「人の話をもっときちんと聴けるようになりたい」「傾聴ボランティアに関心がある」など、傾聴に関する資格を調べはじめると、1日で受けられる講座と、大学の研究所が2年かけて人を育てる課程などが同じ一覧に並んでいて、何を比べればよいのか迷ってしまうと思います。
公式サイトで確かめた金額で取得までの総額を出すと、傾聴の資格には2万円台から60万円台までの開きがあります。金額の差を生んでいるのは資格の名前ではなく取り方で、家で教材を読んで在宅で試験を受けるもの、1日の講座、オンラインで回数を重ねる講座、実習を積む養成講座、大学の研究所の課程の5つに分かれます。
総額と取り方の2つを先に押さえておくと、名前の似た資格がいくつ並んでいても、自分の予算と使える時間に合うものから順に絞り込めます。この記事の並び順は金額の順で、おすすめの順ではありません。
たとえば、
- 傾聴の資格を総額の安い順に並べると、どこで金額が変わるのか
- 通信・1日講座・養成講座などで、学ぶ時間はどれくらい違うのか
- 傾聴の国家資格はあるのか
- 傾聴ボランティアや仕事に、資格は要るのか
といった内容です。
この記事では、傾聴の資格として名前が挙がる10の資格について、取得までの総額・取り方・目的別の選び方を、各団体の公式サイトに書かれている情報で整理していきます。
>カウンセラー資格はどれがいい?仕事の目的で選ぶ6つと後悔しない確認点
本記事で紹介している一次情報について
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 情報の性質 | 一般社団法人 人間力認定協会 メンタルヘルス支援士 受講後アンケートより抜粋 |
| データ取得者 | 一般社団法人 人間力認定協会 |
| 調査期間 | 2025年3月〜2026年8月 |
| 有効回答数 | 248件 |
| 設問 | 「各章の満足度」のうち第4章「カウンセリングの基本姿勢」/「自由にメッセージをお願いします」 |
| 分析方法 | 第4章の満足度を選択肢ごとに数え、248件に対する割合を出しました。自由記述は原文のまま引用しています |
| 一般情報の出典 | 各資格の認定団体・講座提供会社の公式サイト(2026年10月6日確認)、厚生労働省「キャリアコンサルタントになりたい方へ」(2026年10月7日確認) |
| 注意点 | 回答者は当協会の資格の受講者に限られます。他団体の資格の受講者の声ではありません。章の満足度は、資格どうしを比べる根拠には使っていません |
傾聴に関する資格は総額2万円台から60万円台まで幅があります
傾聴に関する資格には、受講料のほかに受験料や認定登録費がかかるものや、先に別の講座を修了しておく必要があるものがあり、受講料だけでは比べられません。そこで、公式サイトの金額を次の決まりで足しました。
- 名乗るまでに必ずかかる費用(受講料・受験料・認定や登録の費用、前提になる講座の受講料)を足します
- 通常価格で計算し(定価の表記が分かれていた傾聴心理士だけは特別価格。理由は表のあとに書きます)、コースが複数ある講座はいちばん安いコースにします。期限つきの価格は表のあとに書きます
- 税込・税抜はページの表記どおりで、表記がないものは「税の表記なし」とします
- 年会費や更新料は総額に入れず、別に書きます。金額の記載がない資格は表の最後に置きます
並べたのは、傾聴を名前に持つ資格のうち公式サイトで確かめられた7つと、傾聴の資格としてよく名前が挙がるのが産業カウンセラー®・精神対話士です。当協会が認定するメンタルヘルス支援士も関連があるので一覧に掲載しております。
| 資格(認定・運営する団体) | 取り方 | 総額 | 内訳 |
|---|---|---|---|
| 傾聴パートナー(ジョイカウンセリングスクール) | 通信(動画と書き込み式テキスト)・自宅でオンライン試験 | 24,090円 | シンプル版19,800円+受験料4,290円(いずれも税込) |
| 高齢者傾聴スペシャリスト(株式会社ユーキャンの通信講座) | 通信(テキストとDVD)・最終課題が在宅の認定試験 | 34,000円 | 一括払いの受講料のみ(税込・教材費と指導費を含む) |
| メンタルヘルス支援士(一般社団法人 人間力認定協会・当協会の資格) | 通信・オンライン試験(24時間・スマホ可) | 40,260円 | 受講料35,200円+試験料5,060円(いずれも税込) |
