子どもの二次障害チェック|同じ悩みを持つ保護者の体験と対比

お子さんの様子がおかしいと感じたとき、まず困るのは「これを何と呼べばいいのか」だと思います。学校に相談しようにも、病院を予約しようにも、説明する言葉が見つかりません。

下に5つの質問を置きました。答えると、同じことを書いた保護者が63人のうち何人いたかをその場でお返しします。正解を出すものでも、診断をするものでもありません。いま起きていることに、数字の裏づけをつけるためのものです。

1分ほどで終わります。答えたあとに、その結果を学校や医療機関にどう持っていくかまで書いています。

5つの質問で、いま起きていることを整理します
正解のある質問ではありません。答えると、同じことを書いた保護者が63人のうち何人いたかをその場でお返しします。
1 / 5 現れ方
いま、どんな形で出ていますか?(いくつかあれば、いちばん強いもの)
ここでお返ししたのは、一般社団法人 人間力認定協会が集めた63人の保護者のエピソードの集計です。医師の判定ではなく、保護者が「あらわれた」と受け取ったものを数えています。発達障害のあるお子さん全体を代表するものではありません。
メンタルヘルス支援士 公式サイト

「1つに決まらない」のが、いちばん多い答えです

1人あたり平均3.76個。きっかけの上位3つは学校の中

答えてみて、どれも当てはまる気がしたという方もいると思います。それで合っています。

この63人の調査は複数回答です。1人のお子さんに起きていたことは、平均3.76個でした。延べ237件を63人で割った数字です。1つの状態だけで終わった子は、少数でした。

きっかけのほうも同じです。先生・友人・学習・家庭のうち、2つ以上を挙げた保護者がほとんどでした。先生との関係を挙げた34人のうち、先生だけを挙げた方は6人です。

ですから、「原因はどれか」を1つに決めようとすると、行き止まりになります。複数が重なった結果として起きている、と考えるほうが、この63人が実際に書いたことに近いのです。

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答えたことを書き出すと、そのまま相談の材料になります

相談で伝える5項目と、理由ではなく場面を聞く言い換え

ここからが、このチェックのいちばんの使いどころです。

学校やスクールカウンセラー、児童精神科に相談するとき、「困っています」だけでは話が進みません。相手は、いつから・何が・どんな場面で起きているのかを知りたいからです。ところが、毎日その渦中にいる保護者ほど、その順番で話すのが難しくなります。

いま答えた5つを、そのまま書き写してみてください。それだけで、伝える形になります。

伝えること書き方の例
いま出ている形「学校に行けない日が増えていて、家では弟に強く当たります」
思い当たるきっかけ「担任の先生とのことと、友達関係と、両方あるように見えます」
いつから「6月ごろからで、いまも続いています」
診断の有無「診断はまだですが、グレーゾーンと言われています」
いちばん困っていること「本人が理由を話せないので、こちらが何をすればいいか分かりません」

いちばん下の1行は、チェックにはない項目です。ここだけは、ご自身の言葉で足してください。相手に何をしてほしいのかが伝わると、話がいちばん早く動きます。

「原因はこれです」と決めて持っていかなくて大丈夫です

相談の前に、原因を突き止めてから行かなければと考える方が多くいらっしゃいます。その必要はありません。

63人の記録では、きっかけが1つに決まっていた方のほうが少数でした。「2つあるように見えます」「思い当たりません」も、そのまま伝えていい答えです。むしろ、決めつけずに持っていったほうが、相手も見立てを立てやすくなります。

学校へ息子の、特性や苦手なことなど進学、進級するたびに担任の先生に面談して伝えてきたが学校側の配慮はなく2次障害は防ぎようがなかった…。フリースクーがないため、あれば引きこもりは回避できたかもしれません…。

11歳の男の子の保護者の記述です。原文どおりに載せています。進級のたびに伝えてきたのに、配慮はなかったと書かれています。この方が最後に挙げているのは、伝え方の工夫ではなく「フリースクールがあれば」——つまり学校の外に、もう1つ場所があったらということでした。

うまくいかなかったのは、伝え方が悪かったからとは限りません。学校とのやり取りだけで抱えないことが、この記述の示していることだと考えています。次の節に、学校の外の窓口を並べました。

お子さんに「なんで?」と聞かないでください

整理がつくと、次に本人へ確かめたくなります。「なんで学校に行けないの」「なんで弟を叩くの」——けれど、ここは踏みとどまってください。

63人の記述に、繰り返し出てくる形があります。本人にも理由が分かっていない、というものです。

高学年になり周りと自分との差を感じ始め、コミュニケーションのとり方含め、春先から中学生になる事もあり調子が悪そうな日々が続きました。本人に確認しても、(何もない。)と言い自分自身がどのような状況か分からなかったんだと今は思います。学校に行けない日もどんどん増えていきました。(後略)

