【児童発達支援士インタビュー】発達障害と併発した睡眠障害が一番つらかった

当協会が認定する資格、児童発達支援士または発達障害コミュニケーションサポーターを受講された方にご協力いただいている受講者インタビュー。今回は3名のインタビューをご紹介します。この記事の中からきっと多くの学びを得られると思います。是非ご覧ください。

児童発達支援士:Aさん

児童発達支援士資格を受講したきっかけ

息子のことを理解したい一心とサポート方法が全くわからなかったことが一番のキッカケです。もしかすると自分のためなのかもしれませんが……

発達障がい児支援をしていて最も辛かったことは

現時点では漢方により以前より落ち着いてはきていますが、発達障がいに伴う”睡眠障がい(中途覚醒)”が一番辛かったです。 症状がではじめた当初はすでに”自閉スペクトラム症”や”言語発達遅滞”の診断は出ていたものの、睡眠障がいも関連しているとはわからず、ただただ家族みんなが睡眠不足になり気持ちに余裕のなくなる毎日を過ごしていました。

発達障害に関する知識を習得し何か変わりましたか

知識を習得できたことで、考え方や捉え方等がネガティブなものからポジティブへ一気に変わり、なにより気持ちに余裕が持てたように感じています。そして気持ちに余裕が持てたことによって、息子のことをもっともっと理解していきたいです。

ご自身と似た境遇で悩んでいる方に何かアドバイスはありますか?

一人で抱え込まないでください。一人で頑張ろうとしないでください。そして自分を責めないでください。自治体の保健師さん、療育の先生、療育に通っている保護者の方等、味方がいます。まずは抱え込まずに吐き出せる人に吐き出してください。

発達障がい児の支援を行う上で大切だと感じていることは

私の場合にはなりますが、息子の”睡眠障がい(中途覚醒)”で夜中に起きた息子に付き添うことで、睡眠不足が続いておりました。そのときは自分で怖いくらい気持ちの余裕がなくなり、冷静な判断や適切な支援ができていませんでした。支援を行うにあたり、支援を行う側の”気持ち・心の余裕が持てること”はとても大切なんだと改めて感じています。

児童発達支援士:Tさん

児童発達支援士資格を受講したきっかけ

5年ほど前から20代の我が子が攻撃的になり、私は暴言という暴力を長期間受けてきました。なぜ突然攻撃的になったのか訳がわからず、私は家族や友人に相談しましたが逆に説教されました。彼ら彼女らは良かれと思ったアドバイスをしたと思いますが、私は我が子への対応を全否定されたと感じました。私は誰にも頼れず孤立しました。書籍やインターネット等で情報を得る中、もしかして我が子は発達障害を持って生まれてきたのかもしれないと気付きました。我が子を理解したいと思うことが資格を取るきっかけになりました。

発達障がい児支援をしていて最も辛かったことは

辛かったのは乳幼児期の夜泣きです。ありとあらゆる方法であやして寝ついたと思った瞬間起きて大泣きする。ほぼ毎日、就学前まで続きました。私も寝不足になり、日中の家事が疎かになりました。実家は遠方、夫は家事育児に無関心です。1日を過ごすのが精一杯でした。我が子はこだわりが強く遊びや絵本の読み聞かせの時に、私はイラついて大きな声で叱ったことが何度もあります。我が子を愛したいのに愛せない、何かおかしい、やりにくい、こんなに可愛いのになんで?そう思っていても発達障害という言葉に全く繋がりませんでした。誰からも指摘されず、自分もこの子はこういう子なんだと納得しようとして…無知は恐ろしいと思いました。早期に発達障害に気付かなかったことが一番大変なことだったと今になって思います。我が子は現在も不眠症です。とても敏感で繊細な子です。

発達障害に関する知識を習得し何か変わりましたか

生まれ持った特性を無理矢理変えようとすることは何の意味もないことがわかりました。それはやってはならないことです。今まで我が子の生きづらさの原因が分からず、攻撃的な態度は本人の気持ちの問題、わがまま、反抗期だと思ってました。親が根気よく正しいことや常識を伝えればいつか分かってくれると思っていましたが、私は間違っていました。そのことに気付いて我が子を理解したくて学ぶうちに、少しずつですが暴言が減ってきました。二次障害が悪化したのは根底にある発達障害に気付かなかったからだ、特性を知ることでお互いが楽になる方法がありそうだと思えるようになりました。

ご自身と似た境遇で悩んでいる方に何かアドバイスはありますか?

もし何かお伝えするとしたら、「あなたは悪くありません。お子様も悪くありません。」です。これは私がある方に言われて救われた言葉です。幼少期に発達障害に気づかず、私は今まで何をしてきたんだろう、子育ても出来ないなんて自分は価値のない人間だ、家族の為に一生懸命頑張ってきたのに全て無駄だったのだろうかと思い詰めていたんです。完全に自分を見失っていました。そんな時にありのままの自分で良いんだよと言われたことはとても驚きました。今思えば、子供のありのままを受け入れてないのは自分でした。伝える方法が違うんだ、子供を大切に想う気持ちは間違ってないと分かっても自分を肯定することは意外に難しかったです。今も完全には出来てないかもしれません。それでもそんな不完全なママでもいいんだと思い直して過ごしています。今も我が子について理解を深めている途上ですが、一人で頑張り過ぎず、周りを頼りながら子供の自立を見守る親になりたいです。誰かへの励ましというより、自分へのエールになってしまいました。ありがとうございました。

