当協会でもメンタルヘルス支援士というメンタルヘルス関連の資格を認定しています。その中で受講者の皆様から「他のメンタルヘルス関係の資格と何が違うのか?」というご質問を頂きましたので、その点について紹介したいと思います。また、資格学習は相性のようなものもありますので、自分に合った資格を選ぶポイントについてもご紹介します。
メンタルヘルス資格の種類について
まず、メンタルヘルス関連の資格はどういったものがあるか紹介します。ここで例を挙げるものは、あくまでも私が把握しているものだけであり、すべてを網羅しているわけではない点はご了承ください。そのくらい様々な団体が様々な資格を認定しています。
- 精神保健福祉士(国家資格)
- 社会福祉士(国家資格)
- 公認心理師(国家資格)
- 臨床心理士
- 認定心理士
- 応用心理士
- 認定健康心理士
- 精神対話士
- メンタルヘルス・マネジメント検定
- メンタルヘルス支援士
- 産業カウンセラー
- 日本カウンセリング学会認定カウンセラー
- 公認ヘルスカウンセラー
- メンタル心理カウンセラー
- 上級心理カウンセラー
- メンタルケアカウンセラー
このようなものが挙げられます。国家資格もいくつかありますが、民間資格がこれだけたくさんリリースされている分野なのです。
メンタルヘルス支援士と他のメンタルヘルス資格との違い
沢山種類があることを踏まえたうえで、当協会のメンタルヘルス支援士と他のメンタルヘルス資格との違いについて紹介をしたいと思います。
ただ、違いを比較すると言ってもこれだけの数がありますので難しいため、あくまでも当協会のメンタルヘルス支援士の特徴に絞り紹介させていただきます。恐らくそれが差別化にもつながるので、選ぶ際のひとつの参考になるかと思います。
特徴① 精神疾患、心理療法、カウンセリングまで網羅
特徴の1つ目は、精神疾患・心理療法・カウンセリングまで幅広く内容を網羅していることです。これを書くと「え?そんなの普通じゃないの?」と思われることもありますが、意外と当たり前ではないのです。例えばキャリカレで販売されている人気資格「メンタル心理カウンセラー」では心理療法に関する学びは基本的に含まれていません。心理療法を学びたければ、その上級資格である「上級心理カウンセラー」を受講するという仕組みになっています。
他にもビジネスの場で役立つ「メンタルヘルス・マネジメント検定」では、カウンセリングの知識はほとんど学びません。
最初にメンタルヘルス資格は沢山の種類があると伝えましたが、その理由がこのように細分化されているからともいえるのです。需要がある分野ですので、細分化して多くの方に沢山受講していただきたいと考えたのかもしれませんね。
しかし、当協会が認定する「メンタルヘルス支援士」は幅広く学ぶことができ、1つの資格でも十分な満足感があると思います。そのため少し意外かもしれませんが、幅広く学べることも立派な特徴だと考えています。
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特徴② 大人の発達障害やカサンドラ症候群についても学べる
これは大きな特徴でしょう。恐らくメンタルヘルス関連の資格で、ここまで発達障害関係の内容を盛り込んでいる資格は当方のメンタルヘルス支援士くらいではないでしょうか。(1章分を利用)
ご存じの方も多いかもしれませんが、当協会は「児童発達支援士」という発達障害支援の資格を認定しています。その他にも関連資格として「発達障害コミュニケーションサポーター」「SSTスペシャリスト」という資格があり、これら3つの累計受講者数は延べ4万名を超えています。
私どもはその4万名の受講者からアンケートや体験談の収集をしてまいりました。そこで浮き彫りになってきた課題や皆様が直面している悩みというものを、メンタルヘルス支援士の教材にも反映させています。
その為この部分はかなり独自性があり他の団体にはまねのできない部分だと思います。
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特徴③ 最新のDSM-5-TRに対応している
メンタルヘルス支援士は2025年3月より認定を開始しました。そのため本記事を書いている時点(2025年4月)で言えば、最新の情報を掲載しているメンタルヘルス資格だといえます。DSM-5-TRというのは、医学書のバージョンのようなもので、数年おきに更新されています。そこまで大きな違いはないのですが、最新の研究で明らかになった項目が追加されたり、障害の名称が変更されたりという違いがあります。
