発達障がい児を育てる保護者にお勧めの書籍[天才肌な発達凸凹っ子の育て方]

本日は株式会社 誠文堂新光社様から献本いただきました「天才肌な発達凸凹っ子の育て方」という書籍についてのレビューをさせて頂きたいと思います。献本という形ではありますが、レビュー内容の指定は当然受けておりませんので、発達障害の資格を認定する専門機関としての目線でレビューを書かせていただきます。

天才肌な発達凸凹っ子の育て方

まずは書籍の基本情報を紹介させていただきます。

  • 書籍名:天才肌な発達凸凹っ子の育て方
  • 著 者:南雲 玲生
  • 監 修:後藤 健治
  • 定 価:1,760円(税込)
  • 発売日:2024年8月16日
  • 出版社:株式会社 誠文堂新光社

「発達凸凹っ子の個性や才能をそのまま育んで 好きな仕事に就けるようになって欲しい」
そんな思いを形にした放課後等デイサービスから生まれた発達障害児へのサポート術を本にしました!
進学校や芸大などに続々送り出す支援のプロが導き出した、特性を才能に変えるために新発想アドバイスが満載!

当事者でもある発達障害児支援のプロ直伝!
ADHD、ASDそれぞれの特性に合わせた才能の引き出し方、問題解決の方法を紹介します。
「こうして欲しかった」「このアドバイスがよかった」など今高校生、大学生の当事者たちの生の声も収録。
発達凸凹を「治す」のでなく「活かして伸ばす」指南書です。考え方や接し方のコツはわかりやすく漫画で解説しました。
読後は「むしろ発達障害でよかった!」と思え、悩んでいるお母さんの気持ちがポジティブになります!
現在高校生、大学生の当事者親子による本音体験談も必見です。

株式会社 誠文堂新光社のWEBページより引用

書籍を読んだ感想

それではこちらの書籍を読んだ感想を紹介させていただきます。まずは箇条書きで感じたポイントをまとめましたので、下記をご覧ください。

  1. イラストがあることで難しさが緩和されている
  2. 特性を前向きに捉え、今後どうしていくべきかを考えるきっかけとなる
  3. 対話形式の当事者インタビューがリアルで参考になる

あまり多くなってもわかりにくくなってしまいますので、上記3点にまとめて紹介をさせて頂きます。

イラストがあることで難しさが緩和されている

発達障害の知識を得ようと思った時に皆さん感じることが「専門用語やASDといった略語が沢山出てきてわかりにくい」というものです。この書籍でも当然専門用語は使われていますが、各項目の最後にはテーマに沿った物語を漫画で紹介されています。(上記画像で紹介したような形式です)

この漫画があることで、「あー、そういうことね!」と、それまでなんとなく読み進めていた内容のニュアンスがはっきりと理解できるように構成されています。

日本と言えば「マンガ・アニメ」と言われるほど、文化に根付いているため、私たち日本人としては学びやすい、理解しやすいという点はとても良い点だと感じました。

特性を前向きに捉え、今後どうしていくべきかを考えるきっかけとなる

この本は、発達障害の超入門編というよりは、最低限のことは知っている方に向けたものと言えるかもしれません。当然、初めて発達障害に関する書籍を読む方でも有益な一冊であるのですが、私が特にお勧めしたいのは、子どもの特性を受け入れたうえで、今後どのような働きかけをしたらいいの?接し方をしたらいいの?と考えている方です。

発達障害の診断前の方や診断直後の方は、「天才」という言葉に敏感になってしまうことがあります。巷でも「発達障害=天才」という安直な表現をしている方がいます。でも、保護者の立場にしてみれば、日ごろの家庭生活や学校生活で苦しんでいるのに、いきなり「天才」というのは飛躍しすぎていて、嫌悪感を抱かれる方が少なからずいらっしゃいます。

しかし、診断を聞いた後、少し時間がたっていくと、保護者のメンタルも徐々に変わっていきます。将来のために今何ができるのか?ということを冷静に考えることができるようになります。このタイミングの方に、この本はとてもお勧めなんです!

自閉スペクトラム症やADHDの特性を理解した上で、あらゆる可能性を見出そうとしてくれる内容となっています。なぜこのような内容なのか、それは著者の南雲玲生さん自身がADHDの診断を受けているからなのです。南雲さんはゲームクリエイターや作曲家として活躍されていましたが、事業で困難にぶつかり辛い日々を送るようになったと言います。そんな時に病院でADHDだと診断を受けたのです。しかし、そこからADHD全開でやっていくと気持ちを切り替えてから事業や人生が良い方向に動き始めたと。

このような経験をされているからこそ「ADHDの特性をこう活かした!」「この特性をこう使えばプラスになる」ということを強く伝えられるのでしょう。それが「天才」という書名にも繋がっているのだと理解できました。多くの方にお勧めできますが、冒頭でも述べたように、「今後どのような働きかけをしたらいいの?」と前向きに考えている方に特にお勧めできる一冊です。

対話形式の当事者インタビューがリアルで参考になる

書籍の4章では当事者や保護者へのインタビューがつづられています。

私としては、この項目がとても価値があり読みごたえがあるなと感じました。成功事例を紹介しているのですが、そこまでに至る紆余曲折が非常によくわかる内容となっています。このようなリアルな情報を見ることで「今は辛いことが多いけど、うちの子もこの書籍で紹介されている子のようになれるかもしれない」と希望を抱くことができるでしょう。

成功した部分だけではなく、辛かった時期の詳細はまだまだ情報が不足しているのが現状です。そういった意味でも、このインタビュー内容はとても有益だと感じました。

【まとめ】発達障がい児を育てる保護者にお勧めの書籍[天才肌な発達凸凹っ子の育て方]

いかがだったでしょうか。今回は株式会社 誠文堂新光社から献本いただいた書籍「天才肌な発達凸凹っ子の育て方」の紹介をさせて頂きました。

発達障害に関する情報に限ったことではありませんが、現代のような情報が溢れる時代では、さまざま書籍や情報を見たうえで、自身で取捨選択することが重要だと考えています。きっとこの一冊で救われる方もいらっしゃることでしょう。

理解は支援の第一歩!

共に支援の輪を拡げていきましょう!

最後までご覧いただきありがとうございました!

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