ASDの同僚へストレス…発達障害の同僚に疲れる原因と今日からできる5つの対処法

一緒に働く同僚に何度伝えても、同じミスがくり返される。「なるべく早めに」と頼んでも期限を過ぎる。注意しても本人に悪気も自覚もなく、気づけば後始末はいつも自分に回ってくる。

もしかしたらASD(自閉スペクトラム症)などの発達障害の傾向があるのかもしれない。でも診断を受けているわけではないし、本人も気づいていない。周りに言えば「気にしすぎ」と言われそうで、イライラしている自分のほうが心が狭いのかと思えてくる。

関わりたくないと思いながらも、仕事だから毎日顔を合わせるしかない。そんな毎日に疲れている方も多いと思います。

実は、そのストレスをがまんで乗り切ろうとするほど、先に自分の心と体が参ってしまうことがあります。帰宅後に何もできなくなったり、眠りが浅くなったりするのは、その入口かもしれません。

>【職場カサンドラ】疲弊してるのは私だけ?ASD傾向の同僚に疲れる原因と対処法

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ASDの同僚にストレスを感じるのはこんなとき|よくある5つの場面

ASDの傾向がある同僚と働いていると、こんな場面が毎日のように重なります。

  • 何度伝えても同じミスがくり返される
    「前にも言いましたよね」が口ぐせになっていく。言うたびに、自分のほうが嫌な人になった気がしてくる。
  • 「なるべく早めに」が伝わらない
    気をきかせてほしいところで動いてくれず、結局は自分がやったほうが早いと抱え込んでしまう。
  • 急な予定変更で手が止まる
    会議の時間が変わっただけで作業が進まなくなり、なぜかこちらがフォローに回っている。
  • 場の空気にそぐわない発言をする
    会議やお客様の前で思ったことをそのまま口にして、その場を取りつくろうのはいつも自分。
  • 後始末がいつも自分に回ってくる
    周りから「あの人の対応は上手だから」と任され、気づけば担当が自分ばかりに寄っている。

どれも1つずつなら小さなことです。けれど毎日重なると、イライラは少しずつ積もっていきます。しかも相手に悪気がないぶん、怒りをぶつける先がありません。

ASDの同僚にストレスを感じる原因|本人に自覚がないから伝わらない

職場でのASD関連の消耗。相手の言動と、周囲の担当配分の2つが原因になっている図

ASD(自閉スペクトラム症)の特性は、大きく「人とのやりとりの難しさ」と「興味や行動のかたより」の2つに分けて説明されています。5つの場面の多くは、言葉どおりに受け取る・暗黙の了解が入りにくい・急な変更に弱いといった特性から起きています。

どれも本人にその気がないまま起きているので、注意しても自覚がなく、同じことがくり返されます。伝わらないのは伝え方が下手だからではありません。受け取り方そのものが違うためです。

後始末が自分に寄っていくことも原因になります

ストレスの原因は、相手の言動だけではありません。職場では「あの人の対応は上手だから」と、担当が1人に寄っていきます。部下との関係について寄せられたエピソードですが、同僚との関係でも同じことが起きています。

部下本人にもあるが、他のスタッフが、私ばかりに任せる部分にも腹が立つ

周りに悪気はなく、むしろ頼りにしているつもりのことが多いので、こちらからは言い出しにくくなります。うまく対応できているように見えるほど、本当はいちばん消耗している人が見えなくなっていきます。

イライラするのは心が狭いからではありません

関わりたくない、イライラする、正直むかつく。そう感じてしまう自分を責めている方もいると思います。けれど、毎日同じことで振り回されれば、誰でも疲れます。

職場で同じ立場になった方からは、こんな記録も寄せられています。

職場の同僚が発達障害だと直感したため、なるべく関わらないことでカサンドラ症候群防止に努めることに専念

関わる範囲を決めるのは、相手を見捨てることではなく、自分を守るための工夫です。「関わりたくない」という気持ちは、これ以上すり減らないためのサインとして受け止めて大丈夫です。

