療育施設利用に関するアンケート調査結果 ③

当アンケートは一般社団法人 人間力認定協会が認定する児童発達支援士または発達障害コミュニケーションサポーターを受講している方を対象に行ったものです。療育施設を利用されたことのある方86名がご協力下さいました。個人情報がわからない範囲でアンケート結果を一部ご紹介いたします。読みやすさを憂慮し、一部原文を変更している箇所もございます。ご理解ください。

>療育施設利用に関するアンケート調査結果 ①
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療育施設利用に関するアンケート

アンケートの基本情報

  • 児童発達支援士または発達障害コミュニケーションサポーター受講者が対象
  • 有効回答件数、86件
  • 記述式による解答
  • 質問事項は以下6つ
    ①なぜ療育施設を利用することにしたのか?
    ②施設選びで意識したポイントは?
    ③どのような療育が施されましたか?
    ④子どもは積極的に通えましたか?
    ⑤療育に通わせたことでどのような変化がありましたか?
    ⑥療育施設利用を成功に導くうえで大切だと感じたことは?

アンケート結果

⑤療育に通わせたことでどのような変化がありましたか?

有り余った力や我慢した感情を安全に発散する場所ができました。本人の理解しやすい方法で友達とのやりとりや、集団での過ごし方を身に付ける事ができました。家族の相談場所が近くにできたので、安心でした。


とても期待してましたが障害を治すということではないので緩い感じに思えました。もっと学習に力を入れてるところがよかったのかなと思うことはありましたが本人が楽しみながら学ぶことが重要だったのだと感じました。


やはり療育を受けることで、専門の先生方や色々な子どもと関わってきた先生、療育を受けた子ども達の様子を見る事が出来たこととその親との交流など(交流は発達センターのみ)親としてネットや本だけでない生の情報を得られる機会があることで、気持ちやこれからどの様に子どもに接していけば良いのか、勉強になることが多かった。それを通じて保育園の先生とのコミュニケーションも取れ、先生方もどう接すれば良いのかが明確になり、子どもも安心して過ごせたと感じる。保育園と療育があったからこそ、今小学校で長い時間過ごす事が出来ていると思う(普通学級と支援学級両方通う)スモールステップではあるが、多動がある中で確実に「◯◯しなければならないこと」に対して取り組む回数が増えた。「△△の時はこうした方が良い」ということも理解出来る様になった。


正直、プラスでしかありません。いきなり言葉が喋れたり、コミュニケーションが上手くなるわけではないけれど、スモールステップで確実に成長しています。子どもの成長はもちろんの事、保護者である私達も日々発見・成長出来ていると思います。


カバンの中の物を出して、箱に出すなど、家ではやらなかったような生活動作を施設では細かくやるため、こんなことうちの子できるんだ、できるようになったんだと思うことが増えました。そして、その動作を家でもできるように、先生とよく情報交換し、習慣化できるようになってきています。


幼稚園と療育施設を並行して通っていました。本人の特性をまず見抜いて下さり、保育所等訪問、3者間ノート(保護者、療育施設、幼稚園)での情報共有などを行うことで、本人の安心する場所が増え、とても効果があったと思います。「お集まりの時には自分の場所にいる」「先生の指示に耳を傾ける」「集団の中でのルールを守る」などが出来る様になるとお友だちの輪の中にも入れるようになり、コミュニケーションを取ることを「楽しい」と感じれるようになったと思います。


何をするにも自信が持てず、「僕できない」と言っていた息子が、療育を受け続けていくうちに、「僕できるよ!」と言って活動に積極的に取り組むようになったことに、一番驚かされました。療育に通ったからといって、自閉スペクトラム症の特性が無くなったわけではないし、苦手なことや生きづらさを感じることは、定型発達の子に比べたら多々ありますが、この自信は経験によって培われたものです。ただ経験するだけではなく、どのように人(先生やお友達)と関わり支援を受けてきたのか、ということも大きなポイントだと思います。療育施設は子どもだけではなく、子どもの発達に不安を抱えている親にとっても必要な場所です。親が一人で抱え込まず、療育先の先生と不安や喜びを共有することで、子どもにも良い影響を与えられると思います。療育を受けることで、子どもだけではなく親にとっても期待以上の効果が得られました。