| 認定傾聴カウンセラー(NPO法人日本メンタルヘルスケアサポート協会) | 1日の講座(会場かZoom)+7日間の実践記録 | 59,800円 | 通常価格の受講料のみ(税込・認定料と認定登録料を含む) |
| 精神対話士(一般財団法人メンタルケア協会) | 会場に通う講座(基礎5日・実践3日)+面接の試験 | 231,000円 | 基礎課程157,500円+実践課程73,500円(いずれも税込)。精神対話士試験の受験料は無料 |
| 傾聴心理カウンセラー(一般社団法人 日本傾聴連合会) | オンラインのライブ講座か東京校(座学22回・実習10回) | 268,000円+発行手数料 | 受講料268,000円(東京校は税込・オンラインは税の表記なし)。認定の発行手数料は金額の記載なし |
| 産業カウンセラー®(一般社団法人 日本産業カウンセラー協会) | 養成講座(6か月か10か月)+学科と実技の試験 | 403,000円 | 受講料352,000円+受検料44,000円(いずれも税込)+登録料7,000円(税の表記なし) |
| 傾聴心理士(一般社団法人日本傾聴能力開発協会) | 前提の講座(4回)+6か月の講座(飯田橋かオンライン)+認定試験 | 約607,000円+税 | 認定 傾聴サポーター248,000円(税込)+傾聴心理士345,000円(特別価格・税の表記なし)+認定登録費10,000円+税+追加教材約4,000円 |
| 臨床傾聴士(上智大学グリーフケア研究所) | 2年制の課程(水曜はオンライン・土曜は対面)+入学の選考 | 612,000円 | 受験料30,000円+入学料20,000円+受講料552,000円+実習費10,000円(入学料のみ税の表記なし) |
| 傾聴療法士(NPO法人 日本精神療法学会) | 会場の講座(2時間×6回) | 記載なし | 公式サイトに受講料・認定料の金額の記載なし |
出典:各資格の認定団体・講座提供会社の公式サイト(いずれも2026年10月6日確認)。ジョイカウンセリングスクールは公式サイトに法人格の記載がありません。高齢者傾聴スペシャリストは、ユーキャンの講座ページに資格認定団体または委託先として特定非営利活動法人シニアライフセラピー研究所の名前があります。
上の3つは家で学ぶ資格で、総額は4万円台までです。4番目からは講座の時間や回数が増えるほど総額も上がり、産業カウンセラー®で40万円台、傾聴心理士と臨床傾聴士は60万円前後でほぼ同じ水準です。
総額の差は、学ぶ時間の差とほぼ重なっています。傾聴パートナーの講義は動画と補足講義で合計226分、認定傾聴カウンセラーは休憩を含めて1日5.5時間です。これに対して、傾聴心理カウンセラーは座学だけで計55時間に実習が10回、産業カウンセラー®の養成講座は179時間、臨床傾聴士は2年間の課程です。金額は、何時間ぶんの学びと練習が含まれているかと合わせて見ると比べやすくなります。
2026年10月6日時点では、期限つきの価格もあります。認定傾聴カウンセラーは10月31日(土)受付までの特別価格49,800円(通常価格59,800円・いずれも税込。振り込みならさらに5%引き)、傾聴心理士の前提になる認定 傾聴サポーターは2026年12月末までのリニューアル記念価格220,000円(通常価格248,000円・いずれも税込)、傾聴心理カウンセラーのオンライン受講は10周年記念価格246,000円(268,000円の表示に取り消し線。税の表記と期限の記載なし)です。傾聴パートナーの秋のキャンペーン(10月18日まで)は値引きではなく、割引クーポンがつく内容です。申し込む時点の価格は公式サイトで確かめてください。
傾聴心理士の345,000円は、定価から割り引いた「特別価格」として公式ページが出している金額で、申し込みから1週間以内の入金が条件です(定価はページ内で表記が分かれていたため書いていません)。
取ったあとの費用も違います。認定傾聴カウンセラー・傾聴パートナー・傾聴心理カウンセラーは更新費などがかからないと案内し、当協会のメンタルヘルス支援士も登録料・更新料はかかりません。産業カウンセラー®は毎年の会費と原則5年ごとの更新(6時間の研修と手数料3,000円)、臨床傾聴士は5年ごとの更新の審査、精神対話士は5年に一度の更新手続きがあり、認定 傾聴サポーターは有効期間1年で更新料(年会費)11,000円です。