11歳の男の子の保護者の記述です。「本人に確認しても、(何もない。)と言い」——隠していたのではなく、自分の状態を説明する言葉を、まだ持っていなかったのだと、この方はあとから気づいています。

この状態の子に理由を聞くと、何が起きるか。答えられない自分を、もう一度確認することになります。聞いた側にそのつもりがなくても、責められたと受け取られることがあります。63人の記述には、叱責の積み重ねのあとに反抗や暴言が始まった、という順番も出てきます。

聞き方を、理由から場面に変えます

代わりに使えるのは、理由ではなく場面を聞く質問です。理由は本人にも分かりませんが、いつ・どこで・誰といるときがしんどいかは、答えられることがあります。

  • ×「なんで行けないの」→ ○「1日のうちで、いちばんしんどいのは何時ごろ?
  • ×「何かあったの」→ ○「誰といるときが、いちばん疲れる?
  • ×「どうしたいの」→ ○「明日、これだけはなくていいなと思うのはどれ?

右側は、答えが返ってこなくても構いません。聞かれた側が責められていないと分かること自体に意味があります。そして返ってきた答えは、そのまま先ほどの表の「いちばん困っていること」に書ける材料になります。

なお、これは対応方法の効果を検証したものではありません。63人の記述から読み取れる範囲での提案です。

いま、どこに相談できるか

学校の外の窓口を、公的なものだけ並べます。どれも無料で、診断がついていなくても相談できます。

相談先向いている場面
スクールカウンセラー学校のなかで起きていることを、担任以外に伝えたいとき。予約は学校を通します
発達障害者支援センター特性の理解や、学校への伝え方を一緒に考えたいとき。診断がなくても相談できます
こどもの心の診療機関マップ児童精神科など、子どもを診てくれる医療機関を探すとき(掲載は推薦ではありません)
こども家庭庁の相談窓口どこに相談すればいいか分からないとき。入口として使えます
教育委員会学校とのやり取りが行き詰まったとき。担任の一存では動かない事柄を扱えます

この5つのうち、いちばん先に動きやすいのはスクールカウンセラーです。学校のなかにいて、担任とは別の立場で話を聞けます。ただし勤務日が週に1〜2日という学校も多いので、予約は早めに入れてください。

医療機関は、待ち時間を先に確かめてください

児童精神科と発達外来は、初診まで数か月待ちという地域が珍しくありません。「様子を見てから予約しよう」と考えていると、いざ必要になったときに間に合わないことがあります。

ですから、順番はこうしてください。①予約だけ先に入れる ②待っている間にスクールカウンセラーや支援センターに相談する ③受診日までに、いま書き出した5つを紙にまとめておく——この3つは同時に進められます。予約は、状況が良くなればキャンセルすればよいだけです。

63人の記述には、「もっと早く相談すればよかった」という趣旨の振り返りが繰り返し出てきます。反対に「早く動きすぎた」という後悔は、ほとんど見当たりません。迷っている段階で連絡してよい、というのがこの記録から言えることです。

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このチェックが答えていないこと

お返しできることには、はっきりした限界があります。3つ書いておきます。

  • 診断ではありません。二次障害という言葉に公的な診断基準はなく、このチェックで何かが確定することはありません
  • 63人は、発達障害のあるお子さん全体を代表していません。当協会のアンケートに答えてくださった保護者に限られます
  • 医師が判定したものではありません。保護者が「あらわれた」と受け取ったものを数えています

それでも数字をお返ししているのは、「うちだけかもしれない」という感覚を外すためです。この63人は、いま同じことを書ける立場にいた方々です。

お子さんやご家族の安全が脅かされている場合は、我慢せずに相談してください。暴力が続いている、自分を傷つけている、死にたいと口にしている——こうしたときは、順番を待たずに医療機関や地域の窓口に連絡してください。

メンタルヘルス支援士について

ここまで、63人の保護者の記録と照らしながら、いま起きていることの整理の仕方をご紹介してきました。

こうした理解を深めることと合わせて、ご家族や学校の先生、支援の現場で働く方々の間でも、メンタルヘルスへの理解を深めるための学びが広がっています。

当協会が認定する「メンタルヘルス支援士」は、精神疾患の基礎知識、大人の発達障害、認知行動療法、傾聴を中心としたカウンセリングの基本姿勢などを、体系的に学べる民間資格です。2026年には「日本の資格・検定AWARDS 2026」の総合アクセス数部門で第2位に選ばれました。

資格の有無が支援の基準になるものではありませんが、身近な人と日々関わる方が、専門的な知識を身につける選択肢の一つとして知っていただけたらと思います。

メンタルヘルス支援士の詳細について

Q&A|このチェックについてよくある質問

Q1:答えた内容は、どこかに送られますか?

