらない場合:教育課程と検定をまとめて計画し、講座の修了と合格の順番と時期を決める
- 名乗らなくてよい場合:登録の条件は気にせず、検定の合格を目標にする
「心理に近い学部・学科」にどこまでが含まれるかは、ページを読むだけでは判断しにくいことがあります。自分の学部が当てはまるか迷ったときは、検定を申し込む前に学会へ問い合わせておくと、合格してから登録できないという事態を避けられます。
費用は受検料と登録料と講座の3つで見ます
メンタルケア心理士®の費用は、1つの金額ではなく、次の3つを足して考えます。
- こころ検定®2級の受検料:7,700円
- メンタルケア心理士®の登録料:6,100円(2026年2月時点)
- 指定教育機関の教育課程の受講料:登録の2つ目の条件に当てはまらない人だけ
大学で心理学を学んだなど、2つ目の条件に当てはまる人は、受検料と登録料の合計13,800円が公式に掲載されている費用です(税込か税抜かの表記はありません)。教材は自分で選んで用意します。
2つ目の条件に当てはまらない人は、ここに教育課程の受講料が加わります。学会の資格案内ページには、講座の名前や受講料は掲載されていませんでした。受講料は講座を運営する教育機関のページで確認し、その金額に受検料が含まれているかも合わせて確かめてください。
もう一つ、公式サイトの確認できる範囲では、登録後の更新や年会費についての記載は見当たりませんでした。取得したあとに継続してかかる費用があるかどうかは、登録の前に学会に確認しておくと安心です。
また、ネット上にはこころ検定の合格率として「50〜60%程度」という数字が出てくることがあります。これは公式サイト内のコラムに「イメージ」として書かれている目安で、統計として公表された数字ではありません。難易度は、合格基準の正答率70%と、精神解剖生理学・精神医科学・心理カウンセリング基本技法という出題範囲から判断するのが確実です。
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名乗るまでの条件で比べると違いが見えます
メンタルケア心理士®と同じように、精神疾患やカウンセリングの基礎を学ぶ民間資格はほかにもあります。名乗るまでの条件と受け方で並べると、この資格の特徴がはっきりします。
ここでは、メンタルヘルス支援士と並べます。メンタルヘルス支援士は当協会が認定する資格です。比べる側の当事者であることを先にお伝えしたうえで、どちらが上かではなく、何が違うかを公式に公表されている事実だけで並べます。
| 項目 | メンタルケア心理士® | メンタルヘルス支援士 |
|---|---|---|
| 名乗るまでの流れ | こころ検定®2級に合格 → 条件を満たして登録 | 教材で学んで試験に合格 |
| 名乗るための条件 | 指定教育機関の教育課程修了、または認定心理士・産業カウンセラー資格・心理系学部の卒業など | 試験の合格(受験資格は特になし) |
| 公式に掲載されている費用 | 受検料7,700円+登録料6,100円(講座を受ける場合は受講料が加わる) | 受講料35,200円+試験料5,060円=40,260円(教材を含む。登録料・更新料なし) |
| 受け方 | テストセンターでCBT受検。決められた受検期間(第33回は2026年11月1日〜30日)の中で受検 | 自宅からオンラインで受験。受講期限8カ月のうち24時間いつでも |
| 合格基準 | 正答率70%以上(40問・90分) | 50問中35問以上の正解 |
| 学ぶ範囲 | 精神解剖生理学・精神医科学・心理カウンセリング基本技法 | 精神疾患の基礎知識・発達障害・認知行動療法・カウンセリング・心理テクニック |
※メンタルケア心理士®はメンタルケア学術学会とこころ検定®の公式サイト、メンタルヘルス支援士は当協会の公式サイトで、いずれも2026年9月16日に確認した内容です。
いちばん大きな違いは、名乗るまでの条件です。メンタルケア心理士®は、試験の合格と登録の条件が別になっていて、心理学を学んだ経歴や他の資格があるかどうかで道筋が変わります。メンタルヘルス支援士は、受験資格が特になく、試験の合格で名乗れる形です。
すでに心理学を学んだ経歴がある人にとっては、メンタルケア心理士®の仕組みは合理的です。登録料を含めた公式の費用が比較的小さく、学んできたことを検定の合格という形で示せます。反対に、心理学を学ぶのが初めての人にとっては、講座と検定と登録の3つを順に進めることになり、計画が少し複雑になります。