例えば、DSM-5-TRのひとつ前のバージョンであるDSM-5では、「学習障害」という表現がありましたが、DSM-5-TRでは「限局性学習症」に変更されています。基本的には「障害」という言葉や英語表記をしないようにして、差別意識が生まれないようにしたり、理解が進むようにという配慮がされています。そのため、DSM-5-TRの内容で学習したほうが、当事者やそのご家族にとっては表現が柔らかく感じストレスなく学ぶことができるようになったと言えるでしょう。
またそれだけでなく、最新の統計にも対応できているので、時代の流れやトレンドもつかむことができるようになっています。特に近年はITやAIの進化が目立ちますので、10年前に作られた教材で紹介されている内容だと違和感を覚える箇所も出てくる可能性もあります。そういった意味で、当協会のメンタルヘルス支援士は最新情報を学べる環境が現在は整っていると言えるでしょう。また今後も数年に一度のリニューアルはしていきますので、常に新しい情報を学べる環境を提供してまいります。(児童発達支援士も認定から4年で第2版をリリースしました)
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自分に合ったメンタルヘルス資格の選び方
ここまで資格の種類やメンタルヘルス支援士資格の特徴について確認をしてきました。最後に資格の選び方について簡単に紹介します。資格に関する口コミを見ると「称賛している人もいるし、批判している人もいる。どちらを信じればいいの?」と思ってしまうことがあるでしょう。でもそれも無理はありません。皆さん目的が違ったり、スキルが違うわけですから、全員が満足する資格というのはなかなか存在しないのではないでしょうか。大切なのは「自分に合った資格」を選べるかどうかです。そこに重点を置くようにしましょう!
①自分が学ぶ目的は?
まずは自分が資格を取得しようと思っている目的を明確にしましょう。就職のため?家族のため?自分の心のケアのため?自己啓発?など様々あるでしょう。この点が明確になっていないと「これだ!」と決める基準があやふやになります。その結果「フェアをやっているから」「なんかよさそうだから」という曖昧な理由で受講することになります。
②絶対に身に付けたい内容(スキル)は?
目的が明確になったら、その中でどのような内容(スキル)は外せないかを明確にしましょう。カウンセリングスキルを徹底して高めたいのか、心理療法について深く知りたいのか、幅広く知っておきたいのかなど。内容やスキルを箇条書きにして優先順位をつけておくと、より分かり易くて良いでしょう。
③どのくらいの期間で学ぶ?
次にどのくらいの期間を想定しているかも検討しましょう。言い方を変えると1日どのくらい勉強するつもりなのか。どのくらい時間を作れるのかを現実的に考えるべきでしょう。目的に沿った資格であったとしても、ボリュームがある資格もあれば、比較的ライトなボリュームの資格もあります。この点を間違えると受講途中に挫折してしまうということに繋がります。
④無理のない費用は?
費用感も大切です。総額でいくらかかるのかはしっかりと把握するようにしましょう。その表記がなかったり、問い合わせしてもあやふやにされる場合は注意が必要かもしれません。費用的に無理をしてしまうと家族との関係が悪化したり、自分自身もプレッシャーを感じてしまうこともあり、スムーズに学べなくなるかもしれません。
⑤最後は感性!
ここまでをクリア出来たら最後は感性です。ふざけているように聞こえるかもしれませんが、案外重要なのです。ウェブページの見た目、言葉遣い、問い合わせした時のレスポンス、認定団体の活動など様々なところから「よさそう!」と思えるか「なんか違う気がする」と思うのか。その感性はとても大切ですから大切にしましょう。マイナスのイメージが出てきた場合は、少し時間をおいて本当にそこで申込みをするか再考する方がいいと思います。
【まとめ】メンタルヘルス・メンタルケア資格の種類と選び方
いかがだったでしょうか。メンタルヘルス関連の資格は沢山の資格があるため悩んでしまう気持ちもよくわかります。
ただ悩んでもいいと思います。大切なお金と時間を使うことになるのですから。
皆様が最適な選択ができ、資格取得をきっかけに明るい未来を築けることを心より祈っております。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。