障がい者(障がい者)の社員が活躍する職場環境とは

コロナ渦で進むテレワークと地方移住、いま私たちの価値観が大きく変わろうとしています。それは障がい者雇用という点においても大きな変化をもたらしています。これまでは障がい者雇用促進法43条第1項で定められた規定に従い、障がい者雇用は企業の義務とされてきました。しかし今、障がい者雇用が企業経営のメリットして注目を浴びつつあるのです!これまで3万人以上の子どもたちの教育に携わり現在は(一社)人間力認定協会 代表理事の私井上が、今回は「障がい者雇用が熱い!障がい者(障がい者)の社員が活躍する職場環境とは」というテーマでお話いたします。

障がい者雇用の壁とは何か

これまで障がい者雇用(自閉症・ADHD・学習障害などの発達障害を含む)が進まないのにはそれなりの理由がありました。私が考える代表的な理由はふたつあります。

障がい者雇用が進まなかった理由

  1. 障がい者を受け入れるための準備に多額の費用が掛かる
  2. 社内でのコミュニケーションに障害が出やすい

障がい者を受け入れるための準備に多額の費用が掛かる

障害の種類にもよりますが、以前私が経営していた教室でもこれがうまくいかず、採用をあきらめたことがありました。その方は交通事故により下半身の機能を失い、車いす生活をしている方でした。しかし、パソコンの知識は豊富で動画編集もできる、さらに人柄もよくすぐに採用することにしました。

しかし、その方に一番近い教室は玄関前に3段の階段があり、次に近い教室は玄関が車いすの幅に合わないのです。賃貸なのでドアを変えるには大家さんの許可が必要ですし、改装には数十万円の費用が必要でした。さらに車いす用のトイレを設置するのに300万ほどかかります。結局は断念せざるを得ませんでした。その方には本当に申し訳なかったと思っています。

発達障がい者は、社内でのコミュニケーションに障害が出やすい

これは当協会の従業員の話ですが、彼には自力で排泄をすることが出来ないという先天性の障害があります。子どもの頃は学校でいじめにあい、就職した会社でも同じようなことで転職しては退職し、ひきこもりを繰り返していたそうです。

悲しい話ですが、ここで私は「いじめが悪い」という話にはしたくありません。いじめる方も、ただ知らないだけ、私たちが教えていないだけ、そのことによるコミュニケーショントラブルだと考えています。学校や社会で積極的に障がい者を知り、共に触れ合う機会を作らない限りこの問題は決してなくならないと思っています。

 

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障がい者が自由に歩ける都市、サンディエゴ

身体に障害がある場合は通勤が雇用の障壁になるでしょう。電車、バスなどの公共交通機関も含め、トイレや道路の状況など、自分や身内がそうなって初めて気づくのですが、私たちの住む日本は障がい者にとって必ずしも優しい社会とは言えません。

30年程前、アメリカのサンディエゴに語学留学した時のこと、サンディエゴの街の中には障がい者があふれていて本当にびっくりしたのを覚えています。腕がない人、両足がない人など、それを隠すこともなく、普通に生活しているのです。事情の分からない私は、サンディエゴはアメリカ海軍の最大の基地があり、軍の病院もあるので戦争によって障がいを持った人が多くいるのだと単純に思っていました。

障がい者支援が進んでいる国、アメリカ

しばらくいてそうでないことがわかりました。ロサンゼルス(LA)に行ってもサンフランシスコに行っても同じだったのです。つまり、障がい者が多いのではなく、ただ普通に街に出て、普通の生活をしているだけなのです。日本ではどうでしょう。手足を失った人が義手や義足を付けないで表に出ることを、本人たちも、周囲の人たちも避けているように感じます。

障がい者だけでなく、妊婦や赤ちゃん連れにも厳しい日本

私の友人の歯科医師は年に2回は家族で海外に行ってスキューバーダイビングを楽しんでいます。生まれたばかりの赤ん坊を連れてモルディブやパラオを訪れています。私が「小さな赤ちゃん連れて飛行機乗って、ダイビングするなんて大変でしょう」と声を掛けたらその方はこうおっしゃいました。「赤ちゃんを連れていると、国内旅行はどこも大変なんですよね。その点海外はホテルでもデパートでも保育所が完備され、支援が充実していて、いつでも何時間でも見てくれるから安心なんですよ」あれから20年ほどたって、日本も少しだけ近づいては来ましたけどね。

テレワークは障がい者雇用の希望の光

そのような日本で、ようやく障がい者雇用が進みだしたのです。それはズバリ、テレワークの拡がりです。コロナウィルス感染を避けるため、政府と企業は業務のテレワーク化を進めています。いったんこれが進めばコロナが終息した後もこの流れは変わらないでしょう。

テレワークでできるものとできないものの切り分けさえ進めば、できるものはすべてそうする方が企業としても安上がりで済むのですから。身体障がい者にとっては通勤、トイレの障壁から解放されることになりますし、発達障がい者(自閉症・ADHD・学習障害)や知的障がい者にとってはコミュニケーション障害の障壁から解放されるのです。これ以上の障がい者支援、障がい者就労支援はありません。

発達障がい者雇用を促進することで企業は生き残る

コロナで消耗する企業、そんな企業にとって障がい者雇用は生き残るための手段の一つになったのです。テレワークによる障がい者雇用・障がい者支援で企業にもたらされるメリットはというと

障がい者雇用における企業メリット

  • 給与の一部(30%程度)は国が負担するため人件費の圧縮ができる
  • 通勤手当0円
  • 受け入れる設備投資0円
  • 机、いす、パソコンなどの設備投資0円
  • ワークシェアで社会保険料の負担減
  • 企業のイメージアップ

などなど簡単に上げるだけでもこれくらいの効果があります。障がい者雇用が義務ではなく、企業が求める形で実現することが望ましい形です。障がい者にとっては、働く誇りと、社会の役に立っているという幸福感がもたらされる社会の実現が始まっています。

結論:障がい者(障がい者)の社員が活躍する職場環境とは

発達障害(自閉症・ADHD・学習障害・多動性障害)・知的障害・うつ病・身体障がい者が活躍できる職場とは、積極的にテレワークを推進している会社です。そしてそのような会社にはこれまで気づかなかった多くのメリットがもたらされるのです。

人口減少がどんどん進んでいる日本にとって、障がい者雇用、女性の社会進出、シニア人材の活用は避けて通れない命題なのです。人間力認定協会は障がい者雇用を推進しております。児童発達支援士や発達障害コミュニケーションサポーターの資格はそのような社員を受け入れる会社の経営者や担当者にもお勧めの講座です。

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