当協会が認定する資格、児童発達支援士または発達障害コミュニケーションサポーターを受講された方にご協力いただいている受講者インタビュー。今回は3名のインタビューをご紹介します。この記事の中からきっと多くの学びを得られると思います。是非ご覧ください。
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Sさんへのインタビュー
児童発達支援士を受講するきっかけ
自閉スペクトラム症の息子の子育て経験をもとに、何か社会貢献したいという思いが強くなり、児童発達支援の仕事を始めました。支援する者として、もっと理解を深めたい、いろんなケースに対応できるためのスキルを身につけたいと思い、児童発達支援士の資格を取ろうと思いました。
発達障がい児支援をしていて最も辛かったことは
なんでこうなんだろう…と私自身が我が子を理解できない時期が辛かったです。なんで…と思っているうちは理解なんてできない、と気付けてからは、まずは我が子の全てを受け入れることから始めました。
発達障害に関する知識を習得し何か変わりましたか
支援がしやすくなりました。支援の手立てが増えることで、我が子だけでなく、現在お預かりするお子様についても、実態の把握や療育に役立っていると思います。
ご自身と似た境遇で悩んでいる方に何かアドバイスはありますか?
悩んでしまうのはごく当然のことだと思います。然るべき機関、人へ相談することは躊躇しないでほしいです。そして、我が子がこれから関わるたくさんの人に、正しく理解してもらう働きかけをしてほしいです。子育てにおいては受け身にならず、根気、諦めない気持ち、そして決して不幸ではない、幸せなんだという気持ちで前向きな姿勢で取り組んでほしいと思います。時に泣いてもいいです。でも翌日には笑顔でお子さんと過ごしてください。
発達障がい児の支援を行う上で大切だと感じていることは
- どうせできない、と諦めない気持ち
- 楽しく療育
- 親(大人)が楽しんでるところを子供に見せる
- 経験こそが学び
- 子供の「好き」の気持ちを大切に!
Oさんへのインタビュー
児童発達支援士を受講するきっかけ
保育士として支援児に対して適切な保育、援助をしていきたいから。また、その保護者の心を軽くできるようになりたいから
発達障がい児支援をしていて最も辛かったことは
衝動的、多動、他害をする園児がおり、突発的に衝動的に他害をしてしまったときどう気持ちを受け止め、適切な援助をすればいいのか困った。保育者に対しても暴言、暴力をするので適切な対応がわからない
発達障害に関する知識を習得し何か変わりましたか
気持ちは理解でき、状況がわかった。これから適切な支援ができるようになりたい
ご自身と似た境遇で悩んでいる方に何かアドバイスはありますか?
支援したことで、子どもが生き生きと自分らしく生きていくことができ、支援が適切であったときやりがいを感じることができる。失敗と成功は同じ価値しかない全ては過去。失敗は次の経験への力になるのだから諦めずに進もう。
発達障がい児の支援を行う上で大切だと感じていることは
理解をする、気持ちを受容する。踏まえた上で一緒に考えることが大
Mさんへのインタビュー
児童発達支援士を受講するきっかけ
我が子3人が発達障害児です。子どもたちは通常級で過ごしていたのですが、担任の先生もお友達も、もちろん本人もとても苦労しました。先生に頼り切りではどうにもならないと思い、独学で色々学び、なんとかやってきました。今、我が子は楽しく学校に通っています。その経験を活かして、困っている子どもたちの支えになりたいと思い、今は小学校の介助員として子どもたちのそばにいます。その中で、もっと専門的な知識が欲しい、勉強したい!と思い、資格取得を決めました。
発達障がい児支援をしていて最も辛かったことは
うちの子どもたちは、家ではそんなに困ることはありませんでした。そのため、幼稚園や学校という、集団生活の中で問題は起きました。
長男が小1の頃の話です。みんなと一緒にやることが苦手で、教室にいられないことがほとんどでした。担任の先生に、こんな特性があって、こういうことは苦手だけど、こうしたら出来そうだ、こんな時は、こう関わってもらえないだろうかと具体的にお伝えしても、ダメ出しばかりされて、子どものやれたこと、出来ることを認めてくれないという日々が3年続きました。先生の対応の仕方を見て、周りのお友達も、息子に関わるので、だめな子みたいな感じになっていて、お友達とのトラブルも絶えませんでした。気持ちを向けてもらえないこの3年間は、息子も私も、本当にしんどかったです。
発達障害に関する知識を習得し何か変わりましたか
今までの独学や、子育ての経験から得てきた知識のほかに、専門的な知識が入ったことによって、自信を持って人に伝えることができるようになったように思います。そして、資格取得という肩書きによって、聞いている方も安心して受け入れることができるのではないかなと思います。
ご自身と似た境遇で悩んでいる方に何かアドバイスはありますか?
悩んでいるときは、暗い場所を彷徨っているような感じで、どうにかしてほしいと思っていました。私は自分から一歩踏み出すことで、灯りが見えてきました。道が見えてきました。一人で悩んでいるとどんどん病んでいってしまいます。とにかく外に助けを求めたり、行動を起こしてほしいと思います。きっと良い未来が待っています!
発達障がい児の支援を行う上で大切だと感じていることは
寄り添い、受け止めることが大切だと思います。どんなにまずいことでも、まず受容してから。わかってもらえてるって、誰もが嬉しいことです。
【まとめ】保護者の視点、先生の視点双方を知る意味
今回も素晴らしいインタビューをありがとうございました。子どもが発達障害という方。保育士として活躍されている方のお話がありました。当協会の資格受講者は、約半数が発達障害の子どもを持つ保護者、残りの半数が仕事で子どもの対応をしている方となっています。このように両面からの話を聞くことで、双方にとってメリットがあると考えます。
保護者の気持ちがわかれば、子どもを預かる施設のスタッフとしても活かせることがあるでしょう。
逆に施設のスタッフさんの気持ちがわかれば、保護者からスタッフさんへのコミュニケーションも変わることでしょう。
「自分のことを理解してもらえない!」
と思うのではなく、まず相手のことを理解したうえでコミュニケーションをはかると結果的にスムーズになることが多々あります。自己主張だけをしあっていてはいつまでたっても解決の糸口は見えてこないものです。だからこそ「理解は支援の第一歩」です。発達障害のことを理解する。だけでなく、さまざまな立場の人の考えを理解することで、円滑な支援に繋がる。そう思い、このような情報共有をさせて頂いております。
ご協力いただいている受講者のみなさま、本当にいつもありがとうございます。