まずは、療育というものがどのような事かわからない状態でのスタートでした。少しずつ人の話がきけれるようになっていったり、勝手に出掛けたりしないようになってきて、変化が現れました。子どもにもプラスでしたが親にもプラスな面がたくさんありました。ADHDと言われることに最初は抵抗がありましたが、今では同じ悩みを抱えているお母さんの相談にものれるぐらい、療育が大切だということがわかりました。


保育園で困ってることに対しての解決ができればっと思い通ったが、保育園自体が発達障害の子に対して積極的な対応ではなかったため、成果についてはわからなかった。他の同じような障害のお子さんやご両親との情報交換ができて力強かった。


発語と他者とのコミュニケーションが最大の目標でした。個人差が大きい気がします。うちは、息子の母子分離ができない期間が長く(いまだに初めての場所などには拒否があります)療育が上手く進みませんでした。しかし、うちは成人男性が好きだということが分かり、自分が気に入った大人?がいると、懐いて通所が楽になりました。本人が「楽しい」という気持ちや認知できるようになってくると、ドンドン伸びていったきがします。意外だったのが、息子は内反足なのですが、それを気づいたのが言語聴覚士でした、作業療法もやっていたのですが(笑)その道のプロ(保育士、作業療法士、言語聴覚士、理学療法士など)色んな方に関わると新たな発見があるんだなぁと思いました。

⑥療育施設利用を成功に導くうえで大切だと感じたことは?

療育の先生方、通っている幼稚園や保育園などの先生方、保護者の共通理解が大切だと思います。幸いにも子どもが通っていた幼稚園の先生方、今もお世話になっている療育の先生方がとても良くして下さり、今があると思っています。些細な事でも気軽に話せる関係が持てるのが理想です。


人気なところは2年待ちで利用できませんでした。小学校準備の強化プログラムを利用してみたかったです。施設によっては色々な専門的な資格がある方がいるのがメリットだと思いました。保護者に寄り添ってくれるところだとありがたいです。今は小学校にあがりパソコンを用いた施設なのですが、ゲーム目当てになってしまってるような気がしてしまいます。何が成功なのか、わかりませんが学童に入れるのは無理だったので、授業だけでは学習の抜けが沢山あり過ぎるので、少しでも学習ができることがありがたいです。


先生方との信頼関係が大切。また、任せっきりでなく、親も変わって行ければ良いのかなと。同じ障害を持つ親と友達なれるのは、精神的な支えになりました。療育施設の発達指導の先生には、本人だけでなく、きょうだいの相談にものってもらいました。ただ、私の子どもは軽度だったため、重度のお子さんの親との温度差は少ししんどかったです。(お宅は軽度だからいいじゃない的な)


療育施設は、子どもの為だけのものでは無く、保護者も一緒に成長する場所だと考え利用すると、本当の意味でのサポートが出来ると思っています。何か悩みがあったり、療育の内容に疑問があれば、その都度先生(スタッフ)に相談し、頼る事が大切ではないでしょうか。大人同士の気持ちや目指す方向にすれ違いがあると、子どもは混乱してしまうと思うので。そういった意味でも、風通しの良い療育施設選びが重要だと考えています。


迷われているなら、まずは見学をしてみたらいいと思います。集団生活に入れたら、子どもは伸びます。子ども同士の見えない力はあります。定型の子育てでもそうだと思いますが、子育ては1人ではできません。沢山の人を頼るべきです。その分野のプロもいますし、療育施設への通うことでアドバイスや悩み相談もできます。