>【コスパ重視】心理カウンセラー資格を費用で比較!安くて役立つおすすめ資格一覧
取り方は5つの型に分かれます
総額の違いのほとんどは、学び方の違いから来ています。公式サイトの学び方で分けると、10の資格は次の5つの型に入ります。
家で教材を読み在宅で試験を受ける型
傾聴パートナー・高齢者傾聴スペシャリスト・メンタルヘルス支援士がこの型です。傾聴パートナーは動画と書き込み式テキストで学び、修了試験も自宅からオンラインで受けます(4択が多く記述もあり、正答率7割以上で合格)。高齢者傾聴スペシャリストはテキスト2冊とDVDで標準3か月学び、最終課題がそのまま在宅の認定試験で、受講期間内なら何度でも挑戦できます。メンタルヘルス支援士は、オンライン試験を24時間いつでもスマホから受けられます。
仕事や家事の合間に自分のペースで進められ、通う時間がかからない型です。人を相手にした練習があるかは講座ごとに違い、傾聴パートナーの通常版には60分のオンライントレーニングがつきます。学んだ聴き方を家族や職場の会話で試しながら身につける使い方に向いています。
1日の講座で集中して学ぶ型
認定傾聴カウンセラーがこの型です。会場(人形町・横浜・愛知伏見・梅田)かZoomで、休憩を含む5.5時間を1日で受けます。各日最大6名で、受容的態度・うなずき・相づち・オウム返し・要約・共感・質問の「7つの傾聴スキル」から、NGワードや沈黙の扱い、総合演習へ進みます。取得の条件は講座の修了と確認テスト、7日間の実践記録の提出で、別の実技試験はありません。
講座料以外の費用は「一切かかりません」と公式のよくある質問にあります。深めたい人向けには、実技試験のある上位の「傾聴プロカウンセラー養成講座」(定価128,000円・税込)もあり、まず1日で体験してから次へ進む段階の踏み方ができます。
オンラインで回数を重ねて練習する型
傾聴心理カウンセラーと傾聴心理士がこの型です。傾聴心理カウンセラーは、2.5時間の座学22回(計55時間)と傾聴の実習10回を受けます。オンラインのライブ講座が基本で通学の東京校もあり、始める時期は自由です。認定の条件は座学の8割以上の履修・実習10回・担当講師による傾聴スキルの認定で、筆記試験の記載はありません。
傾聴心理士は、「認定 傾聴サポーター」(全4回・合計24時間)を持っていることが申し込みの条件です(受講期間中に修了できる人を含む)。そのうえで月1回土曜の講座を6か月で6回受け、最後に認定試験があります。会場は飯田橋かオンラインで、2026年10月6日時点では次の期の日程は掲載されていませんでした。
実習の回が何度も組み込まれ、人を相手に試して講師から返してもらう時間を重ねられる型です。そのぶん数か月の時間と、20万円台以上の費用を見込みます。
養成講座で実習を積む型
産業カウンセラー®・精神対話士・傾聴療法士がこの型です。産業カウンセラー®の養成講座は6か月か10か月、面接の体験学習104時間を含む合計179時間で、通学・オンライン(通学あり)・フルオンラインから選べます。23項目ある理論学習の5番目が「傾聴の意義と技法」です。修了後は学科と実技の2級試験に進みます。2027年1月の回の出願期間は、10月6日時点ではまだ発表前でした(10月中旬に発表予定)。
精神対話士は、メンタルケア協会の養成講座の基礎課程(5日間)と実践課程(3日間)を修了し、派遣の活動を希望する人が、集団面接と個人面接の「精神対話士試験」(受験料無料)を受けます。講座は土日祝に、札幌から福岡までの9都市で開かれています。
傾聴療法士は日本精神療法学会の養成講座で、日程のページに載る令和8年度の会場は長野県佐久市と静岡県牧之原市です。2時間の講座を6回受け、内容には脳の働きと傾聴、ロールプレイ、精神疾患の概説などが並びます。受講料・認定料の金額と試験の有無は公式サイトに記載がないため、会場ごとの申込先に問い合わせてください。
大学の研究所で2年かけて学ぶ型
臨床傾聴士は、上智大学グリーフケア研究所の「グリーフケア人材養成課程」(2年制)で単位を修め、総合審査に合格した修了者に与えられる研究所独自の資格です。水曜夜はZoom、土曜は東京か大阪のキャンパスで対面の授業があります。
