【発達支援の資格】SSTスペシャリストの認定を開始しました!

2022年4月に当協会が認定する「SSTスペシャリスト」資格の認定を開始いたしました。この資格は児童発達支援士や発達障害コミュニケーションサポーターを受講されている皆様の声を集積させて作られた資格と言っても過言ではありません。発達支援に携わる皆様に是非ご覧頂きたい記事となっております。最後までご覧ください。

SSTスペシャリストの概要

まずはSSTスペシャリストの概要についてご紹介していきます。

  • 資格名:SSTスペシャリスト(履歴書記載OK)
  • 内容:ソーシャルスキルトレーニングの基本と実践
  • 対象者:児童発達支援士または発達障害コミュニケーションサポーター受講経験者
  • 料金:28,100円(税込)
  • 受講期限:8か月(但し収録されている動画は半永久的に利用可)
  • 申込サイト:受講者限定で受講できる資格のためURLの一般公開はしていません。受講者専用協会公式LINEからアクセス願います

ここで大切になるのが「対象者:児童発達支援士または発達障害コミュニケーションサポーター受講経験者」という部分です。SSTスペシャリスト資格を受講するためには、児童発達支援士又は発達障害コミュニケーションサポーターを受講している必要があります。(もちろん合格者も含む)

なぜ対象者を絞ったのか?

このように対象者を絞ったのには理由があります。このSSTスペシャリスト資格は発達障害の種類や特性、または基本的な支援者としての立ち回り方や対応の仕方は学びません。完全にソーシャルスキルトレーニングにのみ特化しています。そのため、発達障害や支援者としての基本を理解していない状態で、方法論だけを学ぶ事は推奨しません。そういった意味で対象者を絞る形を取らせていただきました。

もしかしたら、「複数の資格を取らせるための作戦だろ」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし全くそんなことはありません。むしろ、対象者を絞らないほうがより沢山の方に受講いただけるものですから、理念に沿ってこのような判断を取ったと強く言わせてください。

方法論だけを知った支援者というのは、子どもにとってはかなりキツいんです。イメージわきますよね。支援のイロハを理解していないのに、表面上の技術だけ習得しているというのは「わかったつもり」になっている一番危険な状態です。私どもは子どもの未来を明るくするため日々活動をしています。そういった意味でこの対処は必要不可欠だったと考えています。

トレーニング内容の紹介

次にトレーニング内容の紹介をさせて頂きます。ソーシャルスキルトレーニングは30種類収録されています。「解説編」「実践編」という動画も完備しており、自宅での療育を初めて行うと言った方でも安心してトレーニングが実践できるような工夫をしています。

1 章 SST 基礎知識
1-1 SST の概要
1-2 SST 実践時のポイント
1-3 トレーニング時の環境設定 (構造化)

2 章 SST スペシャリスト実践ワーク
No.1  あいうえお発声トレーニング
No.2  長音発声トレーニング
No.3  声のボリューム調整トレーニング
No.4  話を聴く姿勢トレーニング
No.5  お手上げトレーニング
No.6  〇〇は好きですか?トレーニング
No.7  どちらが好きですか?トレーニング
No.8  〇〇になりたいですか?トレーニング
No.9  気持ち絵カードトレーニング
No.10 無限ありがとうトレーニング
No.11 自己紹介トレーニング
No.12 早口言葉トレーニング
No.13 Good&New トレーニング
No.14 他者紹介トレーニング
No.15 誉め誉め達人トレーニング
No.16 〇× 言葉トレーニング
No.17 インタビュートレーニング
No.18 会話のキャッチボールトレーニング
No.19 マイベスト3トレーニング
No.20 合言葉トレーニング
No.21 あいづちトレーニング
No.22 名探偵トレーニング
No.23 友だちの誘いを断るトレーニング
No.24 授業中シチュエーショントレーニング
No.25 まいっかトレーニング
No.26 ジェスチャートレーニング
No.27 Show&Tell トレーニング
No.28 ホウレンソウトレーニング
No.29 1分間スピーチトレーニング
No.30 暗黙かるたトレーニング
(付録) トレーニングチェックシート
(付録) 暗黙かるた

このような内容となっています。ソーシャルスキルトレーニングはもともと発達障がい児だけに行うものではなく、定型発達児にも行うものとされています。さらにADHDの子にはこれ、自閉症の子にはこれという区分けもしていません。子どもたちひとりひとり、苦手にしていることは障害がどうであれ異なるものですから、「ADHDだからこのトレーニングをやらなきゃ」ということがないようにしています。しっかりと子どもたちを観察したうえで、どのトレーニングを実践するか決定するようにしてください。

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受講者数は1,100名を越えています

認定からまだわずかな期間ですが、2024年3月時点ですでにSSTスペシャリスト受講者数は1,100名を越えています。児童発達支援士や発達障害コミュニケーションサポーターを受講された方に限定した資格であるにもかかわらず、これだけの受講者数がいらっしゃることは私どもとしても少し驚きがありました。それだけ療育に関する意識が高まっているという事ですね。

