第十二回 児童発達支援士 意見交換会の実施報告

7月6日に開催された意見交換会の実施報告をさせて頂きます。今回もとても有意義な時間となりました。皆様ありがとうございました。ここで紹介している内容が皆様のお役に立てば幸いです。

意見交換会議事録

ここからは今回の意見交換会の質疑応答時に、実際にお話のあった内容をご紹介していきます。お客様の言葉をほぼそのままの表現で紹介させていただきます。(個人情報保護のため一部表現を変えている箇所がございます)

質問者

A様にお聞きしたいのですが、ご自身がASDで今デイサービスで働かれてるとお聞きしたのですが、5年生の息子がASDなのですがまだ本人には伝えておらず、理解しているかどうか分からないのですが、自分がどういうタイプでどういう診断をもらっていて、この先どういう人生を送っていくかなどをまだ話せていません。どういったタイミングで伝えたり、どういう所を注意してあげたら本人は自分の道を自信を持って歩んでいけるのかをアドバイスいただけたらなと思っています。

回答者A様:私は今、ASDという診断になっているのですが、小学校3,4年生の頃はADHDと言われていました。中学校1年ぐらいの頃に伝えられました。自分の中では察しがついていて、明らかに普通ではないというのは分かっていました。そのため言われてもショックを受けたり、嬉しいと思ったこともなく、やっぱりそうだったんだ、という感じでした。その後中学校では、特別支援学級に3年間通い、高校は普通学級で3年間過ごしていました。正直な所でいうと、その子によって状況が違うのですが、5年生ごろになると自分と周りが違うというのが分かってくると思います。ですので、いつ教えればいいんだろうと考えるのではなく、子どもが知りたがってる時に教えるのがいいんじゃないかと思います。自分と同じく教えてもらえなくても障害だと気付いている場合もあります。その子が周りと何か違うんだという話がもし出ればその時でもいいんじゃないかと思います。その後の人生は、私は私がやりたいと思ったことをやらせてもらっていたので、色々なハードルがあるかとは思いますが、出来る範囲で子どもがやりたいと言ったことなどをやらせてみてください。やっていくと挫折を味わう時もあると思いますが、その時はお子さんが悪い訳ではないことを伝えてあげれば、そこまで二次障害も出ずに支え合っていけるのではないかなと思います。


質問者

今小学校3年生の息子がいるのですが、担任の先生から4月頭から立て続けに連絡が入っている状況です。小学校1年生から通常学級に所属していて、週に1回通級で支援をする教室に行っています。その事も引継ぎなどで今の担任の先生にもされてると思うのですが、3年生に上がったとたんすごく連絡が増えて、落ち着きがない、友達とのトラブルが増えて困っていますなどの状況を報告されています。学校でこういう風にしていきますとかは無くて、投薬を相談してみてもらえませんか?と言われました。児童精神科にも月1回通っていて、担任の先生からこういう事を言われたと伝えたら、児童精神科の先生には投薬は必要ないので他の支援でできることがあるので、それを担任の先生に伝えてくださいと言われました。皆さんのお子さんが小学生の頃は担任の先生とどのようなやり取りをされてきたのかを知りたいです。

回答者A様:私の子どもは今中学2年生です。小学校4年生の時に、いろんな意欲が無くなってしまって、担任の先生から通級などの支援学級のお試しがあるのですが行ってみませんか?とお誘いを受けて通いだしました。そこで通級担当の先生と連絡帳を利用してやり取りをしています。どちらかというと担任の先生よりは、通級の先生と密なやり取りを取っている形になっています。言葉のきつい先生がいて、あまり発達障害に対して理解のない先生で、子どもからマイナスの言葉などが出た時など困った事があった時は、通級の先生に報告や相談をするようにしています。そうすると通級の先生から担任の先生に連絡が行き、色々掛け合ったり他の教科の先生に連絡が行ったりしてうまく回っています。経験から言うと通級を利用する前はやはり担任の先生からちょくちょく連絡があったのですが、通級の先生とやり取りを始めてからは連絡が無くなり、子どもも大分落ち着いています。そのため通級担当の先生を頼ってみるのはどうでしょうか?

【まとめ】第十二回 児童発達支援士 意見交換会の実施報告

今回も様々なお話が出てきました。専門家ではない学校の先生が投薬を勧めるという事は本来あってはならないことだと言えます。だからといってこの先生が悪者という事ではありません。教育現場でさえも発達障害についての認識や考え方がブレブレなことが一番の問題だと言えるでしょう。教育現場に明確な指針がないためその場の感情がそのまま保護者にむかってしまう。このようなことが発生しているだと思われます。

当協会では「理解は支援の第一歩」を合言葉にしているのですが、本当にこのことが大切です。理解があれば、それだけで救われる保護者・当事者・先生方が沢山いらっしゃることでしょう。現在1万5千名を越える方が当協会の資格講座を受講して下さっています。まだまだ多い数字とは言えませんね。社会を変える、子どもや保護者のの環境を変えるにはまだまだ支援の輪を拡げていかなければいけません。

そのためには皆さんのご協力も必要不可欠です。皆でこの輪を拡げていきましょう!

今回ご参加いただいた皆様ありがとうございました。

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