4月8日に開催された意見交換会の実施報告をさせて頂きます。今回もとても有意義な時間となりました。皆様ありがとうございました。ここで紹介している内容が皆様のお役に立てば幸いです。
意見交換会議事録
ここからは今回の意見交換会の質疑応答時に、実際にお話のあった内容をご紹介していきます。お客様の言葉をほぼそのままの表現で紹介させていただきます。(個人情報保護のため一部表現を変えている箇所がございます)
ご自身も以前、緘黙症(かんもくしょう)だったということでM様に対して質問です。今、緘黙症の双子の女の子が入塾してくださっているのですが、彼女達とコミュニケーションを取るために、どういった点で注意をすればいいのか、どういった形で彼女達が意志を表現してくれるようになるのかなどを聞きたいです。
回答者:本人とのコミュニケーションの取り方としては、無理矢理に話させるのは本人の強いストレスになってしまうので、出来るならメモ帳や電子パッドを使うといいのかなと思います。また、こまめにコミュニケーションを取るようにするには、付箋にその子がこうしてほしいと書いた物を渡せるように近くに置いておき、誰でもいいから渡してねと伝える方法がいいのかなと思います。
発達障害っぽいなという子がいた時に、発達障害と診断をされずに普通に生活をしていくというのは難しいんでしょうか?必ずしも診断を受けないといけないのでしょうか?もし、お考えがある方がいらっしゃいましたらお話をお聞きしたいです。
回答者:私はその子が生活をしていく中で、多分どこかのタイミングで苦しくなる時が来るのではないかと思います。私の娘のことで診断を受けにいこうと幼稚園の先生に相談をしたら、もうちょっと様子を見てはどうですか?と言われ、かかりつけの小児科医の先生にも同じように様子を見ましょうと言われました。他のママ友にも聞いてみると普通に見えると言われていました。ですが、娘は何かあった時の癇癪が酷すぎるため、いくらなんでも幼稚園児でも無いのではないかと思い、市の発達支援センターに相談をしに行きました。その時はちょっとその傾向がありますねという程度で、集団生活に入れてしまえば慣れで追いつくのではないか?と言われていました。そこで私が検査に行かなければ、診断をされずにそのままずっと育っていたのかと思うのですが、小学校に入る時に普通級にするのか、支援級にするのか、支援学校にするのかで随分悩みました。この時も本人の状況や、本人なりの集団生活の中でどういう風に対応をしていくのかなど色々考えました。娘は言葉がまだ上手く話せなかったので、とても辛そうにしている様子でした。幼稚園の集団生活の中でもなんとかついて行ってる、でも辛いという事が本人には分からないので上手く伝えることができていませんでした。これが分からずに検査もせずに生活していくとなると、どこかで苦しくなる時があって、本人が傷ついてしまうのではないかと思います。
回答者:私の子どもが成人するまで普通に大学まで卒業しているので、学習障害など分かりやすい症状が無い場合は、気付かずに過ごしちゃうこともあるのではないかと思います。先程のお話のように本人が辛くなる場合もあれば、父親側が発達障害を認めたくないというケースもよくあり、そのまま過ごしてしまってお子さんが辛くなる場合もあります。症状にもよると思いますが、分からずに過ごしてしまうことはあると思うので、気になることがあるなら相談してみる。ちょっと話がずれてしまいますが、相談窓口など行くべき所が明確になっているといいなと思いました。私の子どものように気付くことが無く、就職してから仕事がうまく出来ずに睡眠障害になってしまい、おかしいなと思って病院に行ったら発達障害だったということもあるので、なるべく早く気付くことができれば療育などを受けたりして良い方向へ進むこともできると思います。ですので小さい頃に主治医などが居ると気軽に相談しやすいのではないでしょうか。
発見が早ければ、症状が無ければそのまま成長していってしまうという話もありました。どこが苦手なのか、自分にとっての難しい点が分かっていれば対応もできるのではないかと思います。私が見ている子は幼稚園児や保育園児で、自分は分からないのですが、その子は困っている。でも親御さんが認めたくないという点が多くいらっしゃいます。このような親御さん方には、どのようにアプローチをしていけばいいのか、どんな事を分かってあげればいいのかなどありましたらお聞きしたいです。
回答者:私は割とすんなり受け入れた訳ではないのですが、対応を何か考えないといけないと思って勉強をしました。先程お話を聞いていて、男性側である旦那はまだ受け入れられてません。また、夫の母親も話は理解できているが受け入れてはいませんでした。受け入れる受け入れないというのは、その人の考え方もあるのですごく難しいと思います。ただ、こればっかりは周りがどうこう言ってもしょうがないので、親御さんが子どもとしっかり向き合うという意味で考えていけばいいのかなと思っていて、「受け入れなさい」ではなく「お子さんを見てあげてください」「お子さんと向き合ってください」のほうが良い場合もあるのではないでしょうか。私はこう言ってもらってからそういうことかと感じて、この行動はこういう理由でなってるんだと理解をしてきました。
【まとめ】第十九回 児童発達支援士 意見交換会の実施報告
今回も貴重なご意見をありがとうございました。
保護者としてのどぅしていけばよいのかという切実な悩みがありましたが、経験されている方からの経験談で道が見えてくるようなケースも見られました。障害名は同じでも、子どもひとりひとりは大きく違い個性があります。そのためどれが正解かという一点だけを求めるのではなく、少しでも効果的なものは何かないかと模索する姿勢が重要だと考えます。
そのためにもさまざまな経験を見聞きすることは非常に重要です。これからも意見交換会を通じて、支援の輪を拡げてまいります。