メンタルヘルスの資格を調べていると、必ず出てくるのが「これは国家資格なのか」という疑問だと思います。せっかく時間とお金をかけるなら、公的に認められたものがいい。そう考えるのは自然なことです。
先に結論を書きます。当協会が認定する「メンタルヘルス支援士」は民間資格です。心の分野の国家資格は公認心理師と精神保健福祉士で、これらとは性質が異なります。そのうえで、実際に受講した146名が何を決め手に選んだのかを公開します。
たとえば、
- 心の分野の国家資格は主に2つ。どちらも大学・大学院などの受験資格が必要
- 民間資格は受験資格がなく、働きながら学べる。ただし業務独占の権限はない
- 受講者146名のうち、他団体のメンタル・心理資格を申し込んだ経験がない方が80.1%
- 申込の決め手の1位は「内容が魅力的だと感じたから」38.4%。資格の格付けではなく中身で選ばれている
といった内容です。国家資格を目指す方に向けた案内も、記事の最後に置いています。
>メンタルヘルス支援士の評判は?受講者248人の満足度データと実際の声
本記事で紹介している一次情報について
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 情報の性質 | 一般社団法人 人間力認定協会「メンタルヘルス支援士 受講前アンケート」より抜粋 |
| データ取得者 | 一般社団法人 人間力認定協会 |
| 調査期間 | 2025年2月〜2026年7月 |
| 有効回答数 | 146件 |
| 設問 | 「他団体が認定するメンタル・心理資格を申込したことはあるか」「申込の決め手は」「受講した動機」ほか |
| 分析方法 | 選択式の回答をそのまま集計し、検討経験と決め手をクロス集計 |
| 注意点 | 回答者は当協会の講座にお申し込みいただいた方に限られます。記事中の引用は、同じ講座の受講後アンケート(248件)の自由記述欄からの抜粋です |
心の分野の国家資格は、主に2つです
まず事実の整理から。メンタルヘルスに関わる国家資格として代表的なのは、公認心理師と精神保健福祉士の2つです。どちらも法律にもとづく国家資格で、名称を名乗ることが法律で守られています(名称独占)。
よく並べて語られる臨床心理士は、公益財団法人が認定する民間資格です。ただし指定された大学院の修了が要件になっており、民間資格の中でも取得の難度は高い部類に入ります。「国家資格か民間資格か」という線引きだけでは、資格の重さは測れないということです。
| 項目 | 国家資格(公認心理師・精神保健福祉士) | 民間資格(メンタルヘルス支援士など) |
|---|---|---|
| 位置づけ | 法律にもとづく資格。名称独占 | 民間団体が独自に認定する資格 |
| 受験資格 | 大学・大学院での指定科目の履修や、指定の実務経験などが必要 | 不要(メンタルヘルス支援士は「特になし」) |
| 取得までの道のり | 数年単位。働きながらの取得は容易ではない | 数十時間程度。働きながら学べる |
| できること | 専門職として医療・福祉・教育・産業などの現場で働く | 診断や治療はできない。日常の関わりに知識を活かす |
| 向いている方 | 心理職・福祉職として働くことを目指す方 | いまの仕事や家庭での関わり方を変えたい方 |
この表で伝えたいのは優劣ではなく、目的がそもそも違うということです。国家資格は「その職業に就くための資格」、民間資格は「知識を身につけるための資格」と考えると整理しやすくなります。専門職を目指す方は、遠回りをせず国家資格の要件を確認してください(記事末尾に公的なリンクを置いています)。
>メンタルヘルスの資格は意味ない?と言われる理由と受講者248人が得たもの
>メンタルヘルスの資格一覧|結局どれ?目的別に選ぶ(146人調査)
8割は、他団体の資格を検討していない

ここからが実データです。受講前アンケートで「他団体が認定するメンタル・心理資格を申し込んだことがあるか」をうかがったところ、「いいえ」が117名(80.1%)でした。「はい」は29名(19.9%)で、内訳は1つが15名、2つが9名、3つが5名です。
つまり大半の方は、複数の資格を並べて比べたうえで選んでいるわけではありません。国家資格と民間資格を天秤にかけて悩んだ、という経路よりも、目の前の困りごとから検索して、内容を読んで納得したら申し込む、という流れのほうが実態に近いようです。
これは裏を返せば、比較する材料が世の中に少ないということでもあります。だからこそ、この記事のように「国家資格とは何が違うのか」を先に整理しておく必要があると考えています。
発達障害支援の為に本格的に勉強を始めようとしていたところに見つけた資格ということで勉強して良かったです。大まかな概要や、種類などを知ることができました。(30代)
「本格的に勉強を始めようとしていたところ」という表現が、この資格の位置づけをよく表しています。専門的な学習の代わりではなく、入口として選ばれているということです。
