今回は、児童発達支援士の受講者に限定してい公開している「療育エピソード」サイトから一部を皆様にも共有をさせて頂きたいと思います。
療育エピソードとは
まず療育エピソードというのは、当協会の認定資格(児童発達支援士・発達障害コミュニケーションサポーター・SSTスペシャリスト)いずれかを受講されている方に、これまでの療育に関する経験談や体験談を募ったものになります。テーマはこちらで決めさせていただいており、本日時点で下記のようなテーマにて募集をしてまいりました。
- 療育施設利用に関するエピソード
- 「困った」を乗り越えた成功エピソード
- 通級・特別支援級・特別支援学校に関するエピソード
- ADHD児の投薬に関するエピソード
- カサンドラ症候群に関するエピソード
- 子どもの二次障害に関するエピソード
それぞれ多数の投稿を頂き、百を超えるエピソードを頂戴しております。ただし療育エピソードの専用サイトは受講者専用となっているため、受講されていない方には公開していません。ご了承ください。
今回紹介するテーマ
今回一部紹介させていただくテーマは「通級・特別支援級・特別支援学校に関するエピソード」とさせていただきます。こちらのテーマに関する投稿は非常に多く頂いており、悩んでいる方も多いですが、その分利用された経験者の声も多くなっております。判断に悩み、決断するには勇気がいる分野となりますので、こちらで様々な事例を見て頂き、判断の参考にして頂ければと思います。ただし、当然ではありますが、当協会として「通級を利用すべきである」逆に、「利用すべきではない」ということを伝える目的で用意したものではありません。当方としてはフラットな立ち位置で、あくまでも受講者から頂いた体験談を紹介しているにすぎません。最終判断はご自身でしっかりとするように心がけてください。
通級・特別支援級に関するエピソード
事例1
Q1.通っているのは通級・支援級・支援学校どれですか?
通級
Q2.通い始めたのは何年生からですか?
小学3年生
Q3.通級や支援級、支援学校の利用を決断した理由は何ですか?
周りの子達と学習の面で差があると感じた。
Q4.子どもには通うことをどのように伝えましたか?またその反応は?
勉強を出来るとこからする学級があってそれに行って勉強するよと伝えた。本人はあまり理解はしていなかった。
Q5.実際に通わせてみて良かったと感じる点はありましたか?
本人が通級に通うようになって、通級教室自体は楽しいと言っていてそこでしている勉強は上手く理解しこなしているなと感じました。
Q6.逆にあまり良くなかったことや後悔していることはありましたか?
現時点では通級に通わせて良くなかったことはないです。
Q7.迷っている方にアドバイスするなら、何を伝えたいですか?
認めたくない・隠したいと思っている親子さんもおられると思いますが、お子さんの事を考えて子どもに合った教育をしてもらえるので考えてみてもいいと思います。
事例2
Q1.通っているのは通級・支援級・支援学校どれですか?
特別支援級
Q2.通い始めたのは何年生からですか?
小学5年生
Q3.通級や支援級、支援学校の利用を決断した理由は何ですか?
通常級にいたが、気持ちのコントロールが難しく、特に怒りのコントロールに反応が強く、部屋を飛び出したり二階の教室から飛び降りようとしたりしていたので。また、学力についても遅れが見られたので。(担任は、注意が多くなるからと、一学期後半から一番うしろの席に置き、何をやっていても知らん顔という状況でした)
Q4.子どもには通うことをどのように伝えましたか?またその反応は?
お試しで、支援級に行ってみよっかと声をかけた。支援級には友達もいたのでそんなに、嫌がらずいけた。
Q5.実際に通わせてみて良かったと感じる点はありましたか?
お試しで4年生の途中から行ったが、支援の必要な子に対しての対応に柔軟な先生だっことで、本人の頑張りも受け止め、そこから本人と相談しながらステップアップしてくださったので、本人もトラブルも少なく、穏やかにいけた。落ち着きを取り戻し、学習についても前向きになった。
Q6.逆にあまり良くなかったことや後悔していることはありましたか?