学ぶ範囲はどちらも精神疾患の知識を含み、ここはつまずきやすいところです。受講を終えた方のアンケートにも、この部分の量について書いた声がありました。
1章(精神疾患)のボリュームが多く、内容も細かいと感じました。他の章の学習時よりも集中し続けるのが難しく感じました。
30代の方の回答です。精神疾患の分野は、病名や症状、治療の考え方など覚えることが多く、どの資格で学んでも時間がかかりやすいところです。独学で進める場合は、精神医学の分野に最初から多めの時間を割り当てておくと、計画が崩れにくくなります。
会場で受ける試験と自宅で受ける試験には向き不向きがあります
こころ検定®は、全国約200か所のテストセンターでパソコンを使って受ける方式です。2級の場合、第33回は申し込みが2026年9月1日から10月29日まで、受検期間が11月1日から30日まで、第34回は申し込みが12月1日から2027年1月29日まで、受検期間が2月1日から28日までと案内されています。
この形式のよいところは、申し込みの締め切りと受検期間が決まっているため、それがそのまま勉強の締め切りになることです。約1か月の受検期間があるので、一日だけの試験日に予定を合わせる必要もありません。住んでいる地域に会場があるかは、申し込む前に確かめておきましょう。
一方、自宅からオンラインで受ける試験は、会場まで出かける時間がかからず、準備ができたと思ったときに受けられます。仕事や子育てで先の予定が読めない人には合う形式です。その代わり締め切りがないので、受ける日を自分で決めない限り後回しになりやすいという弱点があります。
難しさの感じ方も、形式によって変わります。会場の試験は時間の区切りがはっきりしていて、本番の緊張感の中で力を出す必要があります。自宅の試験は落ち着いた環境で受けられる反面、準備が十分かどうかを自分で判断しなければなりません。受講を終えた方の中には、こんな感想を書いた方もいました。
なかなか難しかったです。勉強しごたえがありました。でも楽しくできました。
50代の方の回答です。形式がどちらであっても、手応えのある内容に向き合う時間は必要です。会場で受けるなら申し込みの締め切りから逆算し、自宅で受けるなら自分で受験日を決めてから始める。この順番を守ることが、どちらの形式でも途中で止まらないためのいちばんの工夫です。
目的から見るとどちらが近いか

ここまでの内容を、目的と経歴ごとにまとめます。どちらが上ということはなく、自分の条件によって近い選択肢が変わります。
| あなたの状況と目的 | 近い選択肢 | 理由 |
|---|---|---|
| 大学で心理学を学んだ・産業カウンセラーを持っている | メンタルケア心理士® | 講座なしで検定に合格すれば登録の条件を満たせる |
| 名乗るより検定の合格を学びの証にしたい | こころ検定®2級 | 誰でも受検でき、合格を履歴書に書ける |
| 精神医学や生理学の基礎を試験で確かめたい | メンタルケア心理士® | 精神解剖生理学・精神医科学が出題範囲に入る |
| 試験日の締め切りがあるほうが進められる | メンタルケア心理士® | 申し込み期限と受検期間が決まっている |
| 心理学を学ぶのは初めてで窓口を1つにしたい | メンタルヘルス支援士 | 受験資格がなく、教材から試験まで同じ協会 |
| 発達障害や認知行動療法まで学びたい | メンタルヘルス支援士 | 発達障害・認知行動療法を扱う |
すでに心理学を学んだ経歴がある人にとって、メンタルケア心理士®は費用を抑えて学びを形にできる選択肢です。心理学が初めての人は、講座・検定・登録の3つを順に進める計画が立てられるかどうかで比べてみてください。どちらを選んでも、自分の条件に合った道を選べば、学んだ知識を身近な人との関わりに生かしていけます。
メンタルヘルス支援士について
ここまで、メンタルケア心理士®の取り方と費用、名乗るまでの条件の違いをご紹介してきました。
資格選びと合わせて、ご家族や職場の同僚、支援の現場で働く方々の間でも、メンタルヘルスへの理解を深めるための学びが広がっています。
当協会が認定する「メンタルヘルス支援士」は、精神疾患の基礎知識、大人の発達障害、認知行動療法、傾聴を中心としたカウンセリングの基本姿勢などを、体系的に学べる民間資格です。2026年には「日本の資格・検定AWARDS 2026」の総合アクセス数部門で第2位に選ばれました。
資格の有無が支援の基準になるものではありませんが、身近な人と日々関わる方が、専門的な知識を身につける選択肢の一つとして知っていただけたらと思います。
Q&A|メンタルケア心理士に関するよくある質問
Q1:メンタルケア心理士は独学で取れますか?