入学には書類審査と面接があり、2027年度の出願は2026年12月14日から2027年1月8日まで、定員は東京48名・大阪27名です。出願資格は大学卒業などで、当てはまらない人はグリーフケアの実務経験5年以上などを条件に、11月20日までに事前の審査を申し込みます。厚生労働省の専門実践教育訓練給付金の指定講座ですが、給付率はページに書かれていないため、使える条件は申し込む前に確かめておくと安心です。

傾聴そのものを名前にした国家資格はありません
「傾聴 国家資格」で調べる方も多いのですが、傾聴を名前に持つ国家資格はありません。ここまで並べた資格は、どれも民間の団体や大学の研究所が認定しているものです。
人の相談に応じる国家資格には、公認心理師法にもとづく公認心理師や、キャリアコンサルタントがあります。キャリアコンサルタントは、働く人や仕事を探す人の職業の選択・職業生活の設計・能力開発についての相談を受ける資格で、厚生労働大臣が認定する講習の修了などで受験資格を得て、登録しないと名乗れません(厚生労働省・2026年10月7日確認)。どちらも名前に傾聴は入っていないため、相談を仕事にしたい人は、それぞれの要件を別に確かめる必要があります。
産業カウンセラー®も民間資格です。2026年3月31日には、協会の試験が職業能力開発促進法の「団体検定」として厚生労働省に認定されましたが(日本産業カウンセラー協会・2026年9月30日確認)、国が認めた検定であることと、国家資格であることは別の話です。
名前の似た資格にも注意が必要です。日本傾聴能力開発協会の「傾聴心理士」は、国家資格の「公認心理師」とは別のものです。
傾聴ボランティアに資格が要るかは募集先の案内で確かめます
「傾聴ボランティアになるには資格が必要か」という疑問も、検索結果によく出てきます。ただ、傾聴ボランティアの参加の条件を定めた公的なページには、この記事の調べではたどり着けず、資格が要るかどうかを一律には確かめられませんでした。参加の条件は、ボランティアを募集している施設や団体、地域の窓口の案内で確かめるのが確実です。
資格の側では、ボランティアとのつながりを次のように書いています(いずれも公式サイトの書き方)。
- 高齢者傾聴スペシャリスト:テキストで「傾聴ボランティア活動の仕方まで」学ぶ
- 認定 傾聴サポーター(傾聴心理士の前提の資格):家庭・職場・地域活動・ボランティア活動などで活かす資格と説明し、「医療行為や専門的な治療行為を行う資格ではありません」と明記
- 臨床傾聴士:課程の目的に、医療・福祉・災害などの現場で「ボランティアとして」寄り添うケアができる人を育てることを挙げている
- 認定傾聴カウンセラー:受講者には副業やボランティアで活動したい人も多いと紹介している
資格が条件になっていない場合でも、聴き方を一度まとまった形で学んでから始めると安心です。高齢の方の話を聴く活動ならボランティアの仕方まで扱う講座、地域で長く関わるなら対面の練習が多い講座というように、活動の場面から逆に選ぶと迷いません。
仕事につながるかは資格ごとに書き方が違います
「傾聴の資格は仕事になるのか」についても、公式の書き方ははっきり分かれます。
- 精神対話士:資格証の交付後、協会から派遣の依頼を受けて報酬を得て活動する形で、1回80分の活動に4,192円の報酬と案内している
- 傾聴心理カウンセラー:日本傾聴連合会が運営する「こころの相談窓口」での活動や、条件つきでのクライアントの紹介を案内している
- 認定傾聴カウンセラー:よくある質問で「資格を活用して独立は可能です」と答え、実践力を高めたい人向けの個別トレーニングも案内している。上位の傾聴プロカウンセラーの資格取得者には「仕事をご紹介することができます」としている
- 認定 傾聴サポーター:「当協会ではお仕事の紹介は行っていません」と明記している
- 傾聴パートナー:仕事や子育て、日常生活のさまざまな場面で役立つと説明し、履歴書への記載もできると答えている
活動の場を団体が用意しているかは資格ごとに違い、資格を取れば仕事になるとは一律に言えません。また、傾聴の資格はどれも病気の診断や治療を行うためのものではなく、診断や治療は医師の仕事です。仕事に活かしたい人は「取ったあと、どこで聴くのか」も比べる軸に入れておくと、選んだあとのずれが小さくなります。
目的に合わせて選ぶと迷いにくくなります
ここまでの総額と取り方を、目的から逆に引けるようにまとめ直しました。並びは各行でいちばん安い資格の総額の順で、おすすめの順位ではありません。当協会のメンタルヘルス支援士は、基準に合う2つの行に加えています。
