ラインケアを検索すると、たいてい「部下を観察するためのリスト」が出てきます。この記事のチェックリストは、そちらではありません。点検する相手は、部下ではなく自分の対応です。
先にお断りしておきます。このチェックリストは、部下を評価したり監視したりするためのものではありません。診断のためのものでもありません。印の数で管理職としての優劣が決まるものでもありません。
使っているのは、厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」が管理監督者への教育研修・情報提供として挙げている11項目です。研修で扱う内容の一覧なので、そのままでは点検の設問になりません。「知っているか」「できているか」の形に組み直して掲載しています。
結論も先に書きます。指針は、管理職を「ケアする側」であると同時に「ケアされる側」としても位置づけています。部下を支える話だけでは終わりません。
ラインケアという言葉そのものと、上司がやらなくていいことの線引きは、別の記事で整理しています。
ラインケア チェックリスト|管理職が自分の対応を点検する
指針6(1)イ「管理監督者への教育研修・情報提供」の11項目を自己点検の形に組み直したものです。部下についてではなく、自分について答えてください。
- 自分の職場のメンタルヘルスケアの方針を、部下に説明できる
- 職場でメンタルヘルスケアを行う意義を、自分の言葉で言える
- ストレスとメンタルヘルスの基礎知識を、ひととおり学んだことがある
- 心の健康問題に対して、管理職としてどんな態度で臨むかを考えたことがある
- 仕事量・裁量・人間関係など、職場の環境を見直す方法を知っている
- 部下から相談を受けたときの、話の聴き方を身につけている
- 情報提供や助言のしかたを、聴くことと分けて考えられている
- 休業した部下の職場復帰を支援する手順を知っている
- 産業医・保健師など、事業場内のスタッフと必要なときに連携できる
- 事業場外の資源(地域産業保健センターなど)につなぐ方法を知っている
- 事業場内の相談先と、事業場外の相談窓口の情報を手元に持っている
- 部下の健康情報を誰にどこまで伝えてよいかを知っている
- 自分自身のセルフケアの方法を持っている
合計点も、基準の個数もありません
合計点も基準個数もありません。当協会が設けていないのではなく、元の資料にもありません。13個中10個できていれば十分、という読み方はできません。
また、印がつかなかった項目は管理職個人の不足とは限りません。指針はこの11項目を、事業者が管理監督者に教育研修・情報提供として提供すべきものとして挙げています。「相談窓口の情報を手元に持っていない」のは、多くの場合、渡されていないからです。つかなかった項目は、会社に求めてよいものの一覧でもあります。
結果を、部下や他の管理職と比べない
部下に見せて答えさせる、他の管理職と数を比べる、研修の到達度として集計する——どれも想定された使い方ではありません。自分ひとりで見るためのものとして使ってください。
役割①|気づく
指針はラインケアの中身を「職場環境等の把握と改善」「労働者からの相談対応」「職場復帰における支援」として示しています。ここからは、この3つに「気づく」を加えた4つに分けて短く見ていきます。
手がかりは、パンフレットが挙げる「いつもと違う」部下の様子10項目です。要点は2つ。基準は他の部下ではなく、その人自身の普段であること。そして10項目がすべて勤怠・業務・見た目に収まり、内面に踏み込んでいないこと——上司の位置から観察できる範囲に合わせて作られています。
そして病気の判断は管理監督者にはできないと、パンフレット自身が書いています。10項目と気づいたあとの動きは、別の記事で整理しました。
>部下のメンタル不調のサイン|他人と比べず、その人の普段と比べる
役割②|相談を受ける|聴く技術は、指針の外側にある
指針が聴き方について書いているのは、次の一文だけです。
その方法として、積極的傾聴法があります。人の話を聴く基本となる技法の一つです。
「あります」で終わっています。中身は研修に委ねられている、という構造です。この点と、聴く姿勢の土台にあたる「かかわり行動」の4つは、部下のサインの記事で扱いました。
ここでは、その先にあるものを扱います。アレン・E・アイビイのマイクロカウンセリング技法における「基本的傾聴の連鎖」の4段階です。
