2021年8月4日に第二回目となる意見交換会を実施いたしました。今回もこちらでアトランダムに選抜させていただいた方にお集まりいただき会を実施。とても充実した意見交換会となりましたので、その様子をレポートのような形でご報告いたします。
意見交換会とは
意見交換会は、児童発達支援士もしくは発達障害コミュニケーションサポーターを受講して下さった皆様をご招待して開催しています。
2021年7月に初の意見交換会を行い、今回が二回目となります。
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意見交換会の目的は以下の通りです。
- 支援士同士の顔合わせ
- 悩みや成功体験の共有
- 同志とのつながりを感じる場所
このようになっています。同じテキストを学んだ仲間という事もあり、基本的な考え方が比較的近いのがよさでもあります。考え方が似ていると、共感がしやすくそれだけでも気持ちが救われるという方も多くいらっしゃいます。この場では、何が正しいということを問うのではなく、あくまでも「私たちは仲間なんだ」「同じように奮闘している人がこれだけいるんだ」ということを感じてもらうことが大切だと考えています。
それは当協会の基本的な考え方でもある「保護者や支援士の精神が安定していることが子育てにとって非常に重要である」という部分から来ています。支援する側のメンタルが不安定になることで、子どもの自己肯定感を低下させるきっかけがかなり増えると言っても過言ではありません。だから正解を求める場ではなく、顔合わせをして共有できる場としているのです。
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意見交換会で学んだこと
今回の意見交換会も非常に有益なものだったと感じています。今回は男性は1名だけで他はすべて女性という構成でした。皆さんが他者の意見にしっかりと耳を傾け関心を寄せていらしたので、とても有意義な時間となりました。協会としても良い勉強になったことが沢山あります。ここではそのいくつかをご紹介します。
支援士の意識が変わるだけで子どもが変わる
リトミック・ダンスのインストラクターをされている支援士からこのようなお話がありました。
児童発達支援士を学んでから子どもたちの反応が大きく変わりました。具体的に何をどうした?というものではないんですが、自分の目線が変わったというのが一番大きかったと思います。目線が変わったことで、子どものちっちゃな頑張りや変化にも気づくことができるようになり、その結果子どもたちも「見てもらえている」ということを感じてくれた結果、子どもが積極的にこちらの働きかけに応えてくれるようになりました。
このようなご意見でした。このお話というのは、支援士としての最高の形だと思います。というのも、この方のお話で肝となるのは「自分の見かたが変わった」という事なのです。この方は「自分の目線が変わった」という事にフォーカスされています。支援をすることを「相手を変える」「子どもを変えて素晴らしい子にする」と勘違いされている方がいらっしゃいますが、それは違います。
違うというよりもほぼ不可能な事へのチャレンジとなります。そのため「なんでこんなにやっているのにうまくいかないの?」とストレスを感じてしまうことに繋がるのです。支援をするという事はこちらの働きかけや理解を変えることが全てなのです。理解を深めることができれば、この方が感じたように子どもの見方が変わり自身のストレスも減ります。そして余裕を持った状態で子ども一人一人を見ることができる。すると「こういう素敵なところがある!」と見えにくかった魅力に気づくようになるのです。そしてその点を子どもに伝えると、子どもの自己肯定感は高まり、その子どもと支援士は良好な関係が築けるようになる。
まさに支援士としての模範的な回答を頂いたようなお話でした。このお話を聴いていた時の、他の支援士の皆様のお顔を見ていても皆さんご納得・ご理解されていたようで、素晴らしい考え方がまたひとつ広まったことを嬉しく思っています。
子どもを取り巻く環境の重要性
幼稚園のお子様を持つ支援士よりこのようなお話がありました。