>メンタルヘルスの資格はどんな人が取る?受講者146人の年代・職種・動機データ
決め手の1位は「内容が魅力的だと感じたから」
では、何を決め手に選んでいるのか。146名の回答です。
| 申込の決め手 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 内容が魅力的だと感じたから | 56件 | 38.4% |
| 児童発達支援士と同じ認定団体だったから | 52件 | 35.6% |
| 短期間で取得できる資格だから | 15件 | 10.3% |
| 価格がお手頃だったから | 9件 | 6.2% |
| 協会の理念に賛同したから | 7件 | 4.8% |
| ネットやSNSで良い口コミが多数あったから | 4件 | 2.7% |
| 知り合いからの紹介だったから | 2件 | 1.4% |
| 累計受講者数を見て信頼できると思ったから | 1件 | 0.7% |
注目したいのは、「国家資格かどうか」「知名度」に当たる選択肢が上位に来ていないことです。1位は内容、2位は「以前に受けた講座と同じ団体だから」。資格の格付けではなく、中身と、過去に学んだ経験が判断材料になっています。
実際、当協会の他資格を1つ以上受講したことがある方は88名(60.3%)でした。児童発達支援士などで学んだあと、続けてメンタルヘルスを学ぶ、という流れです。他団体の資格を検討していない117名に限っても、決め手の1位は「同じ認定団体だったから」42件、2位が「内容が魅力的」41件と、ほぼ並んでいました。
もともと心理の勉強をしており、着手しやすい内容でした。自身や身の回りの方のメンタルヘルスに対してサポートできるようになれたらと思っています。(20代)
すでに心理を学んでいる方から見ても「着手しやすい」。難度の高さではなく、始めやすさが選ばれる理由になっているということです。ここは正直に書きますが、深い専門性を求める方には物足りません。その場合は国家資格や大学院での学習が適しています。
民間資格を「入口」にした人は、その先へ進んでいる
民間資格の価値は、そこで完結するかどうかではなく、次の一歩につながるかどうかで決まる面があります。受講後アンケートには、こんな回答が寄せられていました。
協会の資格はすべて取得しており、認定支援士も登録済みです。今回は認定支援士の活動について調べなおしている際に新たに資格を見つけたため受講しました。今回の試験も難なく満点で合格することができました。思い返せば3年前にこの協会の資格を受講したことから始まり、支援の知識を深めるために通信制大学に入学し、子ども心理学士も取得することができました。現在は特別支援教育に従事し、東京都で研修会の講師を依頼されるまでになりました。(後略)(20代)
民間資格から始まり、通信制大学へ進み、いまは現場で働きながら講師を務めている。すべての方がこうなるわけではありませんが、「民間資格は入口として機能しうる」ことを示す実例だと考えています。
支援士の学習だけではなく、今後の様々な人々との接し方の勉強にもなり、受講してよかったです。(50代)
様々な分野で活躍できる資格なのですごくモチベーションになりました!!(20代)
受講前アンケートでは、仕事に関わる動機(現在の仕事に活かす85名・就転職38名・独立13名)のいずれかを選んだ方が112名(76.7%)にのぼります。職業資格ではないけれど、仕事の場面で使うつもりで学んでいる方が大半という構図です。
資格の選び方の整理

| こう考えているなら | 選ぶべきもの |
|---|---|
| 心理職・福祉職として働きたい | 国家資格(公認心理師・精神保健福祉士)。大学・大学院などの要件を先に確認する |
| いまの仕事や家庭での関わり方を変えたい | 民間資格で十分。受講者146名の76.7%が仕事に関わる動機を挙げている |
| 専門的に学べるか、まず確かめたい | 民間資格を入口にする。通信制大学などへ進んだ受講者もいる |
メンタルヘルス支援士について
ここまで、国家資格と民間資格の違いと、受講者が何を決め手に選んだのかをご紹介してきました。
こうした理解を深めることと合わせて、ご家族や職場の同僚、支援の現場で働く方々の間でも、メンタルヘルスへの理解を深めるための学びが広がっています。
当協会が認定するメンタルヘルス支援士は、精神疾患の基礎知識、大人の発達障害、認知行動療法、傾聴を中心としたカウンセリングの基本姿勢などを、体系的に学べる民間資格です。2026年には「日本の資格・検定AWARDS 2026」の総合アクセス数部門で第2位に選ばれました。
資格の有無が支援の基準になるものではありませんが、身近な人と日々関わる方が、専門的な知識を身につける選択肢の一つとして知っていただけたらと思います。
Q&A|国家資格と民間資格に関するよくある質問
Q1:メンタルヘルスの資格に国家資格はありますか?
