第十五回 児童発達支援士 意見交換会の実施報告

11月12日に開催された意見交換会の実施報告をさせて頂きます。今回もとても有意義な時間となりました。皆様ありがとうございました。ここで紹介している内容が皆様のお役に立てば幸いです。

意見交換会議事録

ここからは今回の意見交換会の質疑応答時に、実際にお話のあった内容をご紹介していきます。お客様の言葉をほぼそのままの表現で紹介させていただきます。(個人情報保護のため一部表現を変えている箇所がございます)

質問者
小学校に入って担任の先生が厳しくて結構怒られるらしく、その怒られた内容が分かっていなくて家で子どもが暴言や、学校でも自傷行為が凄く出てしまった場合、子どもへの対応などアドバイスがありましたらお聞きしたいです。親への暴言はスルーをしたりしても効果がなく困っているみたいです。
回答者A様:うちも二次障害で学校へ行けてないのですが、1時間くらい泣き叫んだりする時期もありました。私も勉強をしたり本を読んだりして改善策ではないですが、子どもは言葉にできなくて怒っても悲しくても辛くても泣くしか表現ができない。言葉が発せないから泣く。なので暴力も物に当たることもあるのですが、きちんと自分で片付けたりするので、その時には片付けてくれてありがとう、よく我慢できたねありがとうと声をかけたりしてます。きっと子どもしたくてしている訳ではないと思うので、分かってくれる人がいれば少しずつおさまってくるのかと思います。時間はとにかくかかるのですが、焦らず受け入れる。その姿勢しか無いのかなと思います。
回答者B様:ガイドなどをしていると街中で泣き叫んだり、手を出してきたり暴言を言われることや不特定多数の方に叫んでしまうこともあります。そういう時に私は口の前に手を当ててシーというポーズを取ります。さきほどN様もおっしゃっていましたが、子どもが伝えられないもどしかしさというのがあり、そういう発言や行動に出てしまうと思います。長い時間はかかってしまうと思いますし、本人とのコミュニケーションや親御さんからの意見も聞かないといけませんので、時間をかけてその子どもの特性を見ていくしかないのかと思います。
回答者C様:年齢にもよると思うのですが、私の子どもも自傷行為がありまして、3歳のころだったので私の力で抑え込むことができました。前からですと自分も叩かれてしまうので、後ろから押さえるような形にして手をつかんで抱きしめて暴れないように抑えました。ただ小学生だった場合は力も強くなってくるので難しいかもしれませんが、後ろから押さえてあげて安心する言葉をかけてあげる、こちらが興奮しないようにジェスチャーをつけたりしながら声のトーンを落として静かに声をかけてあげるのが良いのではないかと思います。
回答者D様:学校の先生への伝え方について、一教員としての立場の意見なのですが、お家での様子を言ってもらえたら嬉しいですし動きやすいと思う時があります。お父さんお母さんが心配されていることは、他のご家庭の意見などもあったりするため、どうしても見えづらくなってしまうことがあります。後から実はこう思ってたんです、と言われるよりは今こういう事で困っています、気になっているんですと小出しに言ってもらえたら、どうしたらいいかなと対応について先生の間でも話し合うことができるため、先生に伝えた時に何か言われるかも・・・と悩んでしまうかと思いますが、言ってもらえたらこちらとして安心することができます。
回答者E様:小学校1年生の場合ですと、発達に支援が必要じゃない子がいる場合もあります。実際こちらに来て下さる親御さんの話を聞いていると、どうしてそんな言葉をかけられなければいけなかったんだろうという教員の方もいらっしゃって、現状すごく教員のお仕事が大変というのも分かるのですが、その子自体が乗り越えなければいけない事なのか、そうじゃないのかという見極めが大事だと個人的に思っています。下にお子さんが産まれたということで自傷行為を始めるお子さんもいらっしゃいます。何かが自分の中で満たされていない、解消できていないという事がK様の甥っ子さんでもあると思うので、そこが先生の関わりなのか、その子が生きていく上で乗り越えなければいけない事なのかを大人が様子を見てあげなければいけないのかなと思いました。公立の学校に通うことだけが選択肢ではないと私は思っているので、小学校に入って変わっちゃったなと思ったら少しお休みをして、休んでいたら落ち着いてきたね、じゃあ学校の何かが子どもに合ってないんだな、先生方に相談してみようかな、支援級に行こうかなという選択が取れたら親御さんも安心できるのかなと思いました。