年中さんのときの幼稚園の先生は出来ていない点はすぐ叱る。というスタンスでした。その時かよっていた療育施設の先生は、出来るところを伸ばし、できないところをカバーしていくというスタンスでした。特性があるため、療育施設で受けているような指導法を幼稚園の先生にもお伝えしたのですが、なかなかご理解してもらえませんでした。
しかし、年長の時の幼稚園の先生は年中の時とは真逆のタイプの先生でした。いいところをすごく誉めてくれて、出来ないことがあってもすぐに先生が叱るのではなく、周りのお友達ができていない子を正しい行動に促すような空気を作ってくれていました。
その結果毎週毎週どんどん変化があり、子どもも幼稚園が楽しくなり驚くほど変化があったので、周りの対応が変わると大きく変わるんだと強く感じました。
とても貴重な経験談ですね。1つ目にご紹介した「支援士の意識が変わるだけで子どもも変わる」と似た部分もありますよね。今からこのお話を聴いて感じたことをお伝えしますが、私はここで登場している園の先生が間違っていると言いたいのではありません。あくまで一般論としてのお話です。その点をご理解いただいたうえで読み進めてください。
「先生」「講師」「インストラクター」と言われるお仕事をされている方は、当然ですが自分の仕事や指導法に自信やプライドを持っていらっしゃる方がとても多いのです。生徒や保護者から「先生先生!」と常に言われるので、「自分は先生で、人にものを教えられる人間なんだ」と感じてしまうのも無理はありません。私どもも教育業に携わってきた期間が長いのでその気持ちは非常によくわかります。
しかし、時としてそのプライドが邪魔になることがあるのです。「自分は正しい」と思い込んでしまったら学びや成長はそこでストップしてしまいます。教育や子育てに明確な答えがないことを理解をしたうえで、個々人に合わせたベストな対応は何だろう?と常に模索している姿勢が、先生という仕事をしている人に求められる姿勢ではないでしょうか。もし明確な答えがあるのであれば、これだけ科学が進歩した時代ですから、地球上の人類が全員同じレベルでスーパーマンになっているはずですからね(笑)
これから支援をしようと考えている方にとっても、この事例は非常に勉強になる事例だと思います。
発達障害の疑似体験で理解を深める
最後に支援の輪を拡げるために重要な発達障害の疑似体験についてのお話を紹介します。
発達障害に関する理解があまりにも広がっていないということを感じていたので、セミナーを開催した時に発達障害の疑似体験ができる時間を設けました。
1.音読体験
2.手先の不器用さ体験
3.気持ちを伝える体験この体験をしたことで、一般の方々に大変さを経験してもらいました。発達障害を持つ子どもたちは、このような大変さを常に感じながら、毎日の授業や宿題に取り組んでいるという事を理解してもらうことができたと思います。
素晴らしい活動をされていますね。当協会の合言葉でもある「理解は支援の第一歩」ということを実践していただいていることに感銘を受けました。地道ではありますが、こういった啓蒙活動をどんどん進めていくことが重要だと考えていますので、発達障害の疑似体験につきましては、今後当協会でも講演などで実践をしていきたいと思います。
【まとめ】第二回意見交換会の実施報告 発達障害支援の輪を拡げよう!
以上が第二回意見交換会の実施報告となります。
いかがでしょうか?この会は1時間のみという制約があるのですが、このまま数時間続けたい気持ちでいっぱいでした。今回ご参加の皆様は、本当に傾聴力も高く人に関心を寄せることも上手です。素晴らしい支援士がこうやって誕生していることがとても心強く、今後も精力的に動いていこうという気持ちにさせて頂きました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。
今後も意見交換会は毎月開催をしていきます。更には分科会という形で更に深いお話合いができるような場を作ることも検討しています。さらにさらに言うと、スマホアプリの導入も検討しています。皆様のご意見を頂きながら運営を検討しておりますので、一緒に人間力認定協会を作っていきましょう!
理解は支援の第一歩を合言葉に、支援の輪を拡げ、誰もがキラキラ輝く世の中の実現をしていきましょう!
最後までご覧いただきありがとうございました。