| 段階 | 部下との面談での具体 |
|---|---|
| クライエント観察技法 | 言葉だけでなく、表情・姿勢・声の変化を見る。話が止まった場所、言いよどんだ話題を覚えておく |
| 閉ざされた質問・開かれた質問 | 関係ができていない段階では閉ざされた質問から入り、様子を見ながら開かれた質問を織り交ぜる。「最近どう?」から始めない |
| はげまし・いいかえ・要約 | 「それで?」と促す。相手の言葉を整理して返す。ひと区切りついたところで「ここまでは〜ということですね」とまとめる |
| 感情の反映 | 出来事ではなく、そこにあった気持ちのほうを返す。ただし相手が使った言葉をそのまま使う(「悲しかった」を「つらかった」に置き換えない) |
管理職の面談で崩れやすいのは3段目です。相手の言葉を整理して返すのが「いいかえ」、こちらの結論を足すのが助言。助言が悪いのではなく順番の問題で、聴ききる前に助言へ移ると、そこで話が終わります。
なお、これらが働く前提として、この技法は「かかわり行動」という土台を4つ挙げています(視線・身体言語・声の質・言語的追跡)。こちらは前の記事で表にまとめました。
上司は、カウンセラーではありません
聴く技術の話の次に出てくるのが「では、上司がカウンセリングをすればいいのか」という問いです。答えははっきりしていて、そこは目指さなくて構いません。
対人援助には「二重の関係性」という注意点があります。支援する側とされる側が、配偶者どうしや職場の上司とその部下といった別の関係も同時に持っている状態です。医療行為のように禁止というわけではありませんが、この関係でカウンセリングを行うことは難しいとされています。
理由は具体的です。被支援者の強いストレスの原因が支援者である上司の側にある場合、カウンセリングをしても成果は得られません。それどころか、ストレスを増幅させたり本質を見誤ったりする可能性が出てきます。部下が抱えているのが業務量や評価の問題であるほど、決定権を持つ人が聴き手になることの限界は大きくなります。
これは、指針の言っていることとぴったり重なります。パンフレットが求めているのは、管理監督者が話を聴いたうえで産業医のところへ行かせる、あるいは管理監督者自身が産業医のところに相談に行く仕組みを職場に作っておくことでした。上司の役割は、解決することではなく、つなぐことです。
ただし、例外があります。円滑な人間関係を構築する目的や、コミュニケーションスキルを高めるための練習を目的としたものであれば、二重の関係性を気にする必要はありません。
つまり、上司が身につけるとよいのはカウンセリングそのものではなく、聴く姿勢のほうです。役割②の4段階も、面談の技術というより普段の会話の質として持っておくものだと考えてください。
役割③|職場環境を整える
4つの役割のうち管理職がいちばん直接動かせるのがここです。声のかけ方は相手のあることですが、仕事量や役割の分担は決められます。
厚生労働省のパンフレットは、働きやすい職場の条件としてNIOSH(アメリカ国立労働安全衛生研究所)が挙げる7つの視点を紹介しています。以下は、同パンフレットが紹介しているNIOSHの指摘です。
| 7つの視点 | 自分の職場で確かめること |
|---|---|
| 仕事量と作業ペース | 過大も過小も避け、量に合わせてペースを調整できているか |
| 勤務形態 | 働く人の生活に合わせた配慮がなされているか |
| 役割と責任 | 誰が何をどこまで持つのかが明確か |
| 将来と昇進の見通し | この先どうなるのかが本人に見えているか |
| 人間関係 | 職場でよい関係が保たれているか |
| 仕事の意義 | 意味が示され、その人の技術が活かされる設計になっているか |
| 意思決定への参加 | 決める場に加わる機会があるか |
7つのうち過半が「量」ではなく「見通し」と「関われるかどうか」である点に注目してください。忙しさそのものより、役割が曖昧で、先が見えず、決める場に入れないほうが効いてくる。残業時間だけを見ていると、この4つは視野に入りません。
役割④|職場復帰を支える
パンフレットには、上司の気持ちに触れている珍しい箇所があります。要旨はこうです。
「復職した以上きちんと仕事をしてほしい」と考えることは、気持ちとしては自然である。けれども、数か月にわたって休業していた人に、いきなり発病前と同じ質・量の仕事を期待するのは無理である——そう書いたうえで、復職者が「職場では自分はどう思われているのだろうか」「うまく適応できるだろうか」「また悪くなるのではないだろうか」と心配しながら出社していることを挙げています。