ペアレント・トレーニングに最適

皆さんは、ペアレント・トレーニングという言葉を聞いたことがありますでしょうか?療育のひとつとして最近よく耳にするようになった言葉です。定義としては以下のようになります。

ペアレントトレーニングとは、知的障害や自閉症などの子どもをもつご家族を対象に、1960年代にアメリカで開発されたプログラムです。
当初は、「親は子どもの最良の治療者である」という考え方をもとに、支援機関で取り組んでいる子どもへの療育を家庭でもおこなうことで、療育の効果をアップさせたり、維持させたりすることが目的とされていました。発声や模倣といった課題を、療育機関と並行し家庭でも同じ課題をおこなうことで、子どもが療育に従事する時間を増やすことができます。現在では知的障害や自閉症の他にも、ADHDなど子どもの障害種別に応じたプログラムが開発され、展開されています。

日本では、そもそも子どもの療育が十分に行き渡っていなかった背景から、ご家族の日常生活の困り感を軽減するためのプログラムとして取り入れられ、独自に発展してきたものが多くあります。また、現在では、発達障害だけでなく、不登校や非行を繰り返す子ども、虐待を受けた子ども、里子や養子などに対応したプログラムが開発されるなど広がりを見せています。

LITALICOジュニアより引用

上記をまとめ簡単な表現をすると「ペアレント・トレーニングとは、療育を家庭(保護者と子ども)でおこなうこと」ということができます。

関連記事:児童発達支援士はペアレント・トレーニングと言えるのか?

実は当協会が認定する児童発達支援士、発達障害コミュニケーションサポーター、SSTスペシャリストはすべてペアレント・トレーニングを行うことを想定して作られています。中でもSSTスペシャリストは、まさにペアレント・トレーニング用の教材ということができます。自宅で療育を行うことを想定しておりますので、是非お子様と一緒にトレーニングを行ってみてください。

SSTスペシャリスト誕生秘話

当協会では、児童発達支援士と発達障害コミュニケーションサポーターという資格の認定をしてまいりました。おかげさまで延べ2万名以上の受講者様がいらっしゃいます。この人数と言うのは発達支援関連の資格の中でも恐らく最も多いと思われます。ただだからと言って私どもは発達支援について満足しているわけではありません。子どもたちの未来を明るいものにする、保護者の笑顔を守る。そのために出来ることは何かと常に模索をしておりました。

そこで協会公式LINEの「アンケート機能」を活用して、皆様が実際に求めているものは何なのか?という事を調査することになりました。

質問1「さらに深めたい発達支援の知識は?」(ベスト3のみ公表)

  1. 家庭でできる療育について(366票)
  2. 発達障がい者の進学・就職について(334票)
  3. 通級・特別支援級について(295票)

このような結果となりました。一番得票数が多かったのは「家庭で出来る療育について」でした。この結果を踏まえたうえで次の質問を投げかけました。

お勧め記事>>【受講者インタビュー】療育施設に通うことにネガティブな保護者たち

質問2「家庭で実施したい療育は?」(ベスト3のみ公表)

  1. SST(345票)
  2. 感覚統合療法(210票)
  3. 応用行動分析(176票)

このようになり、SST(ソーシャルスキルトレーニング)を実施してみたいと思っている方が最も多いという事がわかりました。その結果が、今回のSSTスペシャリスト資格の認定という事なのです。

ただこのアンケートを実施する前から、いやもっと言うと児童発達支援士を認定し始めた頃からソーシャルスキルトレーニングに関する講座開設は常に検討をしていました。その証拠に、私どもが今回SSTスペシャリストで紹介しているトレーニングの多くは、全国にある学習教室や子ども向け教室ですでに実証実験を繰り返していたのです。

子どもたちや発達障害に関する理解を深めることは「はじめの一歩」としてとても大切ですが、最終的には自立して社会を歩いていかなければいけない。そう考えた時にソーシャルスキルトレーニングは必須だと考えていたからです。その協会が根底に思っていた想いと、受講者の皆様の想いが重なったというのは、とてもうれしく思いますし方向性として間違っていなかったのかと感じることができ、第三の資格はSSTスペシャリストで決まり!と満場一致で決まりました。

このようにして誕生したSSTスペシャリスト資格ですが、認定開始から1カ月ちょっとで250名を越えるお申込みとなっています。1か月間ですでに試験合格された方もいらっしゃるのですが、嬉しいお言葉を頂いておりますので、ご紹介させていただきます。

