申し込む前にいちばん知りたいのは、「結局、何が学べるのか」だと思います。そして同じくらい大事なのが、「何は学べないのか」です。範囲を勘違いしたまま始めてしまうと、内容が良くても物足りなさが残ります。
この記事では、メンタルヘルス支援士のテキストで扱う5つの章を紹介したうえで、受講を終えた248名が「もっとこうしてほしい」と答えた内容をそのまま公開します。学べなかったことは、受講者本人がいちばん正確に知っています。
たとえば、
- テキストは5章構成。精神疾患の基礎から、傾聴・心理テクニックまで
- 5つの章はいずれも満足以上が8割を超え、最も高いのは3章の83.9%
- 改善要望の1位は「動画講義をさらに充実して欲しい」92件
- 2位以下は「カウンセリングの深い知識」80件、「認知行動療法の深い知識」73件と、より深く学びたいという方向の声
といった内容です。弱点も含めて、範囲をはっきりさせておきます。
>メンタルヘルス支援士の評判は?受講者248人の満足度データと実際の声
本記事で紹介している一次情報について
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 情報の性質 | 一般社団法人 人間力認定協会「メンタルヘルス支援士 受講後アンケート」より抜粋 |
| データ取得者 | 一般社団法人 人間力認定協会 |
| 調査期間 | 2025年3月〜2026年8月 |
| 有効回答数 | 248件 |
| 設問 | 「章ごとの満足度」「改善して欲しい点(複数選択)」「教材の量」「教材の質」「自由にメッセージをお願いします」 |
| 分析方法 | 選択式の回答をそのまま集計。改善して欲しい点は複数選択のため、合計は回答者数を超える |
| 注意点 | 受講を終えた方の回答です。章の内容は、章タイトルと受講者の回答に出てきた用語をもとに整理しています |
学べること|テキストは5章構成

まず全体像です。前半で精神疾患などの基礎を学び、後半で支援や実践のスキルに進む構成になっています。
| 章 | 主に扱う内容 |
|---|---|
| 1章 精神疾患に関する基礎知識 | うつ病、不安症、強迫症、統合失調症などの症状と特徴 |
| 2章 発達障害と精神疾患・依存症の関係性 | 大人の発達障害、二次障害、依存症とのつながり |
| 3章 認知行動療法の種類と基礎知識 | 認知再構成法、曝露反応妨害法などの考え方 |
| 4章 カウンセリングの基本姿勢 | 傾聴・受容・共感、支援する側の立ち位置 |
| 5章 カウンセリングに役立つ心理学 | リフレーミング、アサーション、リラクゼーションなど |
教材はテキスト・ワークブック・試験対策動画の3点です。テキストで知識を入れ、ワークブックで手を動かし、動画で試験に出やすい点を確認する、という役割分担になっています。ワークブックがあることは、範囲を考えるうえで小さくない違いです。「理解はできたけれど使えない」という状態になりにくくなります。
この5章それぞれについて、受講後に満足度をうかがっています。いずれの章も「満足以上」が8割を超えました。最も高いのは3章(認知行動療法)の83.9%、最も低いのは1章(精神疾患の基礎知識)の81.5%で、章による差はほとんどありません。
ここは地味ですが重要な点です。通信講座では「前半は丁寧だが後半が駆け足」という作りも珍しくありません。最後の5章まで評価が落ちていないことは、範囲を広げたぶん薄くなっている、という作りではないことを示しています。
実践的な内容を勉強でき、日常にすぐにでも実践していきたいと思います。(50代)
自分が相談するなら、と思いながら勉強しました。傾聴する方法が大切だと思いました。(40代)
2つ目の回答にある「自分が相談するなら」という視点は、4章で扱う内容そのものです。技法の名前を覚えることより、相手の側に立って考える練習に価値を感じたという声が、自由記述には多く見られました。
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学べないこと|改善要望に出た「もっと深く」
ここからが本題です。受講を終えた方に「改善して欲しい点」を複数選択でうかがった結果を、そのまま載せます。
| 改善して欲しい点(複数選択) | 件数 |
|---|---|
