当協会が認定する資格、児童発達支援士または発達障害コミュニケーションサポーターを受講された方にご協力いただいている受講者インタビュー。今回は3名のインタビューをご紹介します。この記事の中からきっと多くの学びを得られると思います。是非ご覧ください。
児童発達支援士:Nさん
児童発達支援士資格を受講したきっかけ
小児歯科で歯科衛生士として働いており、発達障害のお子様が多く来院されるため、なにかお手伝いできることはないかと考え受講を決意しました。元々、兄弟に自閉症の者がいるため、私自身幼い頃から障害の子供に対する理解はありました。しかし、他人のお子様となると信頼関係もできていない分、コミュニケーションの難しさを感じることも多く、学生時代に障害者歯科という分野を15コマ分習ったのですがまだまだ学びが足りていないなと感じていたため、児童発達支援士の学習をさせていただきました。
発達障がい児支援をしていて最も辛かったことは
言葉が通じないこと。その子供の年齢に合った話し方をしても全く意思疎通が取れず、、、今でも日々臨床の場で悩んでいます。その子の好きなものや、生活のルーティンなどを理解しようと心掛けていますが、診療時間30分の中ではなかなか信頼関係は構築されません。1日に大体1.2人は発達障害の子どもが来ますが、お子様それぞれ個性が異なる分、同じ日本語なのにも関わらず、言葉の壁は大きく感じます。児童発達支援士の資格勉強で学んだことを活かしていきたいと考えております。
発達障害に関する知識を習得し何か変わりましたか
まず1つ、保護者の方との会話がうまくできるようになりました。今までは保護者の方のお悩みに傾聴して一緒に悩むのが正解なのかな、見ず知らずの人間にとやかく言われたくないだろうなどと考えてあまり積極的にお話しできませんでしたが、最近は資格取得者であると待合室に書いてあるため、堂々と保護者の方とお話しできるようになりました。保護者の方のお悩みを聞いたうえで、「じゃあこのような方法でいきませんか?」と提案できるようになりました。
ご自身と似た境遇で悩んでいる方に何かアドバイスはありますか?
私もまだまだ未熟ですが、お子様を信じて、周りの人(職場の先輩など)のサポートを受けながら生活できればいいな、と思います。私の場合は少し特殊ですが、医療従事者の方や保育士さんなどであれば周りに頼れる先輩がいらっしゃると思うので、一人一人のお子様の特性などを分析して周りの大人が「どのようにこの子の未来に寄り添って生きていけばいいのか」を日々考えてあげる必要があるのではないかと思います。生きづらい子どもの未来を変えられるのは大人だけなので。
発達障がい児の支援を行う上で大切だと感じていることは
むやみやたらに怒らないことです。パニックを起こすお子様も多い中で、怒ることで一生のトラウマを与えてしまうこともあるでしょう。発達障害のお子様は場面場面の記憶をかなり覚えているので叱りつけることは危険です。自分の子どもだと怒ってしまうこともあると思いますが、まずは私たちが落ちついてゆっくり教えてあげることが大切だと思います。その中で、「これがダメだったね」「じゃあ次はどうしたらいいかな?」と大人も一緒に考えてあげる必要があると思います。
児童発達支援士:Nさん
児童発達支援士資格を受講したきっかけ
息子は2歳から保育園に入りましたが、初めは言葉の発音、タ行やサ行が上手に出来なく違和感がありました。年齢が上がるにつれて保育園の行事を見に行くと運動会、音楽会などぼーっと立っていたり、参観日も同じ事が出来てない様子を見て園の先生に私から相談して療育まで繋がりました。小学校に入る前からも園と学校と療育施設の先生との連携を取りながら一年生では通常級で過ごす事になり様子を見ながら2年生で発達検査をする事になりました。一年生で勉強の面で文字が読めない書けない、宿題したくない、落ち着きがない、こだわりが強い、お友達と上手に遊べない、癇癪が酷い、チャイムの音が怖い色んな事が入学して出てきました。私自身も本を読んだりしていましたが2年生になり支援級に入る手続きをして発達検査でADHDと診断を受けた事がきっかけで息子の困り事を助けたい気持が強くなり資格を取って一番の理解者になりたいと思い受講しました。また同じ困りを持ってる子供達をサポートする仕事をしたいからです
発達障がい児支援をしていて最も辛かったことは
辛い気持ちを分かってあげれなかった時、言葉で伝えたくても時間が掛かる本人の気持ちを聞くまでに癇癪で暴れて兄弟、私にも叩いて蹴ってくる物を投げる倒すので、落ち着かせる事に一時間以上は掛かっていました。お勉強の面では一年生の間は宿題の量を減らして頂いて、先生にも配慮頂いて、家では文字は私が薄いペンで書いた上から息子がなぞり書く、本読みは音読をして聞かせながら後に続いて読ませ、算数は絵やシールを使いで数を分かりやすくして一緒に頑張ってきました
発達障害に関する知識を習得し何か変わりましたか
知識を得た事で息子の困りが理解できる様になって、支援級の先生が話している事も意味が分かるのが嬉しく、更に連携支援が深くなりました。息子はADHD.ASD.LDが重なって全ての特性を持ってる事、感覚過敏も出てきました。お薬に頼るのは私が嫌だったのですが、かかりつけ医と相談しながら処方してもらい、今はお薬は気休めと考えながら息子に寄り添う気持ちに私が変われたから癇癪が凄く減りました、自分の気持ちも話してくれています。学習面もデイジー教科書を使えるよ~にしてもらい、ゆっくり文字を打ちが出来る様になってきて読める平仮名も増えてきました。
ご自身と似た境遇で悩んでいる方に何かアドバイスはありますか?