そして「上司は自分をわかってくれている」と感じることができれば、復職者の職場での緊張は大幅に軽減されるとし、その関係が同じ職場の他の部下たちの緊張も和らげる、と続きます。
読みどころは、上司の気持ちを「自然である」と認めてから書いていることです。期待してしまうこと自体は否定せず、期待の水準を戻す速さのほうを問題にしています。
受け入れ側の準備と、業務量を戻していく順番は別の記事にまとめています。
>休職からの復職を受け入れるとき|受け入れ側の準備と再休職を防ぐ視点

>休職から復職までの流れ|立場と段階で次にやることを案内します
ラインケアは、4つのケアのうちの1つ

指針は、職場のメンタルヘルスケアを4つに分けています。ラインケアはそのうちの1つです。
| 4つのケア | 担い手 |
|---|---|
| セルフケア | 労働者本人。管理監督者も対象に含まれます |
| ラインによるケア | 管理監督者 |
| 事業場内産業保健スタッフ等によるケア | 産業医、保健師、衛生管理者、人事労務など |
| 事業場外資源によるケア | 地域産業保健センター、精神保健福祉センター、外部EAPなど |
指針は、管理監督者がラインケアを担う理由をこう書いています。
管理監督者は、部下である労働者の状況を日常的に把握しており、また、個々の職場における具体的なストレス要因を把握し、その改善を図ることができる立場にあることから、職場環境等の把握と改善、労働者からの相談対応を行うことが必要である。
理由は「立場にあることから」です。専門性があるからではありません。日常的に見ている・環境を変えられる位置にいるから任されている。ここを取り違えると、管理職が専門家の役をやろうとして無理が出ます。
管理職も「ケアされる側」です
指針のセルフケアの項に、こう書かれています。
また、管理監督者にとってもセルフケアは重要であり、事業者は、セルフケアの対象者として管理監督者も含めるものとする。
「含めるものとする」という書き方です。望ましい、ではありません。ラインケアの記事の多くはこの一文に触れませんが、管理職はケアする側であると同時にケアされる側でもあるというのが指針の立て付けです。
チェックリストの最後に「自分自身のセルフケアの方法を持っている」が入っているのは、そのためです。部下のためのリストの末尾に、自分の項目がある。ここは削れません。
支える側と支えられる側は分かれていない|146人のデータ
メンタルヘルス支援士に申し込んだ146人に、受講前に尋ねた「受講した動機」(複数回答)です。
- 身近に精神疾患または症状がある方がいる(過去にいた)から……86人(58.9%)
- 現在の仕事に活かせると思ったから……85人(58.2%)
- 子育てに活かせると思ったから……49人(33.6%)
- 自身に精神疾患または症状がある(過去にあった)から……45人(30.8%)
- 就転職時に活かしたいと思ったから……38人(26.0%)
1位と2位が僅差で並んでいます。そして「身近に」と「自身に」の両方に印をつけた方が26人(17.8%)いました。支える側と支えられる側は、きれいに分かれていません。「管理職もケアされる側」の根拠は指針の記述ですが、データの側もそれと矛盾しない形をしています。
職種では、医療・福祉業53人、教育業・学習支援業30人。両方を選んだ方が3人いるため、対人援助職の実数は80人(54.8%)です。
お断りしておきます。146人に「管理職かどうか」を尋ねた設問はありません。受講者の何割が管理職かを示すことはできません。次に紹介する受講後アンケート248件からの抜粋も、管理職の声として集めたものではなく、回答者の多くは学校や保育、福祉の現場で働く方です。原文のまま掲載し、省略した部分は(前略)(中略)(後略)と記しています。
ボーダーラインパーソナリティ症、鬱、自閉スペクトラム症を患う子供と、その対応に振り回される妻を少しでもフォローできるスキルを身に付けたかったのですが、二重の関係性でのカウンセリングは難しいと4章で知ってから、少し意欲が削がれてしまいました。
会社の中で、チームのモチベーションの維持・向上に役に立てれば良いか、とも考えていますが、最終的には医師に任せる必要があるかもしれず、効果は分かりません。