うちの子の場合は母子分離が難しいので、長時間の利用は嫌がって出来なかったし、情報量の多い療育施設は泣いて嫌がったので、本人のペースに合わせてもらえる所にしました。良かった点は、子どもの出来たを増やして下さった事。悪かった点は、親の家事をする時間が削られ、私が夕方にバタバタしてしまってゆっくりと過ごす余裕がない事。


とにかく見学!子どもの現状や苦手など細かく把握して伝える。体験などがあったり見学会があればみに行くことをお勧めします。それでも良いところや人気のところはすぐに埋まります。新設の施設以外でいつでもどうぞや、短期間に職員が変わるようなところは、それなりの理由があります。あとは衛生管理。このような時代のせいもありますが、もともと衛生管理が杜撰なところは信用していません。衛生管理出来ないところで、個々の細やかなケアができると思えないので。特に未就学児の施設。


療育という言葉に親が過剰になりすぎないように気をつけると良いかと思います。習い事に行くと思って体験にいくなり通ってみるかしてみて、続けるかやめるかを子どもに決めてもらうか子どもの状態をみてきめられれば大丈夫かと。知り合いのお孫さんで療育がうまくいってないかもと思う話を聞きました。親御さんが頑張りすぎているのか、幼稚園のあとは毎日のように療育施設に行っているのに本人の多動や他害がひどくなる一方で最近では母親にも強く噛んだり引っ掻いたりとだいぶ困っている。と聞きました。話を聞いていると親御さんは他害等、子どもの問題行動は障害がさせていてその行動を療育で矯正させる、という考えらしいです。問題行動は心の制御の問題で、脳の障害で制御機能がうまく機能しないから障がい者は普通の人より行動が表面化しやすいものであるので他害により体調や心の不良を訴えているのであれば親御さんが頑張れば頑張るほど子どもが追い詰められて症状が悪化するのではないかと危惧しております。周りをみていても、気楽に構えている親御さんのお子さんの方がうまく療育に馴染んでる気がしますので、あまり療育と言う言葉を気にしない事が良いかなと思いました。


通い続けること。通って1年くらいしてから効果が出てきたと感じるようになりました。先生の異動が多かったり、経験が浅かったりで合う、合わないと感じることもありますが、通い続けないと効果は無いと思います。こどもにとっても幼稚園以外に行くところがあるのも気分転換になるのか良いと感じています。個別療育なので親がこどもに必要なこと、望むことを考え伝えることも大事だと感じました。


療育は子ども本人を矯正するためのものではなく、親が子どもとの関わり方を学ぶところだと考えると良いと思います。担当して下さる先生のことを信頼し、その上で疑問に思ったり上手くいかないことは正直にお話しして、自分も知識を得ながら進めていくと、先生は最強の伴走者になってくれると思います。私は最初、プレイセラピーについて「子どもを遊ばせるだけのために往復3時間もかけて通うの?これ意味あるの?」と思っていました。始まってしばらくはそう思っていましたが、先生と日々の困りごとや出来事を題材にケーススタディとして話し合ううちに、少しずつ知識が増え、対処法の引き出しが増え、子どもとの関わりがうまくいくようになりました。一対一なので、先生も子どもの姿をよく見てくださっていて、私の困り事などをすぐに理解してくださいました。私にとって療育は親のためにあるものだったと思います。

療育施設利用に関するアンケート調査結果 ③

今回は5目の問いと6つ目の問いを紹介させていただきました。これで今回のアンケートに関する情報共有は終了とさせていただきます。
療育施設の利用についての①と②の記事も公開しておりますので、下記よりご確認ください。

>療育施設利用に関するアンケート調査結果 ①
>療育施設利用に関するアンケート調査結果 ②

もっともっとたくさんの情報を頂いておりますので、こちらは児童発達支援士の受講者を対象にどこかのタイミングでご提供できればと考えております。

アンケートに協力いただいた皆様、本当にありがとうございます。支援を輪を拡げていきましょう!

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