発達障害や発達に心配のあるお子さんの支援としてよく耳にする「放課後等デイサービス」と「児童発達支援」。
どちらも療育施設ですが、似ているようで 対象年齢・役割・利用目的 が大きく異なります。この記事では次の疑問に答えます。
- 2つの制度は何が違う?
- どちらを選べばよい?
- 併用はできる?
- よくある誤解は?
放課後等デイサービスと児童発達支援の一番大きな違い
結論から言うと、この2つの療育施設の最大の違いは 対象年齢と役割 です。
| 項目 | 児童発達支援 | 放課後等デイサービス |
|---|---|---|
| 主な対象 | 0歳~就学前の子ども | 小学生~高校生(6〜18歳) |
| 目的 | 発達の土台づくり・初期療育 | 学習・生活スキル支援、社会性・自立支援 |
| 利用時間 | 日中 | 学校の放課後・長期休暇 |
| 制度区分 | 児童福祉法に基づく「通所支援」 | 同じく児童福祉法の通所支援 |
関連サイト
児童発達支援とは?(就学前の発達支援)
児童発達支援は、0歳〜就学前の子ども を対象とした療育施設です。
発達障害や発達の遅れが心配な子どもに対して、
- ことば・コミュニケーションの支援
- 対人関係や社会性のサポート
- 感覚過敏・不器用さへのアプローチ
- 生活動作(身支度・トイレ)などの練習
など、将来の成長に必要な 発達の土台づくり を行うのが特徴です。
放課後等デイサービスとは?(就学後の療育支援)
放課後等デイサービスは、小学生〜高校生までの発達障害児・障害児 を対象とした療育施設です。
学校が終わったあとや長期休み中に、
- 学習のサポート
- ソーシャルスキルトレーニング(SST)
- コミュニケーション支援
- 集団活動、余暇支援
- 将来の自立に向けた練習
など、社会性・自立力の育成 を中心に支援します。
どちらを選べばいい?―選び方の基準
✔ 就学前なら「児童発達支援」
- 言葉の遅れ
- 落ち着きのなさ
- 対人関係が苦手
- 偏りのあるこだわり
こうした課題への 早期療育 が大きな意味を持ちます。
✔ 就学後なら「放課後等デイサービス」
- 学校生活への不安
- 友達関係が難しい
- 宿題や学習のサポートが必要
- 将来に向けた自立支援が必要
といったケースで役立ちます。
よくある質問(FAQ)
Q. どちらも「発達障害」でないと利用できない?
A. 診断がなくても利用できる場合があります。
「発達が気になる」「園や学校から勧められた」などのケースでも、市区町村の判断で利用できることがあります。当協会が独自に調査した「療育施設の利用に関する実態調査」で、療育施設に通っている約27%は発達障害の診断がない、いわゆるグレーゾーンの子どもであることがわかっています。そのため、診断がされていない状態でも、一度施設に相談をしてみると良いでしょう。(2025年10月1日調査|一般社団法人 人間力認定協会|療育施設の利用に関する実態調査)

Q. 両方を併用することはできる?
A. 年齢が変われば切り替わります。
基本的には、【児童発達支援 → 小学校入学後に放課後等デイサービスへ】という流れが一般的です。
Q.どのタイミングで療育施設を利用する?
A. 3歳児検診などの定期検診で発達の遅れや発達の凸凹を指摘され、病院に行き、そこで医師から療育施設を勧められるケースが多いです。
なお、療育施設を利用し始めた年齢を調査した結果、3歳以下が最も多い結果となりました。そのことから早期の療育が一般的になりつつあるといえそうです。(2025年10月1日調査|一般社団法人 人間力認定協会|療育施設の利用に関する実態調査)

Q. どこに相談すればいい?
- 市区町村の障害福祉窓口
- 相談支援事業所
- 療育施設
- 医療機関
このあたりが入り口になります。
まとめ ― 自分の子に合った療育施設を選ぶことが大切
児童発達支援は就学前の土台づくり、放課後等デイサービスは就学後の成長支援。どちらも発達障害や発達のつまずきをサポートする大切な療育施設です。迷った場合は、早めに相談してみることをおすすめします。
この記事を読んで、「もっと詳しく知りたい」と感じた方はこちらも参考にしてください。
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・児童指導員と児童発達支援士の違いは?資格・役割・現場での使い分けをわかりやすく解説
・発達障害支援の初心者が最初に学ぶべき資格は?比較しながら“最適な第一歩”を解説
当協会からの提案 ― 正しい判断は「知識」から生まれます
保護者・支援者・教育現場の大人が、共通の理解と知識を持つことで、子どもが育ちやすい環境が整います。
当協会では、発達障害の理解と実践的支援を体系的に学べる「児童発達支援士」資格を認定しています。
- 子どもとの関わりに自信を持ちたい方
- 支援や教育の現場で役立つ知識を得たい方
- 学校選びの判断材料を増やしたい方
- 支援に関する仕事に関心がある方
理解することは支援をする第一歩です。その勇気ある一歩が子どもと保護者の安心につながっていくことでしょう。