発達障がい児の支援を行う上で大切だと感じていることは

「理解は支援の第一歩」「同じって嬉しい、違うって楽しい」講座で学んだ言葉です。テキストで初めて読んだ時、びっくりしました。そうなんだ、ほんとだ、その通りだと思いました。全人類に当てはまると思いました。大人は子供のことを無意識に自分のフレームに当てはめがちです。思い通りになる子供をいい子、ならない子をを問題児にしがちです。その児がどんなことに関心があり、何に困っているのかを見定めることが大切だと思います。その児の将来がかかっています。私たち大人が思い込みで子供を操作しないように、大人も周りと協力してたくさんの理解のある眼で子供達を観察することが大切だと思いました。また、それが自然に出来るには大人たちが自己肯定感をしっかり持つことも大切だと思います。

児童発達支援士:Yさん

児童発達支援士資格を受講したきっかけ

私自身のこどもが2歳4か月で自閉症スペクトラム症と診断されました。発達外来を受診したきっかけは、「言葉の遅れ」「集団行動に全く参加しない(自分のやりたいことをやりたいときにやりたい場所でする)」「目が合わない」「要求をほぼ全部クレーン現象で伝えてくる」「名前を呼んでも振り向かない」「おもちゃをいろいろな角度から見る」「タイヤを回したがる・タイヤが回るのをずっと見ている」などの様子が気になり受診しました。看護師として働いていたため発達障害について知識は少しありましたが、自身のこどもの子育ての中で『発達障害のこどもとの具体的なかかわり方』などについの知識が不足していると感じました。発達障害についての知識や具体的なかかわり方の学びを深め、子育ての実践で生かせるようにしたいと思い資格を取ろうと思いました。

発達障がい児支援をしていて最も辛かったことは

最もつらかったことは【ママと呼んでもらえない】ことです。「ずっとママって呼んでもらえないのかな?」思うと悲しみがあふれてきて心がつらかったです。悪気はないのは分かっているんですが、周囲の人から「ママって呼ばないね?なんでだろうね?」などと言われると泣きそうになってしまうこともありました。発達外来を受診して臨床心理士の先生から「ママって呼ばないのは、ママが嫌いってわけじゃないの。パパやババのほうがこどもにとって発音がしやすいからパパやババって先に発音できることが多いのよ。だからママが嫌いってわけじゃないから大丈夫よ」と言われた時、診察室で号泣してしまったことがあります。それくらい、【ママと呼んでもらえない】ことはつらかったです。

発達障害に関する知識を習得し何か変わりましたか

発音(構音)トレーニングを学び、自身の子どもと遊ぶ中で舌のトレーニング方法を実践したところ発語が増えました。発語が増えてきたら言葉で要求をしてくれるようになり、クレーン現象がほとんどなくなってきました。舌のトレーニングを一緒にすることで、こどもと過ごす時間も増え、顔を見合わせて笑ったりできるようになってきています。発音(構音)の発達順序を学び、具体的にどのような順序で、何歳くらいにどんな言葉を話すようになるのかの知識を習得できたことで、ことばの遅れに対しての不安が軽くなりました。

ご自身と似た境遇で悩んでいる方に何かアドバイスはありますか?

「この子はもしかして発達障害なんじゃないか?」「いや、でもこの子の性格・気質ってだけじゃないか?」「発達障害だとしたら早めに療育できたほうがいいんじゃないか?」「でも、一度診断されたらこの子の将来に何かしら影響が出てしまうんじゃないか?」「私の妊娠中の過ごし方や子育てがいけなかったのか?」このような思いがずっとぐるぐる心の中をめぐって、とても辛いんではないでしょうか?それに「こどものために何かしてあげたい」と思っても何からすればいいのかわからなくて苦しいという気持ちもあるのではないでしょうか?どうか一人で苦しまないでください。心配事を誰かに話すだけでも気持ちは楽になります。私自身がこどもの発達について心配事を打ち明けて気持ちが楽になった経験があります。誰かに話すと自分の気持ちが整理され「今、私ができることは何か?」が明確になり、一歩踏み出す勇気と行動できる力が湧いてきます。だから、どうか一人で悩まないでください。

発達障がい児の支援を行う上で大切だと感じていることは

発達障がい児のの家族の支援もとても重要だと感じます。「子供のため自分ができることは何でもしてあげたい!だけど、具体的に何をしたらいいか・何ができるのかがわからない」こう感じていらっしゃるご家族の方は多いんではないか?と思います。私自身がそうでした。何をどうしたらいいかがわからないと、障がい児に対して適切なかかわりができなくなってしまい、障がい児も家族も辛い思いをしてしまうことを避けなければならないと思います。ご家族に対して、発達障害についての正しい知識を身に着けられるように発達障害についての情報提供や子どもとの具体的なかかわり方についての振り返りを行っていくことが、発達障がい児の支援のためにも重要だと考えます。

【まとめ】発達障害と併発した睡眠障害が一番つらかった・・・

今回も大変有意義なインタビューをありがとうございました。

発達障害と睡眠障害に関しては深い関係性があるという統計がいくつも発表されています。お子さんに睡眠障害があると、親御さんも満足に寝ることができなくなるケースも多くなります。まとまった睡眠がとれないと精神的に余裕がなくなるという悪循環にも繋がっていきます。

睡眠障害に関しては、医療機関でみてもらうことで、適切な対応を取ることができますので、気になる方は一度相談してみると良いでしょう。

最後までご覧頂き有難うございました!

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