質問者
●様に質問なのですが、不登校の方がすごく多いとお聞きしたのですが、不登校の方は日中通われている所以外では何をされているのか、もし知っていたら教えていただきたいです。
回答者A様:私の所へご相談に来られる方で学校へ行かれてない場合は、ほぼほぼお家でゲームをされています。私が住んでいる所ではフリースクールが少なく、小学生のお子さんが通えるフリースクールが無料化している所が1カ所しかなく、年々不登校のお子さんは増えていくのですが、小学校のお子さんの受け皿となる施設がとても少なくて、行き場もなくて結局お家でゲームをして過ごしているという現状があります。お母さん方もそれを心配しているのですが、学校で嫌な思いをしているので学校に戻すのもちょっと心配だし、ということですごくそこで悩まれているという現状があります。

質問者
●様にお聞きしたいのですが、ご自身が発達障害ということでしたが、これまでの人生で生きづらいなと感じた事や、何かエピソードがあれば教えていただきたいのですがよろしいでしょうか?
回答者A様:私は小学校2年生で診断を受けたのですが、小学校中学校は普通級で過ごしました。ですが、どうしても他の子と比べてできない事があって自己肯定感が下がることが多くありました。学校側に配慮をお願いして個別指導計画を作っていただき、こういう場面の時はこういう対応をしてくださいという物を明確に学校側にお伝えして義務教育を終えて、今は通信制の高校を卒業して大学に通っています。発達障害を持っているからダメという訳ではなく、その子が明確な変わりたいという目標などにむかって一生懸命取り組めばどんな子でも成長していけると私は思っていて、周りの環境や、周りの人たちの理解があるかどうかなどが大事だと思っています。

質問者
●様にお聞きしたいのですが、個別指導計画を学校に作ってもらったというのはどんなレベルの対応をしてもらったのか教えていただいても大丈夫でしょうか?
回答者A様:私は感情のコントロールに難があったため、パニックになったら空き部屋を用意してもらってクールダウンの時間を設けてもらう、言葉で伝えるのが苦手だったので相談カードというものを作り、それを先生に渡してコミュニケーションを行うといった事をしました。完全に喋れなくなってしまった時は感情のイラストなどが書いてあるカードを使って、先生に見せてくみ取ってもらったり、定期的に先生と話をする時間を作ってもらったりしました。

質問者
●様にお聞きしたいのですが、放課後等デイサービスで働かれてるとのことでしたが、何か困ったことであったり、お兄さんが自閉症とお聞きしましたが、何かエピソードなどあれば教えていただきたいのですがよろしいでしょうか?
回答者A様:困っていることなんですけども、私自身はアルバイトの身なので実際に個別支援計画などはしていなくて、社員さんから言われた計画などを行っているのですが、ASDで持ち物を片付けるのが苦手で、鉛筆はそこ、ランドセルはあそこというように散乱してしまう子がいて、持ち物チェックというものをやっています。来た時と帰る時に自分の持ち物を片付けるということを身に付けさせるようにしています。持ち物チェックをしたらご褒美としてシールを貰える形式にしています。最初は持ち物チェックをしてシールを貰っていたのですが、途中からシールが欲しいからチェックしているだけで、シールを貰うことが目的になってしまって、本来の目的である持ち物を片付ける、チェックするということが雑になってしまっているのが困っています。

【まとめ】第十五回 児童発達支援士 意見交換会の実施報告

今回も貴重なご意見を沢山うかがうことができました。ありがとうございました。

当事者の方のご意見、療育のお仕事をされている方のご意見、保護者のご意見など幅広いお話を伺うことができ、私ども協会としても今後の活動のヒントになる部分が沢山ありました。意見交換会はこちらが一方的にお話しするセミナーではないため、よりリアリティのある情報を得ることができます。招待メールがとどいた受講者の皆様、是非ご参加ください。

発達障がい児支援の人気資格
公式】児童発達支援士サイトを確認

最新情報をチェックしよう!