発達障害の同僚に疲れたときの5つの対処法

発達障害の同僚に疲れたときの5つの対処法

相手を変えようとするより、仕事の渡し方と関わり方を変えるほうが、確実に負担は減ります。今日からできることを5つ紹介します。

1. 指示や依頼は具体的に文字で伝える

口頭で「あれ、やっておいて」と伝えるより、メールやチャットで「何を・いつまでに・どの形で」を書いて渡します。表情や声の調子に頼らないので伝わりやすく、言った言わないも起きにくくなります。

  • 伝わりにくい例
    「資料、いい感じにまとめておいて」
  • 伝わりやすい例
    「A社向けの見積もりを先月と同じ形式で作り、明日の10時までにメールで送ってください」

2. 一度に頼むのは1つだけにする

いくつかの用件をまとめて頼むと、抜けが出やすくなります。1つ終わったら次を渡す。期限も「早めに」ではなく「15時まで」のように時刻で示します。

頼みたいことが3つあるなら、メモに番号をつけて順番を書いておくのも効果があります。「1が終わったら声をかけてください」と区切りを決めておくと、抜けや思い込みに早く気づけます。

3. 話す範囲を業務の用件に絞る

雑談で関係を良くしようとしなくて大丈夫です。必要な用件だけを短く伝えるほうが、お互いに負担が少なくなります。

話が長くなりそうなときは「ここまでで一度区切りますね」と先に言っておきます。相手を突き放すのではなく、お互いが同じ用件に集中するための区切りです。

4. 担当の偏りを業務量として上司に伝える

上司に相談できる方は、相手の特性や診断の話はせず、「この業務の対応が自分に集中している」「そのぶん残業が増えている」と業務量の話として伝えます。相手を「発達障害ではないか」と伝えると、話が診断の有無に移ってしまい、肝心の配分の問題が残ります。

上司への相談が難しい方や、少人数の職場で相談できる上司がいない方は、人事や社内の相談窓口、産業医に伝える方法もあります。

5. 自分の疲れを記録しておく

眠れなかった日・頭痛があった日・その同僚と長く仕事をした日を、カレンダーに印をつけるだけで十分です。疲れが相手と仕事をした日に重なっていると分かれば、上司に相談するときの材料にもなります。

>カサンドラ症候群の症状|心より先に、体に出た人が多数でした

部下がASDかもしれないと感じて疲れたとき

同僚ではなく、部下とのやりとりで疲れている方もいます。注意しても変わらない、何度教えても忘れてしまう。指導する立場なので、距離を置くこともできません。

部下が無診断だが、特性が出ており、注意しても変わらず、忘れてしまう。気がつかないなどで、疲れてきた

部下の場合も、基本は同じです。指示を文字にして一度に1つずつ渡すことは、相手に診断があるかどうかに関係なく、業務のやり方として説明できます。そのうえで、1人で抱えずに自分の上司や人事と業務の分け方を相談してください。指導する側がすり減ってしまうと、職場全体が回らなくなります。

対処しても疲れが残るとき|自分の受け止め方を整える

5つの対処法で、毎日の負担は軽くなります。けれど、相手の特性そのものが変わるわけではありません。同じ職場にいる限り、イライラする場面はこれからも出てきます。

そのときに支えになるのが、知識です。ASDの特性を知っていれば「わざと困らせているのではない」と受け止め直せる場面が増えます。考え方のくせに気づいて自分の気持ちを整える方法を知っていれば、同じ出来事でも引きずる時間を短くできます。

反対に、知らないまま我慢だけを重ねると、気づいたときには自分のほうが先に限界を迎えてしまうことがあります。相手は変えられなくても、自分の受け止め方は変えられます。

同僚との関係全体に疲れているときは、こちらも読んでください。

>職場の人間関係に疲れた…我慢しても辞めても悩みがつきまとう原因とは

メンタルヘルス支援士について

当協会が認定するメンタルヘルス支援士は、心の不調の基礎や大人の発達障害、考え方のくせに気づく認知行動療法、傾聴を中心としたカウンセリングの基本を順を追って学べる民間資格です。

