仕事のストレスで眠れない日が続いている。上司との関係がつらい。長時間の残業が当たり前になっている。誰かに相談したいと思っても、会社の中で話してよいのか、外の窓口に電話してよいのか、そもそもどこに何を相談できるのかが分からずに調べている方が多いと思います。
先に答えをお伝えします。職場のストレスの相談先は、あなたの立場と相談したい内容で選びます。気持ちのつらさそのものなら厚生労働省の「こころの耳」、長時間労働や残業代なら「労働条件相談ほっとライン」、パワハラやいじめなら都道府県労働局の「総合労働相談コーナー」が入口になります。どれも無料で使えます。
窓口は一つに決めなくてもかまいません。職場の外で気持ちを整理してから、職場の窓口に話を持っていく順番もあります。
たとえば、
- 質問に答えて、立場と内容に合う窓口を確かめる
- 職場の中と外にある相談先の違い
- 気持ち・働く条件・職場のトラブル、それぞれの窓口の受付時間と使い方
- 家族や上司の立場で相談するとき、相談の前に準備しておくとよいこと
といった内容です。
この記事では、厚生労働省と各窓口の公式サイトの情報をもとに、職場のストレスの相談先を整理していきます。
>職場のストレスを相談できないとき|心理職に相談できる人は1.1%です
まず質問に答えて使える窓口を確かめてください
あなたの立場、いちばん相談したいこと、相談の方法、職場の窓口の有無の4つを質問します。答えると、それぞれの質問のすぐ下に合う窓口が表示され、最後に次に読むとよい記事がまとめて表示されます。
窓口の受付時間や電話番号は変わることがあります。利用する前に、各窓口の公式サイトで確認してください。命や安全に関わるときは、ためらわず119番や110番に連絡してください。以下では、案内で出てくる窓口を一つずつ説明します。
相談先は職場の中と外に分かれています

職場のストレスの相談先は、大きく職場の中の窓口と職場の外の窓口に分かれます。どちらが正しいということはなく、それぞれに得意なことがあります。
職場の中の窓口は、上司や人事、社内の相談窓口、産業医や保健師などです。仕事の量や配置を変える話に直接つなげやすいのが強みです。常時50人以上の労働者がいる事業場では産業医を選ぶことが法律で決められているため、自分の職場に産業医がいるかを人事や総務に確かめてみるのも一つの方法です。
ハラスメントについては、事業主が相談に応じる体制を整えることが法律で決められています。2026年10月1日からは、お客さまからの著しい迷惑行為、いわゆるカスハラについても、相談窓口の設置などの措置が事業主の義務になりました。あわせて、相談したことを理由に不利益に扱わないことを周知するのも、事業主が講じる措置に含まれています。
一方で、職場の中では話しにくい、窓口がどこにあるか分からない、あっても使いにくいと感じることもあります。そんなときに使えるのが職場の外の窓口です。職場の外の窓口は、名前を明かさずに使えるものも多く、会社に知られずに気持ちを整理できるのが強みです。
職場の外で話を聞いてもらい、何が起きているか、何を変えてほしいかを整理してから職場の窓口に行く。そうした順番で使うこともできます。
>カスハラ(カスタマーハラスメント)の定義はどこから?|苦情のすべてではありません
気持ちのつらさはこころの耳で相談できます
気持ちの落ち込みやストレスそのものを話したいときは、厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」の相談窓口が入口になります。電話・LINE・メールの3つの方法があります。
- SNS相談(LINE):平日17時〜22時(受付は21時30分まで)、土日10時〜16時(受付は15時30分まで)
- メール相談:24時間受け付け。1週間以内に回答
- 電話相談(0120-565-455・無料):受付時間は公式サイトで確認してください
SNS相談の対象は、働く方やその家族、企業の人事労務担当者です。本人だけでなく、家族や部下を心配する立場の人も使えます。
声に出して話すのが難しいときは、LINEやメールのように文字で送れる方法が使いやすいかもしれません。メール相談は24時間送れるため、夜中に気持ちがつらくなったときに、そのまま書いて送っておくこともできます。ただし、回答までには時間がかかるため、急ぎのときは電話やLINEを使ってください。
相談の中で、医療機関の受診や、職場の窓口・労働問題の窓口につなぐことを勧められることもあります。気持ちの話から始めて、必要な窓口を一緒に考えてもらう入口として使うことができます。
長時間労働や残業代のことは労働条件相談ほっとラインへ
ストレスの原因が、長時間労働や残業代が払われないことなど働く条件そのものにある場合は、厚生労働省の「労働条件相談ほっとライン」が入口になります。
- 電話番号:0120-811-610(無料)
- 受付時間:月〜金17時〜22時、土日祝9時〜21時(12月29日〜1月3日を除く)
- 相談できること:長時間労働・過重労働、賃金不払残業など
- 名前:匿名で相談できる
平日の夜と土日祝日に受け付けているため、仕事が終わってから、あるいは休みの日に電話できます。「この働き方は普通なのか」「残業代が出ないのはおかしいのか」といった、自分では判断がつかない疑問から相談できます。
電話をかける前に、1か月の残業時間のおおよその数、休日に出勤した日、給与明細で残業代がどう書かれているかなどを手元にメモしておくと、話が具体的になります。
パワハラやカスハラは総合労働相談コーナーへ
上司からのパワハラ、同僚からのいじめ・嫌がらせ、お客さまからのカスハラなど、職場で起きているトラブルを相談したいときは、都道府県労働局の「総合労働相談コーナー」が入口になります。