あります。代表的なのは公認心理師と精神保健福祉士で、どちらも法律にもとづく国家資格です。名称を名乗ることが法律で守られており(名称独占)、受験資格として大学・大学院での指定科目の履修や、指定の実務経験などが求められます。メンタルヘルス支援士はこれらとは異なり、民間資格です。
Q2:国家資格と民間資格、どちらを取るべきですか?
目的で決まります。心理職・福祉職として働くことが目的なら国家資格です。民間資格では、その職に就く要件を満たせません。一方、いまの仕事や家庭での関わり方を変えたいのであれば、民間資格で足ります。受講者146名のうち76.7%が仕事に関わる動機を挙げていますが、その多くは「転職のため」ではなく「いまの仕事に活かすため」でした。
Q3:民間資格はどうやって選べばいいですか?
146名の決め手で最も多かったのは「内容が魅力的だと感じたから」38.4%でした。知名度や資格の格付けではなく、学べる範囲が自分の目的と合っているかを確認するのが実際的です。カリキュラムの章立て、学習時間の目安、受講期限、試験の形式。この4つを申し込む前に見ておけば、大きなズレは起きにくくなります。
Q4:民間資格でも履歴書に書けますか?
書けます。取得した資格として資格欄に記載できます。ただし、応募条件として指定されることはほとんどなく、これがあるから採用されるという性質のものではありません。面接で学んだ内容を自分の言葉で説明できるかどうかのほうが、実際には意味を持ちます。
Q5:民間資格から国家資格を目指せますか?
民間資格が国家資格の受験資格になることはありません。ただし、学びを続ける入口にはなります。実際に、当協会の資格から学習を始め、通信制大学へ進んで学位を取得し、いまは特別支援教育の現場で働いている方もいらっしゃいます。まず民間資格で全体像をつかみ、続けたいと思えたら次の課程へ進むという順序は、現実的な選択肢の一つです。
まとめ|「国家資格かどうか」より「目的に合うかどうか」
- 心の分野の国家資格は主に公認心理師と精神保健福祉士。受験資格に大学・大学院などの要件がある
- メンタルヘルス支援士は民間資格。受験資格はなく、働きながら学べるが、業務独占の権限はない
- 受講者146名の80.1%は、他団体の資格を検討していない
- 決め手の1位は「内容が魅力的」38.4%。資格の格付けではなく中身で選ばれている
- 民間資格を入口に、通信制大学へ進んで専門の現場に立った受講者もいる
国家資格か民間資格かは、優劣ではなく役割の違いです。専門職を目指すなら国家資格、いまの関わりを変えたいなら民間資格。その線引きさえ間違えなければ、どちらを選んでも遠回りにはなりません。
【注意事項】
この記事で紹介している内容は、当協会が収集したアンケート・体験談の一部をもとにまとめています。心の状態や必要な支援は一人ひとり異なり、一律の正解はありません。また、本記事は診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状や不安がある場合は、早めに医師・専門機関・お住まいの地域の相談窓口にご相談ください。


