【受講者インタビュー】私は発達障害の当事者だけど専門家ではない・・・

当協会が認定する資格、児童発達支援士もしくは発達障害コミュニケーションサポーターを受講された方にご協力いただいている受講者インタビュー。今回はご自身が発達障害(自閉スペクトラム症)と診断された方のインタビューとなります。当事者の気持ちを聞けることは支援の輪を拡げるうえで非常に大切です。是非ご覧ください。

インタビューを受けてくださったHさんのご紹介

Hさんは17歳の時に自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)と診断されたと言います。当事者であるHさんがこのインタビューにご協力いただいたのは、自身と同じように困っている人が1人でも少なくなればという想いからです。当協会ではすでにのべ2万人以上の方が受講されていますが、当事者のインタビューは数も少なく非常に貴重です。ご協力いただき感謝申し上げます。

Hさんへのインタビュー

児童発達支援士を受講するきっかけ

私は発達障害当事者です。17歳の時に自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)と診断されました。

私は以前、シンガーソングライターをしていました。1人でも多くの方に発達障害への理解をして頂ければ、同じように困ってる方が1人でも少なくなるのではないかと思ったからです。

しかし、お客様から時々ご指摘頂いた言葉がありました。

『あなたは当事者だけど専門家ではないでしょ』

この言葉はずっと心に残っていました。

そして月日は流れ、息子を出産しました。今年5歳になる息子は発達障害グレーゾーンで来年には確定の診断名をつけることができるといわれています。息子は1才10ヶ月から保育園に、3歳からは療育施設にも通っています。息子の通う保育園の先生との話し合いで、視覚支援について意見がわかれたことがありました。私が視覚支援について必要な理由も含めて説明したものの、話は平行線のまま。療育施設の先生が再度説明してくださってようやく園での視覚支援がされるようになりました。

私はここでも『保護者だけど専門家ではない』の壁にぶつかりました。息子の事でも、なかなか話を聞いてもらえず困っていたある日、児童発達支援士の資格があることを知りました。

『よし!発達障害についてしっかり勉強してみよう!』と思い当資格の受講を決めました。

発達障がい児支援をしていて最も辛かったことは

息子は集団生活で全体指示が上手く伝わらず、1人だけ違うことをしたり、興味が違うところへいっていて話を聞いてなくて動けず先生のフォローが必要でした。お友達との距離感も近すぎてよく喧嘩になっていました。力のコントロールが苦手で喧嘩になると手が出てしまい、お友達が怪我してしまうことがありました。

まだ確定の診断名がないため、保育園の先生との話し合いで必要な支援や配慮をしてもらうのが難しかったりしました。息子は頑張れば出来ることが多いため、困ってるのに困ってないように見えます。そのため息子はオーバーワーク状態で帰宅後にぐったりしてることが多かったです。

発達障害に関する知識を習得し何か変わりましたか

私は自信がつきました。

『発達障害のある親』ということで私自身も負い目を感じていたところはありました。

そしてもう1つ。

『資格取得できました!』と息子の保育園の先生にお話ししたら、こちらのお話も以前より聞いて頂けるようになりました。以前は療育へ通っていることに息子も『ぼくダメなの?』となっていましたが、自信をつけた私を見て『ぼく、ありのままでいいんだ!』となりました。

親子で自信が持てました。

ご自身と似た境遇で悩んでいる方に何かアドバイスはありますか?

1人で悩まずに相談してみてください。色々な方の話の点と点を繋げてみると、色々な選択肢が増えて少し心に余裕が出てくるかもしれません。学校・園に配慮や支援をしてもらえない時は、療育の先生や通われている病院のドクターなどからも伝えてもらうとスムーズにいくことがあります。そして、勉強してみることです。全てを解決することは難しくても、悩んでいることを軽くするヒントはあると思います。

発達障がい児の支援を行う上で大切だと感じていることは

『支援の押し付けをしない』ということです。

良かれと思っていても発達障害のある子供達それぞれ困っていることは違います。支援者と当事者がコミュニケーションをとり、困ってること、苦手なことをフォローすることが大切だと思います。何に困っているかを1人1人確認してから、苦手なところをフォローすることが大切だと思います。

そして、支援するためには基礎知識はしっかりと知っておくことが大切だと思います。

【まとめ】私は発達障害の当事者だけど専門家ではない・・・

今回は貴重なお話をありがとうございました。

私はHさんが答えてくださった「『発達障害のある親』ということで私自身も負い目を感じていたところはありました。」という一文が強く印象に残っています。これまで当事者として様々な苦労や悩みがあり、酷い言葉を浴びてきたこともあったことでしょう。そういった不安や恐怖と闘いながら、お子様を育てていらっしゃる。そのうえで児童発達支援士の勉強をするというのは、並大抵の精神力ではできないことではないでしょうか。

ただその後の一文で「親子で自信が持てました。」とありました。とても嬉しい言葉ですね。Hさんの頑張りや生き方をお子様はよく見ていらっしゃって、その姿を見て勇気づけられた。そこに私どもの教材がわずかながらもお力添えできたということを知り、当協会としてもますます頑張っていこう!と士気が高まりますし、自信になります!ありがとうございます。

一人の自信が、息子様に伝わり、当協会にも伝わり、そしてこの記事をご覧いただいた皆様にもきっと伝わっていくことでしょう。このようにして、輪を拡げていくことができれば、きっと今より素晴らしい未来が待っているはずです。子どもたちそして保護者や支援者の皆様が、毎日やりがいと希望を持てるような環境にしていきましょう!

最後までご覧頂きありがとうございます。

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