50代の方の回答です。総合評価は「やや不満」でした。家族を支えたくて学び始めたのに、二重の関係性という考え方を知って意欲が削がれた——率直な指摘なので、そのまま載せています。
この記事は、まさにここに答えようとしています。二重の関係性が言っているのは「関わるな」ではなく、「カウンセラーの役を引き受けるな」です。この方が続けて書いている「チームのモチベーションの維持・向上に役に立てれば」——公式テキストが例外として認めているのは、まさにその使い方です。円滑な人間関係を築く目的なら、二重の関係性は気にしなくてよい。削がれた意欲を戻す先は、そちらにあります。
自分自身や周りで精神を病む状況が多く、周りのメンタル不調が自分に影響することも多々あります。そんな時に、メンタルヘルス支援士を受講した故に「何とかしてあげたい」と今以上になる気がしているので、支援士がどういうメンタルでいたらよいか、どう接することが望ましいかなど、自分を守る方法も充実していると良いと感じました。(後略)
40代の方の回答です。学んだために「何とかしてあげたい」が強くなるという指摘で、支える技術を持つほど抱え込みやすくなるという構造です。管理職にもそのまま当てはまります。自分を守る方法もほしいという要望は、指針が管理監督者をセルフケアの対象に含めていることと同じ場所を指しています。
仕事している中で問題行動がある方に対し、「発達障害じゃない?」という言葉を聞きます。診断はされていないのに、何か問題が出ると簡単にこのような判断を差別的にされる事が辛いです。(後略)
50代の方の回答です。職場での話として書かれています。知識が増えると、当てはめたくなる。「部下を評価するものではありません」と最初に書いたのは、この方向に転びやすいからです。点検するのは、あくまで自分の対応のほうです。
(前略)近づくと暴れる、唾を顔にかけるなど他者への攻撃もあり関わり方を関係者で相談しました。(中略)そこで、入れ代わり立ち代わり付いていたのを担当者を一人に絞り観察していると、どこに隠れてしまうかどんな時かなど色々と見えてきました。(中略)その都度、担任や療育関係者と相談しながらスモールステップで取り組んだ結果、進級するころには普通にみんなと一緒に教室で学習が出来るようになりました。(後略)
50代の方の回答です。学校での子どもへの支援の話であり、職場の話ではありませんが、進め方は参考になります。関係者に相談し、担当を絞って観察し、その都度また相談する。一人で決めていないという点が、役割①〜④に共通する形です。
(前略)自信を持って接することが出来るので、私自身の気持ちも軽くなり、笑顔でのんびりと子供の行動を受け止めることが出来ました。(中略)私自身の気持ちも余裕ができて子どもへの対応にも自信が持てるのでケアをする側にも大きな安心をくれる資格であり学習でした。(後略)
40代の方の回答です。教材の「量」「質」への評価はいずれも「普通」でした。こちらも子育ての話であって職場の話ではありませんが、ケアをする側の気持ちが軽くなったという順序が書かれています。知識は相手のためだけでなく、持っている側の余裕にもなる。管理職がセルフケアの対象に含まれている理由も、ここに近いところにあります。
メンタルヘルス支援士について
ここまで、ラインケアの4つの役割と、管理職が自分の対応を点検するチェックリストをご紹介してきました。
こうした理解と合わせて、部下を持つ方や人事の担当者、支援の現場で働く方々の間でも、メンタルヘルスを学ぶ動きが広がっています。
当協会が認定する「メンタルヘルス支援士」は、精神疾患の基礎知識、大人の発達障害、認知行動療法、傾聴を中心としたカウンセリングの基本姿勢などを、体系的に学べる民間資格です。厚生労働省の指針が「積極的傾聴法があります」とだけ書いている部分を、公式テキストの第4章では、かかわり行動の4つと基本的傾聴の連鎖として具体的に解説しています。2026年には「日本の資格・検定AWARDS 2026」の総合アクセス数部門で第2位に選ばれました。
資格の有無が支援の基準になるものではありませんし、資格を取れば診断ができるわけでもありません。日々部下と関わる方が専門的な知識を身につける選択肢の一つとして知っていただけたらと思います。
Q&A|ラインケアに関するよくある質問
Q1:チェックリストは、何個つけばラインケアができていると言えますか?