選んだ番号だけが、匿名で当協会に記録されます。お名前、メールアドレス、IPアドレスなど、個人を特定する情報は一切取得していません。記録しているのは、選択肢の番号・記事・参照元の種別(検索/SNSなど)・端末の区分・日時だけです。今後の記事づくりの参考にするためのもので、それ以外の用途には使いません。

Q2:どれを選べばいいか分からない質問がありました

どの質問にも「まだ分からない」に近い選択肢を入れてあります。迷ったらそちらを選んでください。分からないことも、そのまま伝えていい情報です。63人の記録にも「兆候もなにもなく、気づけなかった」「防ぎようがなかった」と書かれたものが実際にあります。

Q3:チェックの結果で、うちの子の状態が分かりますか?

分かりません。お返ししているのは「同じことを書いた保護者が63人のうち何人いたか」だけです。二次障害という言葉に公的な診断基準はなく、何個当てはまったら該当、という基準もありません。状態の判断は医療機関の役割です。このチェックは、その手前で言葉を用意するためのものとお考えください。

Q4:何度でも答えられますか?

できます。結果の下にある「もう一度」から、やり直せます。状況が変わったときに、また答えていただくのも有効です。63人の記録では、現れ方も、きっかけの見え方も、時間とともに変わっていく様子が書かれています。数か月おきに答えて、前と違うところを見るという使い方もできます。

Q5:親の関わり方が原因なのでしょうか?

63人が挙げたきっかけで、家族関係は20人(31.7%)の4位でした。上位3つは先生34人・友人34人・学習28人で、すべて学校のなかの出来事です。ご自身を責めておられるなら、この順番を見てください。家庭で起きていることが無関係というわけではありませんが、いちばん多く挙げられていたのはそこではありません

まとめ|言葉が用意できれば、次の一歩は短くなります

  • 1人のお子さんに起きていたことは、63人の記録で平均3.76個。1つに決まらないのが普通です
  • きっかけも同じで、2つ以上を挙げた保護者がほとんど。先生を挙げた34人のうち、先生だけを挙げた方は6人でした
  • 答えた5つを書き写すだけで、相談の材料になります。最後に「いちばん困っていること」を1行だけ足してください
  • 原因を突き止めてから相談に行く必要はありません。「2つあるように見えます」も、そのまま伝えていい答えです
  • 学校の外の窓口は、どれも無料で、診断がついていなくても相談できます
  • きっかけで家族関係は4位でした。上位3つはすべて学校のなかです

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本記事で紹介している情報について

項目内容
情報の性質一般社団法人 人間力認定協会「子どもの二次障害に関するエピソード調査」。発達障害の診断または特性のあるお子さんを育てた保護者の回答で、有効回答は63件。複数回答です
チェックが返す数字選んだ選択肢に対応する63人の単純集計です。選択肢の組み合わせでは集計していません(該当が少人数になり、数字として扱えないため)
記録している内容選択肢の番号、記事、参照元の種別、端末の区分、日時。個人を特定する情報は取得していません
注意点二次障害の有無を医師が判定したものではなく、保護者が「あらわれた」と受け取ったものです。発達障害のあるお子さん全体を代表するものではありません
一般情報の出典文部科学省、こども家庭庁、国立障害者リハビリテーションセンター、国立成育医療研究センターの各ページ。2026年9月9日に閲覧して確認

引用している文章は、自由記述欄からそのまま転載しています。改行記号の変換以外の編集は行っていません。

【注意事項】

このチェックは診断を目的としたものではなく、結果によって何かが確定するものでもありません。二次障害という言葉に公的な診断基準はなく、本記事の分類は当協会の調査票の選択肢にもとづいて整理したものです。回答者は当協会の受講者およびアンケートに協力いただいた保護者に限られ、発達障害のあるお子さん全体を代表するものではありません。お子さんの状態や必要な支援は一人ひとり異なり、一律の正解はありません。ご家族やお子さん自身の安全が脅かされている場合は、我慢せず、学校・児童相談所・お住まいの地域の相談窓口にご相談ください。気になる様子がある場合も、早めに学校のスクールカウンセラー、児童精神科などの医療機関にご相談ください。

参考・相談先

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