- 場所:都道府県労働局や労働基準監督署の中など、全国378か所
- 相談できること:解雇、雇止め、配置転換、賃金の引下げ、いじめ・嫌がらせ、パワハラなど、労働問題のあらゆる分野
- 相談できる人:働く人も事業主も
- 方法:無料・予約不要。面談か電話
予約なしで行けて、面談でも電話でも相談できるのが特徴です。会って話したいとき、書類を見せながら説明したいときに向いています。
相談するだけで終わらず、会社との話し合いがうまくいかない場合の手段も案内されています。厚生労働省の案内では、「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」にもとづく、都道府県労働局長による助言・指導や、紛争調整委員会によるあっせんの制度が紹介されています。どの手段が合うかは、相談の中で一緒に考えてもらえます。すぐに使うかどうかは別にして、話し合いの場を外に持てることを知っておくだけでも、一人で抱え込まずに済みます。
相談するときは、いつ、誰から、どんなことを言われたり、されたりしたかを、評価ではなく事実として書き出しておくと伝わりやすくなります。「ひどいことを言われた」ではなく、「会議中に全員の前で『こんなこともできないのか』と言われた」のように書くのがコツです。メールやチャットの記録が残っている場合は、それも手元に用意しておきましょう。
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家族や上司の立場でも相談できます
相談できるのは、ストレスを抱えている本人だけではありません。家族の様子が心配なとき、部下の変化に気づいたときにも、相談先があります。
先に紹介した「こころの耳」のSNS相談は、働く方の家族や、企業の人事労務担当者も対象にしています。本人が相談をためらっているときに、家族が先に話を聞いてもらい、どう声をかければよいかを一緒に考えてもらうこともできます。
家族の立場で、心の不調そのものについて相談したいときは、厚生労働省の「まもろうよ こころ」にあるこころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)も使えます。相談対応の曜日や時間は都道府県によって異なります。無料ではなく通話料がかかり、携帯電話の定額プランの無料通話も適用されないと案内されているので、かける前に公式サイトで確認してください。
上司の立場では、部下の変化に気づいたときに一人で抱え込まず、人事や産業医、社内の相談窓口につなぐことが大切です。部下の状態を判断したり、原因を問いただしたりするより、いつもと違う様子を具体的に伝え、専門の窓口につなぐことが上司の役割になります。
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相談の前に準備しておくとよいこと

どの窓口に相談するときも、次の3つを簡単にメモしておくと、限られた時間で話が伝わりやすくなります。
- いつから:ストレスを感じ始めた時期、状態が変わったきっかけ
- 何が起きているか:仕事の量、言われたこと、されたこと。評価ではなく事実で
- 今どんな状態か:眠れない、食欲がない、出勤前に体調が悪くなるなど
うまく話せなくても大丈夫です。相談窓口の担当者は、話を整理しながら聞くことに慣れています。「何から話せばいいか分からない」と最初に伝えてもかまいません。
また、眠れない・食欲がない・朝起き上がれないといった状態が続いているときは、相談窓口と並行して医療機関に相談することも考えてください。職場のストレスが原因であっても、今出ている症状は診療の対象です。
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誰かに話すことについての声を紹介します
最後に、当協会のアンケートに寄せられた声を紹介します。職場のストレスについて尋ねた調査ではありません。家族との関係に悩んできた方に「同じ立場の方にアドバイスするとしたら」と尋ねた回答で、誰かに話すことについて書かれていたものです。
話せる状況であれば話せる人に話すことがいいかなと思います。「相談」という感覚だとアドバイスや解決を求めるかもしれないですが「自分の状況を知ってもらう」って感覚で話したら少しは楽になるかなと思います。
別の方も、話を聞いてもらうことについて次のように書いていました。
辛くて先の見えない毎日でも自分を大事にして欲しい。そして、自分の気持ちをわかってもらえる相手に話を聞いてもらい、少しでも心を落ち着かせて前向きな気持ちになれればいいと思います。
相談窓口に電話をするときも、うまく説明しよう、解決してもらおうと構えすぎず、今の状況を知ってもらうところから始めてかまいません。
メンタルヘルス支援士について
ここまで、職場のストレスの相談先として、職場の中と外の窓口の違い、こころの耳・労働条件相談ほっとライン・総合労働相談コーナーの使い方、家族や上司の立場での相談をご紹介してきました。
こうした理解を深めることと合わせて、ご家族や職場の同僚、支援の現場で働く方々の間でも、メンタルヘルスへの理解を深めるための学びが広がっています。
当協会が認定する「メンタルヘルス支援士」は、精神疾患の基礎知識、大人の発達障害、認知行動療法、傾聴を中心としたカウンセリングの基本姿勢などを、体系的に学べる民間資格です。2026年には「日本の資格・検定AWARDS 2026」の総合アクセス数部門で第2位に選ばれました。
資格の有無が支援の基準になるものではありませんが、身近な人と日々関わる方が、専門的な知識を身につける選択肢の一つとして知っていただけたらと思います。
Q&A|職場のストレスの相談先に関するよくある質問
Q1:職場のストレスはどこに相談すればいいですか?