| こんな目的なら | 候補になる資格 | 公式サイトに書かれていること |
|---|---|---|
| まず費用を抑えて傾聴の基本を知りたい | 傾聴パートナー/高齢者傾聴スペシャリスト | どちらも通信で総額3万円台まで。試験も在宅で受けられる |
| 家族や職場の人の話を聴く場面に家で学んで活かしたい | 傾聴パートナー/メンタルヘルス支援士(当協会の資格) | 前者は仕事や子育て・日常生活で役立つと説明。後者は受講資格なし・スマホで受験・登録料と更新料なし |
| 高齢の方の話を聴く場面に活かしたい | 高齢者傾聴スペシャリスト | 高齢者と関わる人向けで、テキストで傾聴ボランティア活動の仕方まで扱う |
| 心の不調の基礎と合わせて聴き方を学びたい | メンタルヘルス支援士(当協会の資格)/傾聴療法士 | 前者は公式マスターブックに認知行動療法・カウンセリングの基本姿勢・心理学テクニックの章が並ぶ。後者は会場の講座の内容に脳の働きと傾聴・精神疾患の概説・ロールプレイが並ぶ |
| 1日で集中して体験しながら学びたい | 認定傾聴カウンセラー | 1日5.5時間・各日最大6名。取得後の継続費や年会費なし |
| 相談を受ける活動の場がある資格を選びたい | 精神対話士 | 選考に合格すると、協会から派遣される形で活動する |
| 時間をかけて人を相手に練習を重ねたい | 傾聴心理カウンセラー/傾聴心理士 | 前者は実習10回と講師の認定。後者は前提の講座4回と6か月の講座のあとに認定試験 |
| 働く人の相談に関わりたい | 産業カウンセラー® | 面接の体験学習104時間と、学科・実技の試験がある |
| グリーフ(悲嘆)を抱えた人に寄り添うケアを専門的に学びたい | 臨床傾聴士 | グリーフケア人材養成課程(2年制)の修了者に与えられる研究所独自の資格 |
出典:上の総額の表と同じ各団体の公式サイト(2026年10月6日確認)
1つの行に2つの資格があるところは、総額と取り方で見比べてください。たとえば練習を重ねたい行では、傾聴心理カウンセラーは始める時期を選ばず、傾聴心理士は期ごとの日程と前提の講座があります。
目的が2つ以上あるときは、いちばん強い目的で絞ってから、もう1つが講座の内容に入っているかを確かめると迷いません。心理カウンセラーの資格まで広げて比べたい方は、一覧の記事も参考にしてください。
>心理カウンセラー資格一覧【協会監修】どれがいい?目的別に民間資格を比較
メンタルヘルス支援士との共通点と違い
メンタルヘルス支援士は当協会が認定する民間資格で、家で学び在宅で試験を受ける型に入る点は、傾聴パートナーや高齢者傾聴スペシャリストと共通しています。違うのは傾聴だけの講座ではないことで、目的別の表のとおり、4章「カウンセリングの基本姿勢」の前後に3章「認知行動療法の種類と基礎知識」と5章「カウンセリングに役立つ心理学テクニック」があり、公式サイトでは傾聴・受容・共感を基礎から学べると案内しています。試験は50問50分で35問以上が合格、結果はその場で分かります。
この資格の受講を終えた方に、章ごとの満足度を尋ねた結果があります(受講後アンケート・248件)。4章「カウンセリングの基本姿勢」は、大満足65人・満足142人で、合わせて207人(83.5%)でした。自由記述には、学んだ聴き方を自分の仕事の場面に重ねた回答もありました。
メンタルヘルス支援は高齢者デイサービスを利用している方にも傾聴や寄り添いなど活用できる部分が多々あると思います
50代の方の回答で、高齢の方が通う介護の現場で働きながら受講した方です。傾聴を特別な場面のためではなく、毎日の関わりの中で使えるものとして受け止めています。この数字と声は当協会の資格の受講者のもので、他の資格と比べる根拠にはなりません。

メンタルヘルス支援士について
ここまで、傾聴の資格を総額と取り方で比べる方法についてご紹介してきました。
こうした理解を深めることと合わせて、ご家族や職場の同僚、支援の現場で働く方々の間でも、メンタルヘルスへの理解を深めるための学びが広がっています。
当協会が認定する「メンタルヘルス支援士」は、精神疾患の基礎知識、大人の発達障害、認知行動療法、傾聴を中心としたカウンセリングの基本姿勢などを、体系的に学べる民間資格です。2026年には「日本の資格・検定AWARDS 2026」の総合アクセス数部門で第2位に選ばれました。