| 動画講義をさらに充実して欲しい | 92件 |
| カウンセリングに関する深い知識が欲しい | 80件 |
| 認知行動療法に関する深い知識が欲しい | 73件 |
| 特になし(大満足でした) | 67件 |
| 精神疾患に関する深い知識が欲しい | 53件 |
| 講義形式の授業もやって欲しい | 41件 |
| ワークを増やして欲しい | 28件 |
| 受講者同士のつながりが欲しい | 14件 |
| 他の支払い方法に対応して欲しい | 12件 |
この表の読み方は2つあります。ひとつは「学べる深さの上限がここにある」ということ。カウンセリング80件、認知行動療法73件、精神疾患53件と、特定の分野を深く知りたいという声が上位に並びます。この講座は5つの分野を体系的に押さえる作りで、ひとつの技法を掘り下げるものではありません。
もうひとつは、要望の方向がすべて「もっと学びたい」に向いているということです。「内容が間違っている」「役に立たなかった」という項目は選ばれていません。そして「特になし(大満足でした)」が67件と4番目に多いことも、あわせてお伝えしておきます。
改善点に選択肢がなかったので、こちらに記載します。発達障害と、心理テクニックに関する知識がもっと欲しかったです。(もう知ってる知識しか、ほぼ無かった。)(30代)
この回答は、向き不向きがはっきり出た例です。すでにその分野を学んでいる方には、新しく得るものが少なくなります。逆に言えば、これから体系的に学ぶ方にとっては、範囲の広さがそのまま価値になります。
もう少し動画の内容を増やして欲しかったです。心理テクニックが、少し内容が薄かったような気がしました。(40代)
動画に関する要望は92件と最多でした。テキストが主教材で、動画は試験対策が中心という構成のためです。この点はご指摘として受け止め、教材を見直す際の材料にしています。動画中心で学びたい方は、テキストを読む前提の講座だと理解したうえでご検討ください。
もう一つ、見落とせない要望があります。「講義形式の授業もやって欲しい」41件、「受講者同士のつながりが欲しい」14件。一人で進める形式だからこそ、人と学ぶ場を求める声です。通学も提出物もない手軽さと表裏の関係にある部分で、ここは講座の性格として、あらかじめ知っておいていただきたい点です。
>メンタルヘルスの資格は意味ない?と言われる理由と受講者248人が得たもの
教材の使い勝手について寄せられた声
内容の深さとは別に、教材の使い方についての具体的な要望もありました。こちらのほうが、実際に学ぶときの手触りが伝わると思います。
第一章の情報整理が少しやりにくかったです。まとめることで理解が深まるとは思いますが、全体的に症状と人物名、特徴など整理された図があると初見でも理解しやすいかなと感じました。幅広く学習できたと感じる内容でした。(30代)
『よくある相談と対応策』について、もっと多くあると療法や特性についても理解を深められることが出来ると思います。(40代)
1章は用語も情報量も多く、ここでつまずく方が一定数いらっしゃいます。教材の量への評価が73.4%、質への評価が75.8%と、いずれも総合評価(77.0%)よりわずかに低いのは、この使い勝手の部分が影響していると考えています。いただいた指摘は、図解や事例の追加といった形で改善の材料にしています。
キーワードにはふりがなをふってほしい。間違えてネーミングを覚え間違いたくないため。(後略)(40代)
「曝露反応妨害法」のように、日常では見かけない用語が出てきます。専門用語に触れること自体が、この講座で学ぶ範囲に含まれているとも言えます。読み方でつまずかないよう、こうしたご指摘も改善の材料にしています。
受講生さんのお子さんで、具体的な特性の診断名はなくとも、抜毛クセが抜けなかったり、白か黒か、でしか物事を考えられない子が居たりします。子育ての関わりとしてはお伝えしておりますが、心理学の面から学ぶ具体的なスキル名やスキル法を知ることでより伝える側として自信を感じられました。(後略)(40代)
「スキル名やスキル法を知ることで、伝える側として自信を感じられた」。これが、この講座で学べることの輪郭をいちばん正確に表している回答だと考えています。専門的な支援を行えるようになるのではなく、すでにやっている関わりに、名前と根拠がつく。それが範囲です。
