「発達障害」という言葉には、時にネガティブなイメージが伴うことがあります。しかし、歴史に名を刻む偉人や、現代社会で目覚ましい活躍をされている著名人の中には、発達障害の特性を持っていた、あるいは持っていると言われる方々が少なくありません。
例えば、相対性理論のアインシュタイン、発明王エジソン、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ、アップル創業者のスティーブ・ジョブズといった世界的な偉業を成し遂げた人々。また、日本国内でも、タレントの黒柳徹子さん、ミッツ・マングローブさん、栗原類さん、そして東京海洋大学名誉博士のさかなクンなど、多くの方々がご自身の特性について公表されたり、そうした特性が指摘されたりしています。
彼らは、いわゆる「普通」とされる枠には収まらない、個性的でユニークな特性を持っていたからこそ、常識にとらわれない発想や、驚くべき集中力、そして揺るぎない探求心を発揮し、それぞれの分野で大きな成功を収めることができたのかもしれません。この記事では、発達障害の特性が、どのようにして素晴らしい個性や才能に繋がり得るのか、そしてその可能性を育むために私たちができることについて、一緒に考えてまいりたいと存じます。
発達障がい者(自閉症・ADHD・学習障害)の歴史的偉人は誰?
代表的な発達障がい者の偉人と言えばやはりこの人、発明王トーマス・アルバ・エジソンでしょう。皆様ご存知の通り、現代の文明は彼の偉業によるところが大きく、生涯におよそ1,300もの発明と技術革新を行った人物です。「天才とは1%のひらめきと99%の努力」という言葉はあまりにも有名です。他にもアインシュタイン、ピカソ、モーツァルト、織田信長、坂本龍馬などなど、あくまでも学者による推測ですが、挙げていけば枚挙にいとまがありません。
発達障がい児だったトーマス・エジソン
少年時代のエジソンは学校をわずか3ヵ月で退学処分になるという偉業?を残しています。その辺の話をウィキペディアで見てみると次のように書いてありました。
少年時代のトーマスは、異常なほどの知りたがり屋であった。小学校に入学するも、教師と馬が合わずわずか3か月で中退した。当時の逸話としては、算数の授業中には「1+1=2」と教えられても鵜呑みにすることができず、「1個の粘土と1個の粘土を合わせたら、大きな1個の粘土なのになぜ2個なの?」と質問したり、国語の授業中にも、「A(エー)はどうしてP(ピー)と呼ばないの?」と質問したりするといった具合で、授業中には事あるごとに「なぜ?」を連発し、先生を困らせていたという。そのような好奇心は学校内にとどまらず、ガチョウの卵を自分で孵化させようとして、卵を抱き抱えてガチョウ小屋の中に何時間も座り込んだり、「なぜ物は燃えるのか」を知りたいと思い立ち、藁を燃やしていたところ、自宅の納屋を全焼させるという事件を起こしたりしたこともあった。これらが重なった挙句、最終的には担任の先生から「君の頭は腐っている」と吐き捨てられ、校長からも「ほかの生徒たちの迷惑になる」と言われ、前述の通り入学からわずか3か月で退学することとなった。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
校長先生がエジソンに放った言葉「君の頭は腐っている」はかなり衝撃的です。でもこのようなことは今でも日常的に存在し、子どもたちを大いに傷つけています。場合によってはそのような心無い言葉で子どもの将来を奪うこともあることを忘れてはなりません。
君はポンコツで家族の恥
私の長男が市立保育園に通っていた時「先生がね、ぼくのことおバカちゃんて呼ぶんだよ」と報告してきたときは大変驚きました。
小学3年生の時には、担任の先生から「お前はポンコツだな」とか「お前は一族の恥だ」等々、日常的に罵詈雑言を浴びていたようで、それを聞いていた他の子が保護者に相談し発覚したときは、とても悲しい気持ちになりました。
負の連鎖はネット社会にも
小学校に上がるとこのようなことがあっても子どもは親に相談することはあまりありませんから、子どもへの影響は水面下で進行してしまうことになるのです。
現在、ネット上にあふれる他人への心無い批判の数々。ネット上で他人を批判する人たちも、もしかして幼少期にそのようなものの被害者であったのかもしれないと思うのは私だけでしょうか。
発達障がい児への「心無い言葉」の被害は甚大
見た目がほかの子と変わらない発達障がい児(自閉スペクトラム症・ADHD・学習障害)への心無い言葉の被害は想像以上に甚大です。体に不自由があれば見てわかります。ただし発達障がい児は見た目では全く分からない。そこに悲劇が生まれます。
「なんでできないの?」「ずるしてるよね?」「反抗しているの?」「努力がたりない!」「根性がないんだよ!」「やる気がないね!」「バカなの?」などなど、、、
子どものセルフイメージを左右する心無い言葉
そのような心無い他人の示唆や言葉が、その子のセルフイメージを形成していきます。これが厄介なのです。何も理解していない他人の不用意な言葉がわが子の性格を決定しているのです。
発達障がい児はマイナーだからいじめられる
発達障がい児(自閉スペクトラム症・ADHD・学習障害)はいじめや差別の対象になる確率が高いのです。それは必然的に起こる比率の問題だと私は考えています。発達障がい児の比率は全体の8.8%と言われています。その他が92%ですから発達障がい児は少数派ということになります。いわゆるメジャー(多数派)なのかマイナー(少数派)なのかの問題です。
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多数決がいじめを引き起こす!?