本格移行のときに、担任がかわり支援についての資格を持つ先生が赴任したが、軍隊のような押し付けばかりが目につき、子どもの思いや頑張りを認めることのない教育が続き、友だちが無表情になり全身蕁麻疹になってからは、息子も登校拒否を起こすようになった。また、交流授業で、その時間に制作があったが、授業数が足りないからと見学だけさせて、実技はやらせず交流授業でみんなが作ったものを渡されたときに自分たちはなく、抗議したが、逆に怒られ更にいろいろなことに怒りを出すようになり、登校拒否がひどくなったり、早退も増えた。
Q7.迷っている方にアドバイスするなら、何を伝えたいですか?
じっくり考えたほうが良い。公立校では教師の異動もあるので、その年が良くても翌年がた崩れということもある。しっかり学校側と連携を取り、子どもの尊厳を守ってくれるか、細かな調整をとれる体制なのか確認しながら学校と話し合ってほしい。要望、願望だけを伝え強要するのはオススメしません。どちらも一方的では子どもに害がおよぶので。最悪の状況のとき、教頭、教務、校務の先生方とじっくり現状を話すことができたので、こちらの思いと学校の対応も、共に前に向けることができた。
事例3
Q1.通っているのは通級・支援級・支援学校どれですか?
特別支援級
Q2.通い始めたのは何年生からですか?
小学1年生
Q3.通級や支援級、支援学校の利用を決断した理由は何ですか?
・子供本人が、人数が少なく落ち着いた環境の中で過ごしたいと望んだため。
・親目線として、子供が幼稚園生の時に通っていた療育先で、日によって小集団(4~5名)でも活動が難しく感じることがあったため。
※活動が難しいと感じた理由→教室の中に入ることができない。入れても、床に寝そべったり、机の上に伏せたりして活動に参加できない。そのため、個別にサポートが必要であると感じた。(個別であれば落ち着いて活動ができる)
Q4.子どもには通うことをどのように伝えましたか?またその反応は?
子供に「人数が多い場所(普通級)と少ない場所(支援学級)どちらで過ごしたい?」と聞いたら、迷わず「少ない場所!」と答えた。
Q5.実際に通わせてみて良かったと感じる点はありましたか?
普通級ではそうはいかないと思ったことも、先生が個別に手厚くサポートしてくれる。問題点や困ったことがあれば、即座に対応してくれるので、そのような環境にとても感謝しています。
Q6.逆にあまり良くなかったことや後悔していることはありましたか?
特になし。
Q7.迷っている方にアドバイスするなら、何を伝えたいですか?
子供の意見を尊重してください。子供はあらゆる環境で色々な事を感じ取ってます。子供が過ごす環境は、親の一存では決められません。私は子供が年中の時に、「普通級に通わせるにはどうしたら良いのだろう」と考え、療育に通わせたり、家でも色々なことを頑張ってみたりしました。しかし、年中の夏休みに子供が骨折をしたことをきっかけに、その考えは大きく変わりました。骨折をしたことで幼稚園生活が上手く送れず、退園勧告までされました。療育先でも本来の力が発揮できず、子供の気持ちが不安定になってしまいました。私の気持ちも不安でいっぱいになりましたが、心理士の先生に相談することによって、あらゆることに対して自然と迷いがなくなりました。大切なことは「親がこうしたい」ではなく、「今どうしたら、子供が落ち着いた環境で過ごせるのか」だと思います。そして第三者の意見も大切にしてください。一人で抱え込まないでください。子供に寄り添いながら、子供にとってのベストを一緒に考えていけると良いですね。
事例4
Q1.通っているのは通級・支援級・支援学校どれですか?
通級
Q2.通い始めたのは何年生からですか?
小学2年生
Q3.通級や支援級、支援学校の利用を決断した理由は何ですか?
通級が当学校に導入されるのをきっかけに校長、担任の先生から利用されませんか?と打診がありました。その時はまだADHD、自閉スペクトラム症の診断は受けておりませんでした。
Q4.子どもには通うことをどのように伝えましたか?またその反応は?
苦手な事を特別に別の教室で、先生と一対一で教えてもらえるよ。
Q5.実際に通わせてみて良かったと感じる点はありましたか?
