当協会が認定する資格、児童発達支援士または発達障害コミュニケーションサポーターを受講された方にご協力いただいている受講者インタビュー。今回は3名のインタビューをご紹介します。この記事の中からきっと多くの学びを得られると思います。是非ご覧ください。
児童発達支援士:Tさん
児童発達支援士資格を受講したきっかけ
以前から働きたかった自立支援センターの児童指導員として働くことになり、社会福祉学部の大学は卒業しているが、再就職するまでは長年土壌違いの仕事をしており、育児経験はあっても知らない知識も多い為、しっかりと自信を持ち療育するためにはより一層の理解をしたいと考えました。そこで知ったのが「児童発達支援士」という資格。上辺だけの療育というものではなく、子どもたちの成長の為に理解を深めて笑顔で常に見守る、寄り添う姿勢が資格取得という気持ちを支えてくれました。
発達障がい児支援をしていて最も辛かったことは
一緒に働く職員たちの療育と私の思い描く療育があまりにも違いすぎて、「甘すぎる」等、いつも一言嫌なことを言われたりするのは辛かった。しかし、子育てや孫育ての経験があるからこそできることも多く、絶対にその経験が糧になると信じて、何と言われても頑張ろうという気持ちを奮い立たせてくれました。また、二次障害という言葉を知らない方もいるので「わがまま」「親がしつけないから」という言葉も聞くことも辛いと感じました。本当の療育を知らない、分かろうとしない姿勢の職員の態度が今でも辛いことです。
発達障害に関する知識を習得し何か変わりましたか
障害があることで、いろんなことに支障があることが理解できました。きちんとした療育がなければ子どもたちは自己否定感が多くて、自己肯定感がとても少ない。自信がなく、何でも諦めてしまう。「どうせ・・・」が口癖の子もいる。しかし、褒めて褒めて、そして直していこうという部分も褒めながら指摘して促していくと子どもたちのやる気がみなぎってくることを知り、子どもたちの為にもっとできることはないかと考えて実行していくうちに自分自身に対しても肯定感を持てるようになった。
ご自身と似た境遇で悩んでいる方に何かアドバイスはありますか?
この療育を行って、失敗したらいけないかか・・・と疑心暗鬼して行動しないよりも失敗してもそれを反省して、改善してと次の活動に繋いでいこうという気持ち、プラスに物事を考えていくことを忘れないでほしい。子どもたちにとっては支援者が下を向く姿勢よりも常に上を向く姿勢を見せている方が安心感や自信を与えることになります。実際に「先生と出会えて良かった」という言葉を子どもたちから聞けたことが更に自分自身の行っている療育に自信を持てます。
発達障がい児の支援を行う上で大切だと感じていることは
上からでも下からでもなく、隣で寄り添う。その「寄り添う」という言葉に感銘を受けました。子どもたちは、どの環境でも辛い目や特別な目で周囲からも見られます。本当に心から寄り添うと挨拶だけでも常に子どもたちの心の変化にも体調の変化にも気付けることが分かりました。今のことも大切だが、これから先の人生を子どもたちのためをもって考えるならば笑顔を忘れずに見守る姿勢、寄り添う姿勢は本当に叱るよりも子どもたちにとっては大切なことだと感じます。
児童発達支援士:Eさん
児童発達支援士資格を受講したきっかけ
障がい児に携わる仕事をしてきたのに、結婚育児が落ち着き職に就いたとき、転職するとき、保育士しか資格のない自分の意見がいくら経験があっても聞き流されてしまう。資格を自分の力に変えてもっと発達支援を身近にしていきたいと思ったからです。抵抗のある親御さん達にも発達支援を受けるきっかけを伝えていけたらいいなと思います。
発達障がい児支援をしていて最も辛かったことは
支援体制もない幼稚園に障がい児が入り、定型発達の子どもの中で教育がされることが辛かった。先生は理解しようとしない。親御さんは幼稚園に入れたい。でも、同じことが出きる状態のこではなく、もっとその子にあった支援をしてあげたいと思った。しかし園からはその支援さえさせて貰えなかった。なぜなら幼稚園だから。板挟みで大変だった。
発達障害に関する知識を習得し何か変わりましたか
私が知っていた情報よりも近年の情報や現況が知れてとても良かったです。意識のアップデートが出来たと思っています。
ご自身と似た境遇で悩んでいる方に何かアドバイスはありますか?
難しいです。アドバイスが出来るほどのものではないです意見の交換をしながら模索したいですね
発達障がい児の支援を行う上で大切だと感じていることは
その子を取り巻く環境を含め、障がい児が先の未来にどんな形で社会と関わっていけるのか、踏まえた上で、今の生活を自立に向け関わっていけたら良いと思う。そのためには、親御さん、支援者が連携していくこともとても大事だと思う。
児童発達支援士:Mさん
児童発達支援士資格を受講したきっかけ
療育の現場にくる子どもたちへのより良い支援や関わりのため。
発達障がい児支援をしていて最も辛かったことは
我が子は発達障害を持っているわけではないが、子育てをしていてもっとも辛かったことは、中々夜尿が取れなかった長男(10年前。当時1年生)に、何ヶ月間かそれを繰り返したのちのある日、とても大きな声で怒ってしまったこと。そのことは今でも記憶に残っている苦い思いでです。長男の方は、もっと記憶に残っていることと思います。
発達障害に関する知識を習得し何か変わりましたか
健常者には見えない世界や、その子独特の認知、表現の仕方等があり、それは2人として同じ状態の子どもはいないということがより実感を伴って理解できたこと。
ご自身と似た境遇で悩んでいる方に何かアドバイスはありますか?
ゴールは必ず訪れるということ。周りの関係機関や人を頼ればよいということ。あなたが関わる中でうまくいかないと感じていても、目の前の子どもは、その、うまくいかないからどうしようとあなたが考え、思い悩むことも含めて、教えてくれていること。
発達障がい児の支援を行う上で大切だと感じていることは
発達障がい児との関わる際には、相手の考えや思いを全力で理解しようとする自分がいる。これは、教育、福祉、医療という枠組みを越えて、人が人と関わる事の根幹であると感じる。
【まとめ】発達障害の二次障害すら知らない施設のスタッフの言動が・・
今回も貴重なインタビューをありがとうございました。
ここでご紹介している受講者は、当協会の認定支援士にお申込みいただいている方となります。資格の学習だけにとどまらず、さらなる知識の獲得や支援活動を積極的に行っていらっしゃる方々です。その意識の高さには頭が下がります。今後も共に支援の輪を拡大していきましょう!
最後までご覧いただきありがとうございました!