基準はありません。当協会が設けていないのではなく、もとになっている指針にもありません。この13項目は、指針が管理監督者への教育研修・情報提供として挙げている11項目を点検の形に組み直したものです。診断でも評価でもありません。つかなかった項目は、これから知ればよいこととして見てください。
Q2:このチェックリストを、部下に答えさせてもいいですか?
いいえ。点検の対象は管理職自身の対応です。部下に答えさせると、答え方が評価に影響しうる関係のなかで回答を求めることになります。また、印の数を部下や他の管理職に伝えたり、研修の到達度として集計したりすることも、想定された使い方ではありません。
Q3:部下の様子から病名が思い浮かんだときは、どうすればよいですか?
本人には伝えないでください。厚生労働省のパンフレットは「病気の判断は管理監督者にはできません。これは、産業医もしくはそれにかわる医師の仕事です」と明記しています。伝えるとよいのは病名ではなく、気づいた具体的な事実のほうです。「今月に入って遅刻が3回ある」のように、解釈を混ぜずに書き留めてから、産業医や人事に相談してください。
Q4:産業医がいない職場では、ラインケアはどこまでやればよいですか?
管理職が代わりを務める必要はありません。指針は4つのケアの1つとして「事業場外資源によるケア」を挙げています。地域産業保健センターは労働者数50人未満の事業場を対象に無料で相談に応じており、都道府県・政令市の精神保健福祉センターは関係者からの相談も受け付けています。記事末の「参考・相談先」にリンクを置いています。つなぐ先を知っていること自体が、チェックリストの項目の1つです。
Q5:管理職である自分がしんどいときは、どうすればよいですか?
指針は「管理監督者にとってもセルフケアは重要であり、事業者は、セルフケアの対象者として管理監督者も含めるものとする」と書いています。管理職も相談してよい立場です。パンフレットも、管理監督者自身が産業医のところに相談に行く仕組みを職場に作っておくことを求めています。部下の相談先と、自分の相談先は、同じでなくて構いません。社内で話しにくければ、外部の窓口を使ってください。
まとめ|部下ではなく、自分の対応を点検する
- ラインケアは4つのケアのうちの1つ。管理監督者が担う理由は専門性ではなく、日常的に見ていて環境を変えられる立場にあることから
- 指針は管理職を「ケアされる側」にも数えている。「セルフケアの対象者として管理監督者も含めるものとする」
- チェックリストの点検対象は、部下ではなく自分の対応。個数で判定せず、部下に答えさせず、他の管理職と比べない
- つかなかった項目は、会社に求めてよいものの一覧でもある。指針は11項目を、事業者が管理監督者に提供すべきものとして挙げている
- 役割①気づく……基準は他の部下ではなく、その人自身の普段。病気の判断は管理監督者にはできない
- 役割②相談を受ける……指針は「積極的傾聴法があります」で止まっている。中身は基本的傾聴の連鎖の4段階。崩れやすいのは「いいかえ」が「助言」に変わるところ
- 上司はカウンセラーにならなくていい。上司と部下は「二重の関係性」に当たり、ストレスの原因が上司の側にある場合は成果が得られない。ただし円滑な人間関係を築く目的なら気にしなくてよい
- 役割③職場環境を整える……NIOSHの7つの視点のうち過半は「量」ではなく見通しと、関われるかどうか
- 役割④職場復帰を支える……「きちんと仕事をしてほしい」と思うこと自体は自然。問題は期待の水準を戻す速さ
本記事で紹介している情報について