時間配分や、得意な事、苦手な事、気持ちの切り替え方等様々な事を学ばせて頂いています。小学2年生の時、特別支援の知識が豊富で資格を持つ担当先生に出会い、それまで親として認めたくなく逃げていた、療育を勧められ、専門医に受診。その時に診断を受けてコンサータを内服するようになり、息子は学校にもクラスにも馴染めるようになりました。悩み事は多々ありましたが、その都度学校の先生方が親身になって助けて下さいます。息子が毎日学校に通えているのは通級教室のおかげだと思っています。
Q6.逆にあまり良くなかったことや後悔していることはありましたか?
周りのクラスの子から見れば、あの子はみんなより出来ない子、ちょっと変わっている子という偏見があると思います。でも、少人数ではありますが、だから優しくしてくれる子もいます。
Q7.迷っている方にアドバイスするなら、何を伝えたいですか?
私自身、発達障害の子を持つ親の気持ちが分かるのはやはり発達障害の子を持つ親だと思います。でも、周りには発達障害の子は少なく、ママ友にも相談できませんでした。そして、病院の先生もお薬を処方して下さいますが、診察ではあまりお話しもできません。そんな中、学校の先生は本当に親身になって私の話を聞いて下さいましたし、学校での様子もよく見て下さっています。実際、不安な時はこちらから、よく面談を申し込んでいました。学校で過ごす時間が長いので、学校との信頼関係を築くのが一番だと私は思います。
事例5
Q1.通っているのは通級・支援級・支援学校どれですか?
特別支援級
Q2.通い始めたのは何年生からですか?
小学1年生
Q3.通級や支援級、支援学校の利用を決断した理由は何ですか?
医師2人と保健師1人にそれぞれ相談をして3人共に支援級でと答えでした。その中でも保健師の話は子どもの状態と、通う学校の支援の仕組みを分かりやすく説明もありました。学校見学もさせていただきました。保健師の言葉で子どもに安心できる場所作ってあげてです。そこが支援級になると思い決めました。
Q4.子どもには通うことをどのように伝えましたか?またその反応は?
学校見学は子どもと行ったので、「あそこに行くよ」と軽く言っただけだと思います。反応もなかったと思います。
Q5.実際に通わせてみて良かったと感じる点はありましたか?
通っている学校の支援級は3種類あって交流もしています。学年も関係なく身体の障害の子ども一緒にハロウィンパーティーや野菜等植えたりして、それが当たり前の生活です。年下の子には優しく声かけしたり教えたり、上の子とも仲良しです。そこには差別などありません。普通級では出来ない経験できて良かったと思います。
Q6.逆にあまり良くなかったことや後悔していることはありましたか?
支援級の先生と普通級の先生との連絡が上手くいかない時期がありました。低学年の時に連絡帳に時間割とか宿題を書いて来るのですが半分しか書かれていないこともありました。宿題は支援、時間割は普通級なので子ども忘れがちでした。
Q7.迷っている方にアドバイスするなら、何を伝えたいですか?
一番の望みは何ですか?私は、目的(望み)を決めてから、そこに行くにはどうするかを考えます。小学校入学する一年前から支援級にするか普通級にするかを考え医師と保健師と相談してきました。私の一番の望みは楽しく学校に行けることでした。信頼できる人と相談して納得できる答えを出してください。学校見学もしてみても良いと思います。
【まとめ】療育エピソード①|通級・特別支援級に関するエピソード
いかがだったでしょうか。今回は文字数の兼ね合いで5件分のみ紹介させていただきました。これだけでも共感できること、初めて得た気づきなどあったのではないでしょうか。児童発達支援士を受講されるとこういったエピソードが百以上用意されておりますので、それだけでも金額以上の価値があると私どもは感じています。こういった悩みを相談できる場所や実際の体験者の情報を確認できる場所というのは案外少ないものです。その中で保護者の皆様も悩み苦しんでしまう。という事例をこれまで沢山見聞きしてきました。
私どもの活動でそういった方がひとりでも減ればという想いです。
一緒に支援の輪を拡げていきましょう!