第四回 児童発達支援士 意見交換会の実施報告

皆様こんにちは。本日は2021年10月6日に実施いたしました「第四回 児童発達支援士 意見交換会」についての報告記事を書かせていただきます。7月から毎月開催をしており、今回が4回目となりました。たくさんの学びがありましたので、この場を借りて共有させていただきたいと思います。

≪過去の意見交換会記事≫
>第三回 児童発達支援士 意見交換会の実施報告
>第二回 意見交換会の実施報告 発達障害支援の輪を拡げよう!
>児童発達支援士を受講された方との意見交換会実施報告

意見交換会とは

当協会が実施している意見交換会は、通常のセミナーとは異なります。通常のセミナーでは、誰か一人が話を一方的に行い、聴衆する方は聴き続けるというものでしょう。しかし私どもの行っている意見交換会は、必ず全員が発表をする場を設けております。当然いきなり指名されたら慌てますし、うまく伝えられないと思いますので、参加者には事前に「参加アンケート」というものを頂いており、そこで情報をまとめて頂いています。当日もそちらを手元に置きながら、皆さん参加いただいているので落ち着いてお話が出来るという仕組みです。

ここで簡単に意見交換会のタイムスケジュールをご紹介します。

  1. 理事長より挨拶
  2. 進行をするうえでの注意点
  3. 支援士の自己紹介(各1分)
  4. 支援士同士の質疑応答
  5. 協会から支援士に質問
  6. 結びの挨拶

このような流れで行っております。1時間という限られた時間のため、情報交換も限られていますがその中でも毎回とても多くの学びを頂いております。

皆様の想いやこれまでの経験談というものを耳にすることで、当協会としては今後の活動指針に繋がっていることも多く感謝しています。実際に「継続的な学びの場がもっとあれば助かる保護者がきっといる」という以前いただいたお声を反映し、支援士限定のLINEシステムをご用意しました。配信できる量は限られていますが、週に1回程度発達支援に関する情報が一方的に流れてくるという事だけでも、定期的な学びに繋がるのではないかと考えています。

人は自分から行動を起こすことには、多くのエネルギーを要しますが、誰かがきっかけを作ってくれたら案外重い腰も簡単にあがったりするものです。協会としてはそのきっかけづくりが出来るだけでも価値があると考えます。私たちの配信した情報をきっかけに、学びを深めようと思われた方がおり、その方がお子様や支援している子どもさんの心を軽くして、その子の笑顔が増える。こうなれば幸いです。私たちはきっかけという種をまき、その種に水をやり栄養をやり花開かせるのは支援士の皆様。しかし種がなくては花は咲きません。そういうバランス(立ち位置)を意識しています。

今回の意見交換会の学び

では、ここからは今回の意見交換会で得た学びについて共有をしていきたいと思います。長くなってしまうので今回は2つだけに絞りご紹介させていただきます。プライバシーの兼ね合いもあるため、一部表現を私なりに変えお伝えいたします。

周りの環境次第で子どもは大きく変わる

小学生のお子様を育てている支援士さんからいただいたお話です。

この方のお子様は小学生の時にADHDの特性が出ており、対応に苦慮することが多かったようです。特に学校生活の中では小学校4年生と5年生ときに一時的な不登校を経験したりという事があったとのこと。しかし6年生になったときには、学校に復帰でき充実した時間を過ごすことができたといいます。

なぜこのようなことが起こったのでしょうか。

順にご紹介します。小学校4年生の担任の先生は、発達障害に対しての理解がなく、まるで「邪魔者」扱いするような対応が続いていたようです。先生が発達障がい児に対してそのような態度を示していたため、その様子を見ている周りの子どもたちも同じように、邪魔者扱いしたり酷いからかいをしてきたりするようになってしました。その結果、学校に行きにくくなり不登校に繋がってしまったという事です。

5年生の担任の先生は、いわゆる熱血タイプの先生だったようで、理解をしてもらえず苦しんだとのこと。特性があるためうまく出来ないことがあっても、いわゆる根性論でどうにかしようとしたり、給食も何があっても残さない!というスタンスだったようで、そのことをきっかけにお子様が苦しむことに繋がった経験もあるようです。その結果、学校での居場所が見つけられず笑顔が消え、またしても不登校に繋がってしまいました。

