第二十回 児童発達支援士 意見交換会の実施報告

5月10日に開催された意見交換会の実施報告をさせて頂きます。今回もとても有意義な時間となりました。皆様ありがとうございました。ここで紹介している内容が皆様のお役に立てば幸いです。

参考記事>第十九回 児童発達支援士 意見交換会の実施報告

意見交換会議事録

ここからは今回の意見交換会の質疑応答時に、実際にお話のあった内容をご紹介していきます。お客様の言葉をほぼそのままの表現で紹介させていただきます。(個人情報保護のため一部表現を変えている箇所がございます)

質問者

自己紹介の中で情報収集はどうしたらいいのか悩んでいる方もいらっしゃいましたので、皆様はどのように情報収集をしていますか?一言でもいいのでお聞きしたいです。

回答者様:私も発達支援の事業所に通っていて、自分の息子の困りごとがあった時にはそこで聞いています。ですが、聞いた情報が全て息子にあてはまるかというと違うこともあるので、ネットでも体験談などを検索して、いくつか息子に試してみてこれは効果があったな、こっちは効果があまり無かったなと試す日々です。一番大変だったのは、子どもが言葉を発しない時は分からないのが一番辛かったのですが、今は自分の気持ちの整理の仕方が苦手で、嫌だった気持ちをどう妥協するのかが苦手だったり、相手にどう伝えたらいいのかも苦手なことです。他にも何かを我慢しないといけない時も、どう妥協をすればいいのかが分からず、「まあ、いっか」となるような事でも本人は難しいようです。また、嬉しいという気持ちも嬉しすぎてはしゃいでしまうとか感情の部分がはみ出しがちです。その感情に対してはこれくらいにしたほうがいいよ、と日々教えながら過ごしています。

回答者様:放課後等デイサービスとかスタッフさんに色々教えてもらいます。他にも支援級で親御さんとコミュニケーションを取って色々話を聞いたりしています。今住んでいる所でどういったことが起きているかなどを知ることができます。最近すごくいいなと思っているのは、幼馴染や学生時代の友達、仕事で知り合った人に息子がこういう状況でと少し伝えると、相手の周りの方の様々な話を聞くことができます。私の息子はまだ小さく、将来のことは分かりませんが知り合いのお子さんが小さかった頃の話などを聞けて、明るい未来が見ることもできます。相手に伝えるのはどうかと思ったりすることもあるのですが、信頼関係がある相手ならば話をすることで、色々な物が見えてくることもあります。皆さんが自分のことのように思ってくれれば、特別な目で見られるのではなく、実は色んな所に色んな人が居るんだよという目で見てもらえるのではないかと思います。


質問者

4歳の娘がとてもテレビが好きで、30分だけだよと時間を決めてもいやだと言って癇癪を起こすことがよくあります。代わりの提案をしても中々気持ちが切り替わらない場面が多く、気持ちが変わりやすいお菓子を食べようという方向にしてしまうとその次も、テレビが終わったらお菓子を食べさせてもらえると学んでしまって、どんどん交渉みたいな形で言ってくることが多くなってしまいました。そのため、お菓子などではなく他の気持ちを切り替える方法などがないかなと悩んでいる所です。もし、何かありましたらお聞きしたいです。

回答者様:お子さんが時計の針が読めるならば、自分でこの時間までと決めさせることで時間を守れるようになる場合があるそうです。時計の長い針が4までねと言ってみて本人が同意したらそれでもいいですし、本人に長い針がこの数字まで、ここまでテレビを見ると決めさせて、その時間が近くなってきたらもうちょっとだよ、と声かけをして自分で決めたことを守れたら誉めてあげることで効果があるそうです。

回答者様:私は保育園で去年3歳児を受け持ち、今年は持ちあがりで4歳児を受け持っているのですが、やはりまだ数字が読めない子がいるので時計の数字の所にカラーシールや、子どもが好きなキャラクターのシールを貼ったりして、赤いシールの所になったらお片付けだよと言ったり、長い針がミッキーのシールの所まで行ったらお片付けしようねと言ったりしました。また、この時に数字も合わせて言うことで少しずつ覚えられるようにしていきました。


質問者

小学校4年生の男の子のことなのですが、その子との接し方に悩んでいます。とても元気で大きな挨拶をしてくれるいい子なのですが、皆と一緒に座っている時にキャスターが付いている椅子なので、1人でそれを使って動き回ってしまい、止めようとして手を出すと近づかないで!と言われてしまいます。落ち着かせようと思って外に行こうかと言って前は成功したのですが、次は皆と離さないで!と言われてしまいました。皆さんはこういった1つの事で違う対応を求められる時どんな対応をしているのかお聞きしたいです。

回答者様:気分や機嫌など状況によって意見がころころ変わって振りまわされることが多くありました。文字が読めるようになってからは、紙にいくつかの選択肢を書いておき、この中で何がしたい?と選んでもらって対応をするようにしました。本当に機嫌が悪い時には紙をぐしゃぐしゃにして投げてしまうのですが、その時はこちらの気持ちも伝えて一緒に外に出るようにしたりしました。

回答者様:幼稚園での話ですが、ADHDの特性もあって座っていることがすごく苦手です。よく見ていると勉強もそうですが待機時間がとても苦手で、何か工作をしたり書いたりしている時には集中ができています。本人が何もすることが無い時にじっとしている事ができないようでした。病院に行った時も座っている時にくるくる回ったりしていました。対応としては、最初は落ち着く為に絵本を読む部屋に行ったりしましたが、質問者様と同じように何回目かでそれが本人にとってメリットがなく、教室から出されてしまう、つまらない所に連れていかれてしまうとなってしまいました。そのため本人に役割を与えたり、手伝いをさせることで、本人が暇にならないようにしました。

【まとめ】第二十回 児童発達支援士 意見交換会の実施報告

今回も貴重なご意見をありがとうございました。

今回は家庭で起こる困ることについての質疑応答が活発に行われました。具体的な回答も多数あり、すぐに実践できる内容になっていたと思います。「こういう時どうする?」という答えが明確にあればよいのですが、子ども一人一人の特性によって対応は変わりますし、同じ子どもであっても、時と場合によってその現象を起こしている理由は毎回違ったりもします。

そのため「こういう時には絶対これ!」という対処法はないのですが、意見交換会を通じて、沢山の引き出しを学んでいただくことが大切かと思います。引き出しが多ければ、その中で効果的なものがでてくる可能性も高まります。引き出しを多くするためにも、こういった共有を今後もさせて頂きたいと思います。

最後までご覧頂き有難うございました。

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