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 情報の性質 | チェックリストは、厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」6(1)イ「管理監督者への教育研修・情報提供」の11項目をもとに、管理職の自己点検用に構成したものです。原文をそのまま並べたものではありません |
| 権威の帰属 | もとになっている11項目は厚生労働省の資料に基づきます。当協会は引用者であり、厚生労働省の監修・認定・推奨を受けたものではありません |
| 原典 | 厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(平成18年3月31日 健康保持増進のための指針公示第3号、改正 平成27年11月30日 同第6号)/解説パンフレット「職場における心の健康づくり」。リンクは記事末の「参考・相談先」に掲載しています |
| チェックリストの目的 | 部下を評価・監視するためのものでも、診断のためのものでもありません。管理職が自分の対応を点検するためのものです |
| 一次情報の性質 | 一般社団法人 人間力認定協会「メンタルヘルス支援士 受講前アンケート」および「同 受講後アンケート」より抜粋 |
| データ取得者 | 一般社団法人 人間力認定協会 |
| 調査期間 | 受講前アンケート:2025年2月27日〜2026年7月25日/受講後アンケート:2025年3月8日〜2026年8月20日 |
| 有効回答数 | 受講前146件/受講後248件 |
| 設問 | 「性別」「年代」「職種(複数回答)」「受講した動機(複数回答)」「自由にメッセージをお願いします」ほか |
| 分析方法 | 受講動機8分類・職種10分類の単純集計。いずれも複数回答のため、割合の合計は100%を超えます |
| 注意点 | 146人に「管理職かどうか」を尋ねた設問はありません。この記事で紹介する受講者の声は、管理職の声として集めたものではありません。示せるのはどんな立場の人が学びに来ているかだけです |
| 一般情報の出典 | 上記の厚生労働省資料。職場環境の7つの視点は、同パンフレットが紹介するNIOSH(アメリカ国立労働安全衛生研究所)の指摘。傾聴の技法はアレン・E・アイビイのマイクロカウンセリング技法 |
| 注意点 | 本記事は診断・治療を目的としたものではありません。受診の要否についても断定していません |
【注意事項】
この記事のチェックリストは、厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」6(1)イの11項目をもとに、管理職の自己点検用に構成したもので、原文をそのまま並べたものではありません。部下を評価・監視するためのものでも、診断のためのものでもありません。当協会は引用者であり、厚生労働省の監修・認定・推奨を受けたものではありません。
部下の心の健康に関する情報を、人事評価・配置・処遇の判断に用いないでください。指針は、心の健康に関する情報を理由とした不利益な取扱いとして、①解雇すること ②期間を定めて雇用される者について契約の更新をしないこと ③退職勧奨を行うこと ④不当な動機・目的をもってなされたと判断されるような配置転換または職位(役職)の変更を命じること ⑤その他の労働契約法等の労働関係法令に違反する措置を講じること——を、事業者が行ってはならないものとして挙げています。
印の数を部下や第三者に伝えないでください。本人や第三者に病名を当てはめて伝えることも避けてください。心の状態や必要な支援は一人ひとり異なり、一律の正解はありません。本記事は診断・治療を目的としたものではなく、受診の要否を判断するものでもありません。気になる状態が続く場合は、産業医・事業場内産業保健スタッフ、または医師・専門機関・お住まいの地域の相談窓口にご相談ください。当協会は医師による監修を受けていません。