しかし6年生の担任の先生は、とても理解のある先生だったようで、出来ないことや苦手な事という特性をしっかりと理解しながら対応をしてくれたようです。それぞれの個性を認める指導をしてくれたとのこと。それでも特性が影響して「やってはいけないこと」をした時に、他の生徒がお子さんに注意や指摘をしてくれたときにも、先生は「いけないことをした時に、注意をして教えることはいいことだね。でもその言い方はよくないんじゃないかな?」と諭してくれる行動をとってくれたため、クラス全体の雰囲気が良くなり、不登校を経験せずに学校生活を送れたのです。

このことから、子どもを取り巻く環境で子どもに多大なる影響があるという事を学んだと支援士さんはお話しくださいました。とても貴重な経験談をお聞きできました。私たちが合言葉にしている「理解は支援の第一歩」がいかに重要なのかがわかるものだと思います。恐らくですが、6年生の担任の先生も発達支援のスペシャリストであったわけではないと思います。しかし他の先生方と異なっていたのは、理解を示すことができていたかどうかです。

また4年生・5年生の時の先生はベクトルが自分に向いていて、6年生の先生はベクトルが生徒に向いていることもわかります。自分の理想郷に近づけるための教育をするのか、生徒一人ひとりが笑顔で生き生きとしているクラスにするのかという違いともいえるでしょう。

児童発達支援士の受講者の中には、小学校の先生や幼稚園の先生もかなり多くいらっしゃいます。そのため時間はかかるかもしれませんが、支援の輪は少しずつですが着実に拡がっていくと思います。学校の先生方も生徒のために学ばれていますので、その点は感謝です。しかし、発達障害のことを知らないがために子どもを苦しめてしまっている事例があるのも事実です。発達障害を知り理解をしている私たちがやるべきことが改めて見えてきたような気がしました。

保護者のケアに重点を置いています

こちらはヴォイストレーナーとしてご活躍されている方のお話です。

教室に来る生徒さんの中には発達障害の子どもも多くいるのですが、レッスン時間の半分は保護者の話を聴いてスッキリさせることを目的にしています。発達障がい児を育てている中での苦労や苦しみを共有できる仲間がいなくて、一人で苦しんでいる方がたくさんいます。しかし、保護者のメンタルケアをすることが、子育てでは物凄く重要になるので、レッスン時間の半分はお母様方の吐き出しタイムとしています。このことで自宅に帰った際に、いつもより笑顔でお子様に接することができれば、子育てに良い影響が出ると思っています。というものでした。

この方の考え方も私どもの理念と全く同じものになります。本当にその通りです。子育てをするうえで重要になるのは、保護者のメンタルケアです。特にお子様と接する時間の長いお母様のケアはとても大切です。子育ての悩みや苦しみ、ストレスを旦那様や周りの方が全て聞いてあげられたらそれでよいのですが、忙しい毎日を過ごされているとなかなかそうもいきません。

しかし吐き出しをできずに、それが積み重なっていくとどこかで爆発してしまったり、体調を崩してしまったりという事に繋がってしまいます。そうなると精神状態は余計に不安定になり、子どもにも強く当たってしまったり、旦那様にも優しく出来なかったりと悪循環に陥ってしまうでしょう。

そうならぬよう、お母様のメンタルケアは非常に大切なのです。児童発達支援士のテキストの中でも、幾度となくお母様に語り掛けるようなメッセージを織り込んでいます。児童発達支援士を学ばれている、保護者の皆さんは間違いなく子育てを頑張っています。子どものためにお金も時間も使って学んでいるのですから。だからあまりご自身を追い込んだり、責めたりせず、ちょっと大変だなと感じた時は休憩しましょう。そして誰かに吐き出してみましょう。そうすればまた違う明日がやってきます。

支援士という存在は、そういう存在であるべきです。何も悩みを解決する人や的確なアドバイスをする人が支援士ではありません。寄り添って話を聴くことだけでも立派な支援です。そのような支援士が各地で活躍していることを耳に出来て大変うれしく思いました。

【まとめ】第四回 児童発達支援士 意見交換会の実施報告

以上となります。

いかがでしょうか?文面でご紹介するとうまく伝わり切らない部分もあるかもしれません。しかし、意見交換会では毎回このような学びを頂いております。本当に実り多き1時間に感謝しかありません。今回のお話の中から、実際はもっともっとたくさんの学びがありました。きっと参加された皆様も同じだと思います。他の方の境遇やエピソードを聴くだけでも、心強く思えたり、我が子への接し方をこうしようと思えたりときっと多くの学びや気づきがあった事でしょう。

人生はそのような連続なのでしょう。

これからも資格認定を行いながら、意見交換会やセミナーの場を設け、発達支援の輪を拡げていきます。「理解は支援の第一歩」支援に難しいことは必要ありません。まず理解すること。それがとても大切なのです。

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