自主性と主体性の違い
自主性とはあらかじめ決められたルールを、誰に言われることなく進んで行動する態度です。それに比べ主体性とは、新しいルールを何らかの目的のために自ら作っていく態度です。子どもの成長の過程でいうと、まずは自主性を身に付けさせることが先となります。自主性が身に付くとだんだんと主体性が持てるようになってきます。
自主性を身に付けさせるには
帰ってきたら、手洗いうがいをする。それが終わったら30分間宿題をする。夜9時になったら歯を磨いて、9時15分までには布団に入って電気を消す。このようなことを自ら進んでできるようになると自主性が身に付いたということになります。
言い換えれば、自主性を身に付けさせるためには、それに先立ったルールが欠かせません。ここで大事なことは、そのルールは親子で話し合い、双方が納得したものでなくてはならないという点です。そしてルールが出来たら、みんなが見えるように壁に貼りだします。できたら自分で記入できるチェック表があると完璧です。
主体性を身に付けさせるには
主体性は自然に沸いてくるものであり、外から身に付けさせることはできません。自主性が身に付いたら、あとは待つしかないのです。しかし、その上で大切なのは普段の会話で、世の中のことに興味を持つようにすることです。
そしてその会話は、相手が親であっても対等な関係性の中で行われ、決して教えようとしたり、結論を与えてはいけません。結論は出さず、親がすべき反応は常に「なんでだろうね」「どうしてだろうね」「君はどう思う」「そうかもね」「それ面白いね」「なるほど」「よくそんなこと気づけたね」「調べてみれば」「難しいね」というような反応を心がけます。
親が知ったかぶりして教えても、知識になるどころか次からは考えようともしなくなるのですからここは「じっと我慢」、絶対に教えないという覚悟が必要です。
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1日1個、答えのない問い掛けをする
世の中はわからないことだらけです。私もこの世のことなど1兆分の1もわかりません。スマホは使っていますが自分ではラジオすら組み立てることはできません。毎日ニュースで放送される事件も出来事も、なぜ起こるのかなんて、実のところは何もわかりません。そんなわからないことを子どもに質問してみるのです。
「どうしてこの事故は起こったのかな」
「どうしたら防げるのかな」
1日1個でもいいのでそのような質問を子どもにするということを習慣にしてみてください。その際大切なのは、自分の意見は一切言わず、子どもの意見に対しても、一切評価しないで、ただ聞くということに専念します。あなたが口を挟まなければ子どもの想像力はどんどん広がり、考える力、そして主体性が身に付いていくはずです。
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自主性・主体性がないのは親の責任?
このように考えれば、子どもに自主性がないのも主体性がないのも、すべて保護者の責任ということになります。自主性を身に付けるための「ルール作り」をしていない。子どもに教える事や批評することばかりに気を取られ、その結果、子どもの発想力や考える力を身に付けるチャンスをつぶしている。頭の痛いことを言うようですがこれは間違いありません。
世の中にはできない子どもは一人もいません。できない親がいるだけです。大変失礼なことを言って申し訳ありませんがこれは事実です。しかし、これは今日から変えることが出来ますから心配しないでくださいね。まずは自覚することが重要なのです。
結論:保護者必見!子どもの主体性を伸ばす日常の工夫とは
親子で話し合い、双方が納得できる「1日のながれ」を作成し、壁に貼る。子どもは自分でチェック表を付ける。守れなかったときは叱るのではなく、「あれ、今ってなんの時間だっけ?」と問いかける程度にしておきます。そしてそれが重なるようなら「ルール変更」を提案します。できないならルールに問題があるのだから一緒に変更の話し合いをします。
まるで会社で会議をするかのようにそれを楽しんでやってみてください。ルールを破って困るのは子ども、親御さんは一切困ることはないというスタンスで接しましょう。そうすることで「自分の問題」であることを自覚するようになります。叱ってしまったら、それは「親御さんの問題」に変わってしまうので注意が必要です。