学級委員を決めるにも、政治家を決めるにも、なんでもかんでも多数決。多数決で決まったものは、なんとなく正しいような気がして誰も反対できない世の中なのです。多数決とは主に、どうしても意見がまとまらないときの最後の手段として用いられているのですが、最初から選挙のように多数決で決めるものもあります。
多数決の結果を正しいとする判断は、多数派が正しいという容易な結論につながります。このことが少数民族への弾圧が終わらない原因であり、いじめがなくならない原因なのだと私は思います。
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B型とAB型は変人?
日本人の血液型の比率はA型、O型、B型、AB型の割合が4 : 3 : 2 : 1となっています。つまり、A型とO型を合わせると全体の7割を占め多数派となり、B型とAB型を合わせて3割なので少数派ということになります。このことから日本では2割のB型は「自分勝手」と言われますし、1割のAB型は「変わり者」と言われるのです。
A型 ■■■■
O型 ■■■
B型 ■■
AB型 ■ (全体の10%)
「発達障害」か否かは多数決できまる!?
発達障害の判定も、私は同じようなものだと考えています。多数派を正しいと捉えれば、少数派は正しくないということになる。だから少数派は多数派に近づくように努力しなさいって言われているようなものなんです。発達障がい者は10%前後だと言われているため少数派となります。そのために変わり者というレッテルを貼られてしまうのです。
特性を活かすために必要なこと
発達障害のある方々が、その特性を素晴らしい個性や才能として開花させるためには、いくつかの大切な要素があります。それは、ご本人の努力はもちろんのこと、周囲の人々の深い「理解」と温かい「サポート」、そしてその方の特性に合った「環境」です。
「普通」という画一的な枠に無理やり押し込めようとするのではなく、一人ひとりの「違い」を個性として尊重し、その子が持つ「得意なこと」や「好きなこと」を見つけ出し、それを存分に伸ばせるような関わり方が求められます。歴史上の偉人たちも、もしかしたら周囲にそのユニークな特性を理解し、応援してくれる人がいたからこそ、その才能を大きく花開かせることができたのかもしれません。
子どもの可能性を信じること
もし、ご自身のお子さまが発達障害と診断されたり、そのような傾向が見られたりした場合、保護者様としては大きな不安を感じられるかもしれません。しかし、どうか悲観的にならないでください。
大切なのは、お子さまの特性を正しく理解し、その子ならではの「輝き」を見つけ出し、それを大切に育んでいくことです。「みんな違って、みんないい」のです。一人ひとりが持つ個性こそが、その子の未来を豊かに彩るかけがえのない宝物なのではないでしょうか。
お子さま一人ひとりの「輝き」を育む、専門的な視点とは
この記事を通して、発達障害の特性が、見方や関わり方次第で素晴らしい個性や才能となり得る可能性について触れてまいりました。歴史上の偉人たちがそうであったように、お子さまが持つユニークな特性を理解し、それを強みとして活かせるような環境やサポートがあれば、その可能性は無限に広がっていくことでしょう。
しかしながら、保護者の皆様や、子どもたちと関わる方々の中には、「具体的にどのように理解を深めれば良いのだろうか」「この子の持つ特性を、どうすれば才能として伸ばしてあげられるのだろうか」と、日々の関わりの中で模索されたり、悩まれたりすることも少なくないかと存じます。
そのような時、当協会が認定する「児童発達支援士」の学びが、皆様にとって大きな支えとなり得るかもしれません。
児童発達支援士は、まさにこの記事でテーマとなっているような、お子さま一人ひとりの発達の特性を深く理解し、その個性を尊重しながら、持てる力を最大限に引き出すための専門的な知識と具体的な支援スキルを体系的に学びます。
例えば、「うちの子のこの強いこだわりは、将来何かに繋がるのだろうか?」「この落ち着きのなさを、どうすれば創造力や行動力に変えてあげられるだろうか?」といった、保護者様ならではの疑問や願いに寄り添い、専門的な視点から具体的なアプローチ方法を共に考え、実践していくことを目指します。
児童発達支援士の学びは、アインシュタインやエジソンのような偉人たちが持っていたとされる特性が、どのように彼らの偉業に繋がったのか、その背景にあるかもしれない「理解ある関わり」や「特性を活かす環境づくり」について、現代の子どもたちへの支援という形で具体的に探求していくものです。
発達障害の有無にかかわらず、すべての子どもたちは、計り知れない可能性を秘めています。その貴重な可能性の芽を丁寧に見つけ出し、自信を持って未来へ羽ばたけるようサポートするために、児童発達支援士としての専門性を身につけることは、お子さまにとっても、そして支援する側にとっても、非常に意義深く、やりがいのある一歩となることでしょう。
【まとめ】世界を変えた天才は発達障がい者(自閉症・ADHD・学習障害)が多い
発達障害は決してネガティブな側面ばかりではございません。その特性は、見方を変え、適切なサポートがあれば、他の誰にも真似できないような素晴らしい個性や才能として輝きを放つ可能性を秘めています。
大切なのは、一人ひとりの違いを認め、その子らしさを尊重し、可能性を信じてサポートしていくことです。
この記事が、発達障害のあるお子さまや、そのご家族、そして子どもたちの成長に関わる全ての方々にとって、少しでも前向きな気持ちや新たな気づきを得るきっかけとなれば幸いです。
そして、もし「子どもたちの持つ無限の可能性を、専門的な知識とスキルをもって最大限に引き出したい」「一人ひとりの個性に寄り添った温かい支援を届けたい」と強くお感じになるようでしたら、ぜひ当協会が認定する児童発達支援士の資格取得をご検討いただけますと幸いです。お子さまの未来をより豊かにするための専門的な学びと実践の道が、そこに開かれています。
ご興味をお持ちいただけましたら、当協会のウェブサイト等で詳細をご確認ください。