2月9日に開催された意見交換会の実施報告となります。今回もとても有意義な時間となりました。皆様ありがとうございました。ここで紹介している内容が皆様のお役に立てば幸いです。
今回の参加者の特徴
今回は発達障害のお子様を持つお母様のご参加が多かった印象です。教師を目指す大学生も参加されておりました。似たような境遇を経験されている方が多かったため、受講者同士の質疑応答では具体的なお話が展開されました。意見交換会は水曜日と土曜日の開催をしておりますが、水曜日は主婦の方、土曜日は保育関係の仕事をされている方の参加が目立っています。ただしお子様の特性は皆さん異なるため、さまざまな角度からお話を伺うことができ、とても価値のある時間だと感じております。
この意見交換会も今回で7回目となりましたが、皆様からいつも言っていただけるのは「こういった場を設けて頂けて本当に感謝しています。これからも続けていってほしいです」というお声です。やはり皆さん、同志というか仲間を求めているのだなと感じます。逆に言うと、近くに子どものことで共感してくれる方が少ないのではないかと感じています。障害ということで、周りに相談しにくいと感じている方もいらっしゃるでしょうし、相談したものの理解してもらえなかったという方も多いのでしょう。私どもが掲げる理想としては「皆が障害のことを理解をしている世界」です。ですから、意見交換会という場が存在しない世界の方が理想だと言えます。しかし現状そうはなっていませんから、理想に近づくまでは意見交換会は続けていきたいと思います。その日がいつ来るのかわかりませんが、1日も早く理解が拡がることを願います。
意見交換会議事録
ここからは今回の意見交換会の質疑応答時に、実際にお話のあった内容をご紹介していきます。お客様の言葉をほぼそのままの表現で紹介させていただきます。(個人情報保護のため一部表現を変えている箇所がございます)
回答者A様:はい。夫がADHDとコミュニケーション障害、それから記憶障害という診断を受けています。長女がADHD傾向が強く診断は出ますよと言われたのですが、あえて今診断を取らない状態で、療育に通って長女にあった方法を探しています。どうも主人と長女の折り合いが悪く、お互いに特性-がぶつかりあってしまう時があります。お互いに衝動性が出てしまうと、どうにも収集がつかなくなってしまうことがあります。その結果、長女が父親からの言葉で傷つくことが多く、だんだん二次障害のような状態になってしまっています。これはなんとかしようと思い療育の先生にも相談して、このような状態になったらクールダウンが必要なのですが、家族内で距離をあけるのは非常に難しいため、物理的に距離を置くという方法をとりました。週末や、主人に残業がある日は会社の近くに主人の実家があるためそこで泊まって休養をしてもらい、余裕がある時に自宅に帰ってきてもらいます。それから主人が寝不足で疲れてきたなと感じたら、私が子どもを連れて外に出て、主人が家で一人でゆっくりと過ごせるようにしたり、長女と主人が以前は一緒に寝ていたのですが、寝室を分けることで、主人がゆっくり寝て休養を取れるようにしました。
主人も外で色々な刺激を受けてきて、他の人よりも過敏に色々な物を感じて疲れていると思うので、まずは子どもをコントロールするのは難しいため、主人へお願いをしてとにかく主人の安定を優先しました。主人が安定すると娘に対しても余裕をのある接し方になったため、娘もそれに応じて安定するようになり、今とても落ち着いた状態となっています。
こういうことを通して感じたことは、家庭内の環境というのはとても重要だと思いましたし、サポートする親側の心の安定も子どもへすごく強く影響するのだと感じました。
同じ言葉がけをしても、親が安定している場合とそうでない場合では、子どもへの効果は出にくいですし、今まで通った様々な療育施設で相談もしましたし、勉強もしたのても効果が無かったのは、家庭の親の心が安定していて親の自己肯定感を上げていくことですごく子どもにも効果が表れてくるようになったと感じています。
【まとめ】第七回 児童発達支援士 意見交換会の実施報告
このブログでは意見交換会でお話があった内容をごく一部だけ抜粋してご紹介させていただきました。毎回白熱したお話合いが出来ており、場を提供している協会としてもうれしく思います。この意見交換会をきっかけに道が見えてきた、気持ちが楽になったという声も多数いただいており、今後も絶対に続けていきたいと思う活動の一つです。
お子様に関する悩みは一生尽きないのかもしれません。考えたり悩むことは悪くないと思いますが、そのことによって保護者や支援者のメンタルが不安定になることは問題です。そういった領域に行かないようにするためにも、吐き出せる場としてこの意見交換会を活用いただけたらと思っております。
今回も素晴らしい時間をありがとうございました。