資格の有無が支援の基準になるものではありませんが、身近な人と日々関わる方が、専門的な知識を身につける選択肢の一つとして知っていただけたらと思います。
Q&A|傾聴の資格に関するよくある質問
Q1:傾聴の資格は総額いくらで取れますか
公式サイトで確かめた通常価格で取得までの総額を出すと、通信で学ぶ傾聴パートナー(シンプル版と受験料)の24,090円から、上智大学グリーフケア研究所の臨床傾聴士の612,000円まで開きがあります。家で学ぶ型は4万円台まで、養成講座や大学の課程になると数十万円になります。期限つきの割引を出している資格もあるため、申し込む時点の金額は公式サイトで確かめてください。
Q2:傾聴の資格に国家資格はありますか
この記事のために開いた厚生労働省のページと各資格の公式サイトには、傾聴を名前に持つ国家資格は見当たりませんでした。記事で並べた資格は、民間の団体や大学の研究所が認定するものです。人の相談に応じる国家資格には、公認心理師やキャリアコンサルタントがあります。産業カウンセラー®の試験は国の団体検定として認定されていますが、国家資格ではありません。
Q3:傾聴の資格は通信講座だけで取れますか
取れる資格があります。傾聴パートナー・高齢者傾聴スペシャリスト・メンタルヘルス支援士は、教材で学んで試験も在宅で受けます。人を相手にした練習を講座の中で重ねたい場合は、認定傾聴カウンセラーの1日講座や、傾聴心理カウンセラー・傾聴心理士のようにオンラインで回数を重ねる講座が候補になります。
Q4:傾聴ボランティアを始めるのに傾聴の資格は必要ですか
傾聴ボランティアの参加の条件を定めた公的なページには、この記事の調べではたどり着けず、資格が要るかどうかを一律には確かめられませんでした。参加の条件は、募集している施設や団体、地域の窓口の案内で確かめてください。資格の中には、高齢者傾聴スペシャリストのように、テキストで傾聴ボランティア活動の仕方まで扱うものもあります。
Q5:傾聴の資格を取れば仕事にできますか
資格によって公式の書き方が違います。精神対話士は協会から派遣を受けて報酬を得る形(1回80分4,192円)、傾聴心理カウンセラーは団体の相談窓口での活動やクライアントの紹介(条件あり)を案内しています。一方、認定 傾聴サポーターは仕事の紹介を行っていないと明記しています。資格を取れば仕事になると一律には言えないため、活動の場を団体が用意しているかどうかも比べてみてください。
まとめ|傾聴の資格
- 傾聴の資格は、取得までの総額で2万円台(傾聴パートナー)から60万円台(臨床傾聴士)まで開きがあります
- 金額の差は取り方の差です。家で学ぶ型・1日の講座・オンラインで回数を重ねる講座・実習を積む養成講座・大学の課程の5つに分かれます
- この記事の総額は通常価格です(定価の表記が分かれていた傾聴心理士だけは特別価格)。期限つきの価格は2026年10月6日時点の情報で、期限が過ぎると変わります
- 傾聴を名前に持つ国家資格は、確認した公的ページには見当たりませんでした。相談の国家資格には公認心理師やキャリアコンサルタントがあります
- 傾聴ボランティアや仕事とのつながり方は資格ごとに違うため、取ったあとにどこで聴くのかも比べる軸になります
- 目的を1つ決めて総額と取り方の表に当てはめれば、候補は自然に絞れ、自分の暮らしに合う学び方から始められます
【注意事項】
この記事で紹介している内容は、当協会が収集したアンケート・体験談の一部をもとにまとめています。心の状態や必要な支援は一人ひとり異なり、一律の正解はありません。また、本記事は診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状や不安がある場合は、早めに医師・専門機関・お住まいの地域の相談窓口にご相談ください。
本記事に掲載した他団体の資格・講座の情報は、2026年10月6日時点で各団体の公式サイトを確認した内容です(キャリアコンサルタントは2026年10月7日に厚生労働省のページで確認)。受講料・キャンペーン・日程・認定の条件は変わることがありますので、申し込みの前に必ず各団体の公式サイトでご確認ください。「産業カウンセラー」は一般社団法人 日本産業カウンセラー協会の登録商標、「精神対話士」は一般財団法人メンタルケア協会の登録商標です(各団体の公式サイトの記載による)。


