子どもが発達障がい(自閉症・ADHD・学習障害)と診断された時の心構え

我が子が自閉症、ADHD、学習障害と診断されたら、親としてどのような気持ちになるのでしょう。将来への不安我が子への同情悲しみ自責の念などいろいろな感情や思考が頭の中をぐるぐるとめぐることでしょう。これまで3万人以上の子どもたちの教育に携わり現在は(一社)人間力認定協会 代表理事の私井上が、今回は「子どもが発達障がい児(自閉症・ADHD・学習障害)と診断された時の心構え」というテーマでお話いたします。

発達障害(自閉症・ADHD・学習障害)と診断される日

医師に相談するということは、他の子と違う我が子の言動に自ら気づいたのか、はたまた学校や塾の先生、他の親御さんから指摘されたかのいずれかでしょう。いずれにしても親御さんの中には、そうかもしれないと感じている自分がいたり、違っていてほしいという願いもあったりで、かなり複雑な心境の中、その診断が下るのです。

発達障がいと診断された子どもはどのように感じているのか

混乱するのは何も親ばかりではありません。それを知った子どもの方も同じです。「だから今までうまくやれなかったのか」「性格とかじゃなくて病気のせいだったのだ」と納得する自分。原因がわかり少しほっとした気持ちになるかもしれません。しかし、しばらく時間が経つと「だったらこれから僕はどうすればいいの?」という疑問が湧いてくることでしょう。

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発達障害というレッテルが子どもに与える影響

考えれば考えるほど不安になり、それが恐怖となって人と接するのが怖くなるという子もいます。知ったことが原因で気持ちが落ち込み、結果的にうつを発病することさえあります。障がい者というレッテルが、親と同じように子ども達にもまた影響を及ぼすことになります。

診断されると表面化する不安

我が子への障がい者というレッテル。勉強はどうするの? 学校ではうまくやっていけるの? 進学は? 就職は? その前に普通に教室にいられなくなるの? 学校への報告はどうしよう? どのような支援が受けられるの? 誰に相談すればいいの? まさかうちの子が発達障がい児!

こんな時に、あらかじめ心構えなんてあるわけないですよね。しかし悩んでばかりはいられません。前に進むために行動しなければいけないのです。

発達障害(自閉症・ADHD・学習障害)と診断されたらやること

まずは相談相手を見つけましょう。一人で抱え込んではいけません。できたら伴侶が好ましいですが、それが無理ならおじいちゃんやおばあちゃん、お友達でもいいので信頼できる相手、話を真剣に聞いてくれる相手を探しましょう。そして自分の心の声を言葉にして、全部聞いてもらいましょう。認めたくない気持ち、悲しい気持ち不安な気持ちなど口にするだけでも気分は晴れるもの、全部吐き出しちゃいましょう。吐き切ることが出来たら、少しだけ、しかし確実に未来への扉は開いてくるはずです

相談相手がいなかったらどうしよう???

大丈夫!今の時代はブログやインスタがその代わりになるはずです

ブログやインスタで発達障がい児の家族とつながろう

最近は一般的になってきましたが、まだまだ自分で情報発信をするのはちょっとね、という方も多いのではないでしょうか。あまり気負わず気楽に初めましょう。これは凄く大事な事です。勇気を出してブログを書いてみるとか、インスタグラムを始めてハッシュタグ#を使って同じ境遇の人たちと情報交換をするのです。

私も妻が流産や死産をした時は、同じ境遇の人たちとつながることで大いに癒されたものです。傷をなめ合ってると言われてもいいじゃないですか。自分だけが苦しんでいるのではない「みんなが私や子どもの助けになってくれる」そう意識することが大切なのです。

発達障害と診断されても仲間という意識を持てれば幸せになる

岸見先生の名著「嫌われる勇気」はとても有名ですが、あの中で「共同体感覚」という言葉が出てきます。簡単に説明すると、自分以外の世界の人々を味方と捉えるか、はたまた敵と捉えるかでこの世界は全く違ったものになるというお話です。

当然幸せになれるのは前者つまり「社会は味方であるという感覚」だとか。そこで実際に味方であるか敵であるかは問題ではなく、自分がどう捉えるかということだけが重要になってきます。

みんなは私の味方」そう自分が信じることができれば幸せになれるって事なんですね。私もそう思います。他人をどうするかは自分に選択ができない。自分が選択できるのはただ一つ「みんなは私の味方である」という自分の心構えだけなのですから。

しかし、そもそも自閉症やADHD 、学習障害などの発達障がい児は何が問題なのでしょうか。

関連記事>>発達障害が幼稚園から小学校に上がるタイミングで発覚する理由

発達障害や自閉症、ADHD、学習障害って何が問題?

我が子がADHD、自閉症アスペルガー、学習障害などの発達障がい者だとして何が問題なのかを少しだけ考えてみたいと思います。

落ち着きがない。人の話を聞けない。人の感情がわからない。文字を書くことや読むことが苦手。感情の交流ができない。好きなものには集中するけど、それ以外に全く関心を示さない。得意科目と苦手科目の差が激しい。集中力が持続しない。症状は実に様々で、一様に語ることは不可能です。

私がこれまで30年近くたくさんの子どもたちと接してきた経験をもってしてもそれは無理なのです。一つ言えるのは、世の中には変えられるものと変えられないものがあるという事実です。私の好きな詩に、二ーバーの祈りというのがありますのでご紹介します。

『二ーバーの祈り』

神よ
変えることのできるものについて
それを変えるだけの勇気を
われらに与えたまえ
変えることのできないものについては
それを受けいれるだけの
冷静さを与えたまえ
そして
変えることのできるものと
変えることのできないものとを
識別する知恵を与えたまえ

結論:発達障がい児(自閉症・ADHD・学習障害)と診断された時の心構え

私は発達障害を問題として捉えるのではなく、その子の個性と捉え、その個性をいかに伸ばすのかに焦点を当てるべきだと考えています。変えられないものを変えようとすると、そこには苦痛が生まれます。私が皆さんに伝えることが出来るのは、「その個性がもたらす二次的な問題であるコミュニケーション障害についてはそれを克服し、本来子どもたちが持っている能力についてはこれを伸ばす」ということだけです。このブログのシリーズでそのコツを一緒に学んでいきましょう。

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