職場の人との関わり方が変わる|同じ悩みを抱えた方の声

職場の人間関係に悩んだ経験のある方からは、こんな声が寄せられています。

前任校でASDと思われる同僚がいて、自分がカサンドラ症候群のような症状が出たことがあります。ずっと無視され続けて嫌な思いをしましたが、周りの理解してくれる同僚に助けられました。(30代)

職場にいる気になる方への対応など関わり方を見直す機会となりました。(40代)

職場では上司に対して、また、初対面の人に対する接し方など、ここで習得したことが少し生かすことができ、なるほどなーと思うことがありました。(30代)

相手を変えることは難しくても、知識があれば自分の受け止め方と関わり方は少しずつ変えていけます。この仕事を続けながら、自分の心を守るための学びとして役立ててもらえる資格です。

自分のペースで学べる|仕事の合間にスマホで

仕事や家のことで予定が読めない人でも、続けやすい形になっています。

  • スマホでも学べる
    テキストと同じ内容をスマホやパソコン、タブレットでも学べます。休憩時間や通勤の合間に少しずつ進められます。
  • 自宅で24時間いつでも受験
    試験は自宅からオンラインで受けます。決まった日に会場へ行く必要はありません。
  • 受講期限は8か月
    受講した方の平均の受講期間は約2か月です。忙しい時期を避けて動ける時期に進められます。

受講後のアンケートでは、回答した248人のうち247人が「受講してよかった」と答えています。2026年には「日本の資格・検定AWARDS 2026」の総合アクセス部門で第2位に選ばれました。

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Q&A|ASDの同僚へのストレスに関するよくある質問

Q1:同僚に発達障害の診断がなくても当てはまりますか?

当てはまります。寄せられた職場のエピソードも「無診断だが」「発達障害だと直感したため」という書かれ方がほとんどでした。むしろ診断がないほうが周りに説明しづらく、1人で抱え込みやすくなります。ただし、相手を「発達障害だ」と決めつけて周りに話すことはやめておきましょう。

Q2:上司に相談したいときは何と言えばよいですか?

相手の特性ではなく、業務の配分と自分の状態を伝えます。「この業務の対応が自分に集中している」「そのぶん残業が増えている」「先月から眠りに影響が出ている」といった事実は、そのまま相談の材料になります。上司への相談が難しい場合は、人事や社内の相談窓口、産業医、厚生労働省の「こころの耳」のような社外の窓口でも、同じ伝え方で相談できます。

Q3:自分の関わり方が悪いのでしょうか?

関わり方だけの問題ではありません。ASDの特性があると、言葉どおりに受け取る・暗黙の了解が伝わりにくいといったことが起きるため、伝え方を工夫しても同じことがくり返される場合があります。自分を責めるより、5つの対処法のように仕事の渡し方を変えるほうが確実です。

まとめ|相手を変えるより仕事の渡し方と自分の受け止め方を変える

  • ASDの同僚にストレスを感じるのは、本人に自覚がなく伝わらないことと、後始末が自分に寄っていくことが重なるため
  • イライラや関わりたくない気持ちは、心が狭いからではなく、すり減らないためのサイン
  • 対処法は、文字で具体的に・一度に1つ・話す範囲を絞る・担当の偏りを業務量として上司に伝える・自分の疲れを記録する、の5つ
  • 部下の場合も基本は同じ。1人で抱えずに業務の分け方を相談する
  • 相手は変わらなくても、知識があれば自分の受け止め方は変えられる

毎日同じことで振り回されながらも、仕事を回し続けてきたこと自体が大変なことです。これからは、自分の心を守ることも同じくらい大切にしていけたらと思います。

【注意事項】

この記事で紹介しているエピソードは、当協会が実施した「カサンドラ症候群に関するエピソード調査」(回答者は当協会が認定する児童発達支援士の受講者)と、メンタルヘルス支援士の受講後アンケート(2025年3月〜2026年8月・248件)によるものです。体験談は、個人が特定されないよう一部の表現をぼかしています。

参考・相談先

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