学べること・学べないことの整理

| 学べること | 学べないこと |
|---|---|
| 主な精神疾患・大人の発達障害の症状と特徴(1〜2章) | 診断や治療。医療行為にあたることは扱いません |
| 認知行動療法の考え方と、傾聴・受容・共感の基本姿勢(3〜4章) | ひとつの技法を実践できるまでの深さ。要望の上位が「もっと深い知識」でした |
| リフレーミングなど、日常で使える心理学の技法(5章) | 専門職として働くための要件。業務独占の権限はありません |
メンタルヘルス支援士について
ここまで、この資格で学べることと学べないことをご紹介してきました。
こうした理解を深めることと合わせて、ご家族や職場の同僚、支援の現場で働く方々の間でも、メンタルヘルスへの理解を深めるための学びが広がっています。
当協会が認定するメンタルヘルス支援士は、精神疾患の基礎知識、大人の発達障害、認知行動療法、傾聴を中心としたカウンセリングの基本姿勢などを、体系的に学べる民間資格です。2026年には「日本の資格・検定AWARDS 2026」の総合アクセス数部門で第2位に選ばれました。
資格の有無が支援の基準になるものではありませんが、身近な人と日々関わる方が、専門的な知識を身につける選択肢の一つとして知っていただけたらと思います。
Q&A|学習内容に関するよくある質問
Q1:具体的にどんなことが学べますか?
5つの章で、精神疾患の基礎知識、大人の発達障害と二次障害・依存症の関係、認知行動療法の考え方、傾聴を中心としたカウンセリングの基本姿勢、日常で使える心理学の技法を学びます。いずれの章も受講後の満足以上が8割を超えており、章による差はほとんどありません。
Q2:学べないことは何ですか?
診断・治療はできません。また、ひとつの技法を実践できるまで掘り下げる講座でもありません。改善して欲しい点でも「カウンセリングに関する深い知識が欲しい」80件、「認知行動療法に関する深い知識が欲しい」73件が上位に並びました。広く土台をつくることが目的の資格だとご理解ください。
Q3:ワークブックは何をするものですか?
テキストで学んだ内容を、手を動かして使ってみるための教材です。リフレーミングやリラクゼーション、カウンセリングのスキルを扱います。「理解はできたけれど使えない」という状態を防ぐためのもので、知識を入れたあとに取り組むと定着しやすくなります。
Q4:もっと深く学びたくなったらどうすればいいですか?
この講座で全体像をつかんだあと、関心の向いた分野を個別に学び進めるのが現実的です。実際に、当協会の資格から学習を始めて通信制大学へ進み、専門の現場で働いている方もいらっしゃいます。「まず広く、あとから深く」という順序であれば、この資格は入口として機能します。
Q5:試験はどの範囲から出ますか?
5つの章全体から出題されます。試験は自宅で受けるオンライン形式で、50問中35問以上の正解で合格、出題形式は二択と四択です。合格率は80%前後で、出題されやすい点を解説した試験対策動画が用意されています。特定の章だけを深く覚えるより、5章を通して全体をつかむほうが、結果的に近道になります。
まとめ|範囲を知ってから始めれば、ズレは起きない
- テキストは5章構成。精神疾患の基礎から、傾聴・心理テクニックまでを体系的に扱う
- 5章すべてで満足以上が8割超。最も高いのは3章の83.9%、最も低い1章でも81.5%
- 改善要望の上位は「動画の充実」92件と「もっと深い知識」(80件・73件・53件)
- すでにその分野を学んでいる方には物足りない。これから学ぶ方には範囲の広さが価値になる
- 「特になし(大満足でした)」も67件。要望の方向は「もっと学びたい」に揃っている
学べる範囲を先に知っておけば、「思っていたのと違う」は起きません。すでにやっている関わりに、名前と根拠がつく。248名の回答から見えてきたのは、そういう資格でした。
【注意事項】
この記事で紹介している内容は、当協会が収集したアンケート・体験談の一部をもとにまとめています。心の状態や必要な支援は一人ひとり異なり、一律の正解はありません。また、本記事は診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状や不安がある場合は、早めに医師・専門機関・お住まいの地域の相談窓口にご相談ください。