私もたくさん悩み誰かに相談する事も1歩引いていた時がありました。一人で悩む時間って無駄だったと今なら思います。勇気を出して自分から関わりを作って周りの方の意見を聞いて胸の内を言う事は大切だと思います。今目の前の悩みがスッキリしたら、次はその先の事に子どもが将来どの道を歩みたいか、その選択できるレールを引いてあげてどの道を選んでも安心できる環境を。小さい内に必ず1つは得意な事を秘めてると思うので、それを見極めて伸ばしてあげる事が将来にも繋がると思います
発達障がい児の支援を行う上で大切だと感じていることは
笑顔や声のトーン最初の印象が大切だと思います。初めての場合なかなか人に慣れる事が難しい子も居てるので、程よい距離感で質問形式で子供達の事を聞いて教えてもらいながら、自分自身の事も伝えてコミュニケーションを図り日々の生活で得意な面は更に伸ばして自信をつけて不得意な面は一緒に考え、行動し、無理なくできる範囲で運動、勉強、日常面、少しでも出来たら誉めるを繰り返し自信をつけてあげる事子供が楽しいと言ってくれる事、笑顔で過ごせる環境作りが大切だと思います。
児童発達支援士:Aさん
児童発達支援士資格を受講したきっかけ
以前より音楽の仕事に携わっていましたが、その中で出会ったのが障がい児リトミックでした。深く学びたいと考えているうちに、こちらの児童発達支援士の資格をみつけました。そんな時、我が子にも発達障害がある事がわかり、我が子を含め、子ども達の気持ちがもっと深く知りたいと思うようになりました。
発達障がい児支援をしていて最も辛かったことは
自閉スペクトラム症・場面緘黙の息子は、小さな頃から集団の中や幼稚園に通う事が難しく、毎朝何時間もかけて通園する事が大変でした。小学生になった今も大変で、母子で挑戦の日々です。
発達障害に関する知識を習得し何か変わりましたか
知識をもって、息子の事を他者に伝えられるようになった事が一番の強みになりました。学校の先生にも、今の状況や、これからの要望等、きちんと伝えていく事で、息子が少しずつ不安な状況から脱して行けるように感じています。
ご自身と似た境遇で悩んでいる方に何かアドバイスはありますか?
自分の子どもに発達障害があるのと、ないのとでは、障がい児に対する見方や接し方が違うと感じています。仕方のない事ですが、現実に辛い思いも悲しい思いも沢山していくと思います。私はそんな偏見を無くしたい、大人にも子ども達にも少しでも理解してもらいたい、その為にこういった支援の輪を広げていきたいと思っています。理解してくれる人は必ずいます。助けてもらうことで心が救われる事も必ずありますので、自ら発信する事もとても大事だと思っています。
発達障がい児の支援を行う上で大切だと感じていることは
子どもたちの症状や気持ちは、本当にその時々によって違うのだと、日々実感しています。なにより、どんな状況であろうと、今を安心して過ごしてもらえるような寄り添い方をしていきたいと思っています。
【まとめ】発達障がい児の保護者と自信をもって話せるようになりました!
今回も貴重なインタビューをありがとうございました。
ここでご紹介している受講者は、当協会の認定支援士にお申込みいただいている方となります。資格の学習だけにとどまらず、さらなる知識の獲得や支援活動を積極的に行っていらっしゃる方々です。その意識の高さには頭が下がります。今後も共に支援の輪を拡大していきましょう!
最後までご覧いただきありがとうございました!