相談したい内容で選びます。気持ちのつらさそのものなら厚生労働省の「こころの耳」、長時間労働や残業代なら「労働条件相談ほっとライン」、パワハラやいじめなら都道府県労働局の「総合労働相談コーナー」が入口になります。職場の中の上司や人事、社内の相談窓口、産業医に相談する方法もあります。
Q2:会社に知られずに相談できる窓口はありますか?
職場の外の窓口は、会社を通さずに直接使えます。労働条件相談ほっとラインは匿名で相談でき、「こころの耳」ではLINEやメールで相談できます。職場の外で気持ちや状況を整理してから、必要に応じて職場の窓口につなぐ順番でもかまいません。
Q3:夜や休日に相談できる窓口はありますか?
「こころの耳」のSNS相談は平日17時〜22時と土日10時〜16時、メール相談は24時間受け付けています。労働条件相談ほっとラインは月〜金17時〜22時、土日祝9時〜21時です。受付時間は変わることがあるため、利用する前に公式サイトで確認してください。
Q4:家族の職場のストレスについて相談できますか?
できます。「こころの耳」のSNS相談は、働く方の家族や企業の人事労務担当者も対象にしています。心の不調そのものについては、こころの健康相談統一ダイヤルもあります(相談対応の曜日・時間は都道府県によって異なり、通話料がかかります)。本人が相談をためらっているときの入口として使えます。
Q5:職場に相談したら不利益に扱われませんか?
ハラスメントについて相談したことを理由に不利益に扱わないことを周知するのは、事業主が講じる措置に含まれています。それでも職場の中で相談しにくいと感じるときは、総合労働相談コーナーなど職場の外の窓口から始めることができます。
まとめ|職場のストレスは立場と内容で相談先を選ぶ
- 相談先は職場の中と外に分かれ、どちらから始めてもかまいません
- 気持ちのつらさはこころの耳(電話・LINE・メール)に相談できます
- 長時間労働や残業代は労働条件相談ほっとライン(無料・匿名)が入口です
- パワハラやカスハラは総合労働相談コーナー(無料・予約不要)で相談できます
- 家族や上司の立場でも相談でき、いつから・何が・今どんな状態かをメモしておくと伝わりやすくなります
本記事で紹介している情報について
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| こころの耳 | 厚生労働省 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」SNS相談・メール相談 |
| 労働条件相談ほっとライン | 厚生労働省「労働条件相談ほっとライン」 |
| 総合労働相談コーナー | 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」 |
| こころの健康相談統一ダイヤル | 厚生労働省「まもろうよ こころ」 |
| 事業主の措置(ハラスメント・カスハラ) | 厚生労働省「令和8年10月1日からハラスメント対策が強化されます!」 |
| 情報の性質 | 一般社団法人 人間力認定協会「カサンドラ症候群に関するエピソード調査」より抜粋 |
| データ取得者 | 一般社団法人 人間力認定協会 |
| 調査期間 | 2022年11月〜2026年 |
| 有効回答数 | 36件 |
| 設問 | 「同じ立場の方にアドバイスするとしたら、何を伝えたいですか?」 |
| 分析方法 | 自由記述の回答から、誰かに話すことについて書かれた部分を原文のまま引用しています |
| 注意点 | 回答者は、当協会が認定する「児童発達支援士」の受講者に限られます。メンタルヘルス支援士の受講者を対象にしたものではありません |
| 注意点 | 職場のストレスについて尋ねた調査ではありません。回答はいずれも家族との関係について書かれたものです |
| 案内(質問と行き先) | 上記の資料をもとに当協会が本記事のために作成しました。回答は匿名で記録し、今後の記事の参考にします |
| 確認日 | 2026年9月16日 |
【注意事項】
この記事は、厚生労働省と各相談窓口の公式サイトの情報をもとにまとめたものです。受付時間・電話番号・対象は変わることがあるため、利用する前に各公式サイトで確認してください。心の状態を判定したり、法律上の助言をしたりするものではありません。心身の不調が続いている場合は医療機関にもご相談ください。命や安全に関わる状況では、ためらわず119番や110番、専門の窓口にご連絡ください。