お客様から頂いた声

40代 女性
いつもお世話になっております。この度児童発達支援士、発達障害コミュニケーションサポーターを受講、受験して合格をいただきました。ありがとうございました。保育園に勤める保育士でありますが、私の息子がADHDと診断され、前年度の2月より通級指導教室に入級しました。今年度から個別指導だけでなく、少人数の指導もしていただくことになり、親子で希望をもって前に進んでいこうと思っております。SSTは息子にとって大変重要なことであるので、私も図書館で本を借り読み漁りましたが、なかなか難しくトレーニングは続きませんでした。今回このSSTスペシャリストを受講させていただき、息子にとって良いトレーニングが出来そうです。道は長いですが、親子共々頑張りたいと思います。人間力認定協会の皆様とのご縁で、私はこうして勉強をすることが出来ました。お顔は見えなくとも、お声を聞くことはなくとも、いつも近くにその存在を感じ頑張ることが出来ました。最後まで勉強をすることが出来たのは、皆さんのお陰しかないと思っております。ありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。


30代 女性
SSTの勉強ははじめてでしたが、実用的な内容で再現性の高さがよかったです。発達障がい児支援だけでなく、適切な距離感かトレーニングスキルが身につく素晴らしいカリキュラムだと思いました。


40代 女性
保育士です。児童発達支援士と発達障害コミュニケーションサポーターの両方を受講したあと、さらに知識を深めたいと思い、SSTスペシャリストも受講しました。実践にすぐに活かせる内容になっており、ポイントや解説も丁寧でわかりやすく大変良かったです!繰り返し確認し私自身のスキルアップもはかっていきたいと思いました!ありがとうございました!

ペアレント・トレーニングが私にできるの?

SSTスペシャリストの認定を開始した時に一番多くお問い合わせいただいたのが上記の質問でした。この質問に対して私どもでは2つの回答をさせて頂いております。そちらも紹介させていただきます。

テキストに一言一句セリフが書かれているので大丈夫

まず1つ目は、SSTスペシャリストのテキストには、30のトレーニングが収録されていますが、そのすべてに支援者の全セリフが用意されています。それだけでなく、開始から終了までの流れに沿って全てセリフを用意しているので、基本的にはそれを見ながらやっていただければ十分に対応可能といえるでしょう。

なぜこのような緻密なことができたかと申しますと、私どもはこれまで学習教室や保育施設などで数年にわたり試行実験を行ってきました。その際に、講師の方々に丁寧に手順を説明し理解していただく必要があったので、その時からこういった一言一句すべてを書き記したマニュアルを用意していたのです。そのため今回の教材化を進めていく際にも、セリフが絶対に必要だという発想が自然とわき、テキストにすべてのセリフを明記することができたと思います。

なお、SSTスペシャリストの教材で紹介されているトレーニングは試行実験を行った時に、より効果的だと判断できたトレーニングを選んでいます。

極論、やらなくてもOKです!

これは少し意外な解答かもしれませんが、極論自宅でSSTを実践しなくてもOKです。それでもSSTスペシャリストをまなぶメリットは十分にあります。

なぜかというと、SSTの基本的な考え方、アプローチを体系的に学び理解することで、皆さんの日常の言葉がけや対応が変わります。つまり、普段の会話や何気ないやり取りに、SSTの要素を自然と加えられるようになるということです。これは発達関係の知識を蓄積する一番のメリットといえるかもしれません。「自然と療育ができている」という理想の状況になれば、保護者や支援者としてもスムーズに支援を行うことができるでしょう。

ですから、SSTスペシャリストを学んだからやらなきゃ!と思い苦しくなる必要はありません。学ぶことに意義があるのです。

小学校の通級クラスにて当協会の教材が導入

2022年に愛知県にある小学校よりご連絡を頂き、当協会のSSTスペシャリストを通級クラスに提供する運びとなりました。(通常は団体への教材提供は行っておりません。ご希望の方は協会までご連絡ください)

たまたま通級クラスの先生が、児童発達支援士と発達障害コミュニケーションサポーター、SSTスペシャリストを受講されており、SSTスペシャリストの内容が実践向きだったため導入を検討されたという事でした。その時に先生から頂いたお話を少し紹介します。

人間力認定協会
今回「SSTスペシャリスト」の教材を導入しようと思った理由は?

私(担当の先生)にSSTの指導に苦手意識があること、担任や保護者から聞いた児童の特性に適した支援に合う教材がすぐに見つからないこと、この2点から以前より本を読んだり研修会に参加したりしてきました。それでもなかなか難しくて教材を探していました。協会のテキストを読むと、どのような特性の子どもに使うとよいか、この教材を使ったことでどのような力がつくかの説明があったので、読みながらこの教材は、この子に使おうなど付箋をつけて勉強ができました。このことから授業がしやすいと思い導入したいと考えました。


このような理由で導入したとお話しくださいました。とても嬉しく思います。

【まとめ】SSTスペシャリストの認定を開始しました!

以上でSSTスペシャリストに関する記事を終わりにしたいと思います。

私どもの想いは皆様とともにどんどん広がっていっていると日々感じております。感謝申し上げます。ここからはさらに具体的な支援に繋げていくための活動を考えております。すべては子どもたちの明るい未来と、保護者や支援者の笑顔を増やすためです。今後とも応援の程よろしくお願いいたします。

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