4月13日に開催された意見交換会の実施報告をさせて頂きます。今回もとても有意義な時間となりました。皆様ありがとうございました。ここで紹介している内容が皆様のお役に立てば幸いです。
意見交換会議事録
ここからは今回の意見交換会の質疑応答時に、実際にお話のあった内容をご紹介していきます。お客様の言葉をほぼそのままの表現で紹介させていただきます。(個人情報保護のため一部表現を変えている箇所がございます)
私は仕事で1対1の個別支援や、全体での療育などを行っています。やはり子どもによって発達の段階は違うため、1対1でやっていたとしてもその時間しかお会いできなかったりしますし、最後まで発達を見届けることができなかったりします。また、全体で一斉にやった場合は子どもによって違うためデコボコなのに同じことをやらせていてこれは意味があるのかなという葛藤を抱えたまま行っています。
皆様が療育にお子様を通わせてみた経験がある方、その療育でよかったことやいらなかったことなどご経験やご意見があったら参考にさせていただきたいので、お話を聞かせていただけるとありがたいです。
回答者A様:息子は34歳になるため昔の話にはなるのですが、息子は産まれた時から癲癇という病気を持っていたため、知的障害を伴い早いうちから病院のST(Speech Therapy:言語聴覚療法)の先生と出会うことができ二歳になる前から療育を始めました。子ども病院へSTで通い、ガラス越しの部屋で先生が行っていることをメモして家に帰ってからも同じように行いました。息子は小学校4年生まで言葉が出なかったのですが、言葉を出すために言葉を教えるのではく、家で出来ることをたくさん教わりました。例えばうがいをすれば「ガラララ」とうがいをしている時の声が出る、手の上に葉っぱを置いてふっと吹くと「フッ」と言葉が出るなどです。他にも小さいことですが口の筋肉が弱かったため、口の周りにご飯粒をつけて、舌ベラで取ることで口周りの筋肉を鍛える、オヤツは柔らかいものでなく噛む動作を行うものにするなど先生から色々な事を教わりました。家で出来ることをたくさん行いました。今思うと無駄なことは1つも無く、それを他のお母さん方にも伝えたり、息子に対して合う療育を聞いたりして全て実践してきました。このように直接教える以外の方法を知ることができたのが良かった点です。
回答者B様:息子が今療育に通っていまして年齢が5歳になるのですが、他の子と比べてできない、難しいということを自覚しだしていて療育ならば出来る、全体ではできないけど1対1なら出来るという点が本人の自信につながっている所が良い点の1つ目です。私が親として思うのは、先程別の方も仰っていましたが色々な方法を見てメモして自分の子どもに合う物のお手本を確認して、行うことができる所が2つ目です。
現在私の子どもが小学校2年生なのですが、普通学級か特別支援学級か今後どうしていくか悩んでいまして、専門家の方は特別支援学級に行ったほうがいいかもしれないと言っています。ですが特別支援学級だとマンツーマンで友達が居ない感じなので、子どもは友達がいっぱい居る中で勉強したいと言っています。できるできないは本人としてはまだ分かっていないため、とにかく友達と学びたいと言っています。皆さんが教育面で今までご経験された、今後こうしていきたいという点でどうされているのかお話を聴かせていただきたいです。
回答者A様:私も1年生でグレーゾーンの子どもや親御さんから相談を受けたり話をしていく中で、次の学年でどうするかなどを相談したりしました。1年生の時に受け持っていた子どもの中ですごく乱暴な子どもがいました。お家の方も支援級に行くという話を聞いていたのですが、よくよく親御さんと話をしたり子どもと話をしていると、子どもが乱暴をするのには絶対に理由があって、その理由を他の子ども達に説明をすると子ども達も理解はしてくれました。ですが乱暴だからということで一回支援級に入ったのですが、発達段階とともにその子の良い所が、その子なりの特徴が出てきて通常級に戻っても他の子どもと上手くやっているという話を聞いています。わりと子どもが小さい時に、子どもが分からないけど自分の中に苦手意識があるというお子さんが、支援級で1対1のトレーニングなどを行って、1年間を通して通常級の子ども達と交流をしていく中で、他の子どもが支援級の子どもの特性を分かって、子ども同士がお互いに認め合い上手くやっていくことができているようです。そのため絶対に支援級ではないといけないという訳ではなく、子ども達同士で普段ずっと一緒にいる中でお互いを知る関係性ができていくこともあると思います。
回答者B様:お話を伺っていると似ている状況なのかなと思いお話をさせていただきます。私は小学校4年生と5年生の女の子が経度の発達障害(ADHD)を持っており、特別支援級に入っています。支援級の体制が市区町村によっても全然違うと思います。先程1対1での支援とお聞きしたのですが、かなり手厚い学校だと思います。子どもが通っている学校では学年に担当の先生が2人であまり普通級と変わりがありません。また、特別支援級の部屋というのもあるのですが、学校の規則として使わないという方針のようで使えない状態です。方針も学校や地区町村によって変わってくるため手厚いと感じました。そもそも療育や特別支援級が何故あるのかを確認していくと、児童発達支援士のテキストにも載っていたと思うのですが二次障害を防ぐためという点があると思います。そこをフォーカスしたほうがいいと私は思っています。なぜかというと長女がとても活発で男の子みたいに活発でいじめられたりとかも無いのですが、喧嘩はたくさんあります。ですが対人関係、1対1のコミュニケーションはすごくスムーズにできますが、自分を含めて3名以上の複数になってくるとストレスを感じるようで小学校3年生の時にうつ病になってしまいました。うつ病になるとIQが100あったのが70まで低下し、ワーキングメモリも60台まで落ちて経度の知的障害と判断される数値まで落ちたこともありました。それを考えると二次障害を防ぐための支援を受けたほうがいいのかなと思っています。
【まとめ】第九回 児童発達支援士 意見交換会の実施報告
いかがだったでしょうか。今回もとても熱い話し合いを行うことが出来ました。今回のテーマは、療育について・支援級についてという二つの議題が主なテーマとなりました。このテーマは四月という時期も相まってとても需要の高いことなのではないでしょうか。案外生の声を聴くことは少ないと思いますので、経験者の話を聞く機会があるというのはとても意義のあることだと感じています。
今後も多くの方に、意義を感じてもらえるような意見交換会を継続してまいりたいと思っています。今後もとよろしくお願いいたします。
今回参加された皆様、ありがとうございました。