こころ検定®2級は誰でも受検できるので、独学で合格することはできます。ただし名乗るには登録が必要で、指定教育機関の教育課程の修了か、認定心理士・産業カウンセラーの資格や心理系学部の卒業などの条件を満たす必要があります。条件に当てはまらない人は、独学の合格だけでは名乗れません。
Q2:こころ検定に合格すればメンタルケア心理士ですか?
合格だけではメンタルケア心理士®とは名乗れません。公式サイトに、資格の登録をしていなければ名乗れないと明記されています。検定の合格そのものは、登録をしなくても履歴書に書けます。
Q3:費用はいくらかかりますか?
公式に掲載されているのは、こころ検定®2級の受検料7,700円と、登録料6,100円(2026年2月時点)です。登録の条件を満たすために教育課程を受ける場合は、講座の受講料が加わります。税込か税抜かの表記がないため、申し込む前に公式サイトで確認してください。
Q4:試験はどこで受けますか?
全国47都道府県・約200会場のテストセンターで、パソコンを使って受検します。2級は40問・90分で、正答率70%以上で合格です。受検期間は回ごとに決まっていて、第33回は2026年11月1日から30日までです。
Q5:上の資格はありますか?
上級資格としてメンタルケア心理専門士®があります。登録には、こころ検定®1級(学科と実技・口述)の合格に加え、専門士講座の修了証、臨床心理士の資格、大学院での心理に近い分野の修士号のいずれかが必要とされています。
まとめ|試験の条件と名乗る条件を分けて見る
- こころ検定®2級は誰でも受検でき、独学で合格することができます
- メンタルケア心理士®を名乗るには登録が必要で、教育課程の修了か、心理学の経歴・他の資格などが条件です
- 費用は受検料7,700円+登録料6,100円に、必要な人だけ講座の受講料が加わります
- 合格率の「50〜60%」は公式の統計ではないので、難易度は正答率70%と出題範囲で判断します
- 自分の経歴と目的に合わせて道筋を選べば、遠回りせずに学びを形にできます
本記事で紹介している一次情報について
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 情報の性質 | 一般社団法人 人間力認定協会「メンタルヘルス支援士 受講後アンケート」より抜粋 |
| データ取得者 | 一般社団法人 人間力認定協会 |
| 調査期間 | 2025年3月〜2026年8月 |
| 有効回答数 | 248件 |
| 設問 | 「自由にメッセージをお願いします」 |
| 分析方法 | 自由記述の回答を原文のまま引用しています |
| 注意点 | 受講を終えた方の任意回答です。受講を途中でやめた方の声は含まれていません |
| 他の資格の情報 | メンタルケア心理士®とこころ検定®の内容は、メンタルケア学術学会の資格案内ページとこころ検定®の公式サイトで2026年9月16日に確認した内容です |
【注意事項】
この記事は、各資格・検定の公式サイトに掲載されている情報と、当協会が収集したアンケートをもとにまとめたものです。受検料・登録料・日程・登録の条件は変更されることがあるため、申し込む前に必ず各公式サイトで最新の情報をご確認ください。どの資格が合うかは、目的や経歴によって一人ひとり異なります。


