子どもに教育するとは「人の道」を叩き込むこと
教育という言葉は、今から2500年ほど前、中国の春秋時代に初めて使われたとされています。教育を論じたのは皆さんもご存知、孔子です。孔子が残した論語でも語られているように、教育とは「人の道」を子ども達には教え込まなければいけないということを言っています。
子どもに叩き込むのは道徳教育
「嘘をついてはいけない」「お年寄りを大切にしなさい」など、今でいうところの道徳教育のようなことを言っているのです。そしてこれらの教育は、人間が生まれ持ってくるものではないので、人として生まれてきたら厳しく教え、叩き込みなさいというのが教育なのです。
発育(エデュケーション)とは子どもの能力を引き出すこと
それに比べ、発育とは、その子が生来持っている才能や能力を見いだし、引き出し、妨げることなく成長させるという支援に過ぎないのです。そして欧米の学校ではこの言葉「発育(エデュケーション)」が意味するように、その子の個性に重点が置かれます。世界一学力が高いことが証明されたフィンランドではこのエデュケーションを最も重要視しています。その結果が数字に表れたのでしょう。
明治政府は敢えて誤訳した!?
私は明治政府がエデュケーションを敢えて、「教育」と訳したのではないかと思っています。明治新政府のスローガンである「富国強兵」、その後の日清戦争、日露戦争、太平洋戦争という歴史の流れを考えれば、「学校」という場所が、その子の「才能と能力を引き出す」という原則を無視して、国家のために必要とした「知識」を叩き込む場所に替えられてしまったのではないかと推測しています。
しつけ教育は厳しく
教育の本来の目的である「人の道」を子どもに教え、叩き込むことは非常に重要です。松下電器の創業者で、経営の神様と言われた松下幸之助氏は晩年、「このままでは日本は獣の国になる」と道徳教育の欠如を嘆いていたそうです。親や学校の教師が子ども達に教え、叩き込まなければいけないのは「人の道」であり、現在のような学力(偏差値)偏重主義に代表されるお勉強ではないのです。
「教育」と「発育」はご家庭で
そうは言っても学校制度が今日から変わることはありません。そのため今の子どもたちには保護者の方が取り組むほか、道はありません。親御さんが自らの意識を変えて取り組めば、これまで悩んでいたことが嘘のように消え去り、育児がうまくいくようになるのでぜひチャレンジしてみてください。ここでいくつか家庭での「教育法」と「発育法」についてご紹介します。
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子どもをぐんぐん伸びる子にする簡単「教育法」
子どもが主体性をもってグングン成長するためには、その素養、基礎を作る必要があります。それは以下の3つです。これは国民教育の父と言われた、森信三先生の「しつけ3原則」です。
子どもが自ら成長する「しつけ3原則」
- 「おはようございます」と明るく挨拶できる子にする
- 呼ばれたら「はい」と素直な返事ができる子にする
- 履物をきちんとそろえ、席を立ったら椅子を入れる子にする
これだけです。親御さんが子どもに教育すべきはこれだけでいいのです。これだけできるようにすれば、あとは子ども自身でぐんぐん伸びていきます。子どもは何者にもなり得るのです。そして、この3つは親御さんが率先して行わなくてはいけません。
家庭で実践する奇跡を起こす「発育法」
皆さんのご自宅に花や観葉植物はあるでしょうか。なかったらぜひ、お買い求めいただきたいと思います。植物にはそれぞれ最適な手入れ方法があります。今ならスマホですぐに調べられますが、水やりの方法や量ひとつとっても、それぞれの植物に適したやり方があります。
適した環境が花を育てる
それぞれの植物に適した環境を与えると、植物は自ら成長していきます。双葉を伸ばすのも、花を咲かせるのも、種を作るのも、すべてその植物の自力です。私達はその自力を妨げないようにして、見守ることと、多少の手助けをすることぐらいしかできません。また、菊を買ってきたのに「バラになれ」なんて言っても意味がありません。育児における正しい「発育法」とは、まさにこのような育て方なのです。
結論:教育と発育は違う!?教育は”しつけ”以外してはいけない!
「教育」とは人の道をしつける事、「発育」とはその子の自力の成長を妨げず、ただ見守り支援することなのです。そうすれば、花がそれぞれの個性をもって咲き誇るように、子ども達もまたそれぞれの個性で輝く人生を送れるようになるでしょう。